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「え、これだけ?料理、ちょっと少なくないか」披露宴で料理に不満を繰り返した親戚。だが、スタッフの対応で空気が一変

  • 2026.9.15
「え、これだけ?料理、ちょっと少なくないか」披露宴で料理に不満を繰り返した親戚。だが、スタッフの対応で空気が一変

私の斜め前の席から、声が上がった

去年の秋、いとこの結婚式に呼ばれた。ホテルの宴会場には親族が20人ほど集まり、いくつかの卓に分かれて座っていた。私は後ろ寄りの卓の通路側で、隣には叔母がいた。

乾杯までは和やかな雰囲気だった。久しぶりに会う親戚と近況を話したり、叔母と運ばれてきた料理の写真を撮ったりしていた。

空気が変わったのは、前菜を食べていたころだった。

同じ卓の斜め前に座っていた親戚の男性が、自分の皿を見ながら眉をひそめた。

「え、これだけ?料理、ちょっと少なくないか」

最初は独り言のようにも聞こえた。周りも特に反応せず、そのまま食事を続けていた。

ところが前菜が下げられ、次の料理が運ばれてくると、男性はまた声を上げた。

「やっぱり少ないよな。これじゃ全然足りないよ」

今度は同じ卓の全員に聞こえる大きさだった。叔母が困ったような顔で私を見る。私は曖昧に笑うしかなかった。

その後、肉料理が運ばれてきたときだった。男性は皿をのぞき込み、三度目の声を上げた。

「またこれくらいか。もう少し何かないの?遠くから来てるんだよ」

ちょうど近くにいたスタッフが足を止め、男性のそばへ寄った。

「もう少し召し上がりたいということですね。追加でご用意できるものがあるか、確認してまいります」

男性は少し不満そうな顔のまま、「頼むよ。腹が減ってるんだ」と答えた。

そのころ、壇上では新郎の友人によるスピーチが始まった。けれど、さっきまで響いていた男性の声が気になり、私はなかなか話に集中できなかった。

スタッフが静かに追加の皿を置いた

しばらくして、先ほどのスタッフが男性のところへ戻ってきた。

「お待たせいたしました。こちらでしたら追加でご用意できます」

そう言って、料理ののった皿を男性の前へ静かに置いた。

男性は少し驚いたように皿を見た。

「ああ…あるなら、まあ、よかったよ」

さっきまでの勢いはなくなっていた。

スタッフは「お待たせいたしました。どうぞごゆっくりお召し上がりください」とだけ言って、その場を離れた。

男性はしばらく黙っていたが、やがてフォークを手に取った。

「遠くから来たからさ。思ったより腹が減ってたんだよ」

今度は、同じ卓の人にしか聞こえないくらいの声だった。

叔母が「食べられるものがあってよかったですね」と返すと、男性も「まあね」と短く答えた。

それから、その席から会場に響くほどの声が上がることはなかった。

私もようやく落ち着いてスピーチを聞けるようになった。新郎の学生時代の話に親族席から笑いが起こり、隣の叔母はハンカチで目元を押さえていた。

男性も最後まで同じ席に座り、お開きの拍手では周囲と一緒に手を叩いていた。

会場を出るとき、先ほど対応していたスタッフとすれ違った。叔母が小さく頭を下げた。

「さっきは、ありがとうございました」

スタッフは軽く会釈して、「いえ、とんでもございません」と静かに答えた。


※本記事は、GLAMが独自に実施したアンケートで寄せられた30代男性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています

※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。

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