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「ご主人って、どこにお勤めなんですか?」踏み込んだ質問を続ける同僚。だが、正直な気持ちを伝えた結果

  • 2026.9.14

まだ数回しか話していない人だった

春に同じ部署へ来たその人と、私が言葉を交わしたのはまだ数回だった。

朝の挨拶と、書類を渡すときの二言三言。それくらいの間柄だった。

その人は人懐こく、廊下や給湯室で会うとよく話しかけてきた。感じの悪い人ではない。ただ、聞かれることが少しずつ気になり始めた。

「休みの日って、何してるんですか?」

「うーん、家のことをしたりですかね」

「お子さんは?何人いるんですか?」

「ああ、そのへんは……まあ、いろいろです」

笑って濁しても、次には「家って駅のどっち側なんですか?」と聞かれた。

連絡先も、一度「職場で会えるし、大丈夫ですよ」と断ったのに、後日また「やっぱり交換しません?」と声をかけられた。

いちばん戸惑ったのは、夫の勤め先について聞かれたときだった。

歓迎会の席で、相手がこちらへ少し身を寄せてきた。

「そういえば、ご主人って、どこにお勤めなんですか?」

「普通の会社員ですよ」

私はそれだけ答えて、飲み物に手を伸ばした。

ところが翌週の昼休みに、また聞かれた。

「前にも聞いたかもしれないんですけど、ご主人の会社ってどこでしたっけ?」

「あ、会社まではちょっと……」

それでも金曜の帰り際、三度目の質問がきた。

「結局、ご主人ってどこにお勤めなんですか?」

顔をのぞき込むように聞かれ、私は一瞬、言葉に詰まった。

悪意があるようには見えなかった。ただ純粋に知りたいだけなのだろう。そう思うと、「そこまで聞かないでほしい」と言うのもためらわれた。

私から、きちんと伝えることにした

三度目のあと、このまま曖昧にしていたら、また同じことを聞かれるかもしれないと思った。

週明けの朝、コピー機の前で一緒になったとき、私は思い切って声をかけた。

「あの、ひとつだけいいですか」

「はい?」

「私、家族のこととか、プライベートなことは、職場ではあまり話さないようにしてるんです」

相手は少し目を丸くした。

「え…私、聞きすぎました?」

「責めたいわけじゃないんです。ただ、そういう話をするのがちょっと苦手で」

「ああ…そうだったんですね。すみません」

思っていたより素直な返事に、私も肩の力が抜けた。

「いえ。仕事のことなら全然大丈夫です。分からないことがあったら聞いてください」

近くの机で書類をそろえていた同僚が、会話を聞いていたのか、こちらを見た。

「私も、家のことはあんまり話さないですよ」

相手は少し驚いた顔で、「そうなんですか」と答えた。

「そっか……人によって違いますもんね」

それから、休日や家族について聞かれることはなくなった。

代わりに、「この書類、ここまで書けばいいですか?」など、仕事について声をかけられることが増えた。

「はい、そこまでで大丈夫ですよ」

「よかった。ありがとうございます」

金曜の帰り際にも、その人が書類を手に声をかけてきた。

「これ、最後にもう一回だけ見てもらっていいですか?」

「もちろん。ここだけ直せば大丈夫です」

「ありがとうございます。助かりました」

無理に親しくならなくても、気持ちよく一緒に働ける距離はある。そのくらいが、私にはちょうどよかった。


※本記事は、GLAMが独自に実施したアンケートで寄せられた40代女性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています

※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。

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