1. トップ
  2. 「次は何を食べようか」。お好みの料理だけ、いつでもどのようにも注文できる贅沢[秋山都さん今月のおすすめ]

「次は何を食べようか」。お好みの料理だけ、いつでもどのようにも注文できる贅沢[秋山都さん今月のおすすめ]

  • 2026.9.13
Hearst Owned

秋山都さん、山路美佐さん、森脇慶子さん、門上武司さん他、食通のジャーナリストや編集者が毎月ひとつのテーマから着想した3軒をまとめてご紹介する小誌連載「ガストロノミーの杜 極私的店案内」。

今回は編集者の秋山都さんが、東京の3店をご紹介します。

わがままに応じてくれる和・洋・中のアラカルト

「さて今夜は何をいただこうか」とメニューを眺めながら悩んでいました。まず「トマトのお浸し」で喉を開いて、「胡麻豆腐」、いや「胡麻豆腐の炊き込みごはん」も食べたいからかぶっちゃう。まずメインから決めないとダメか。では、重めなところで「近江牛のテール煮込み」をいただく、となると前菜は? ……優に5分は逡巡したでしょう。近ごろはメニューを見ることも少ないので、"組み立て力"がめっきり衰えてしまっていました。

最近の高級店ではおまかせコースが主体となり、なかには食べ始める時間が指定される"一斉スタート"を導入するお店も少なくありません。注文がバラけないことから、皆が最良のタイミングで料理を楽しめ、食材ロスが少ないなどメリットもあると思いますが、「食事くらい、好きなものを好きなように食べさせてよ」とも思います。やっぱりアラカルトの自由さが心地よいなと。

冒頭のシーンに戻って、「寛心」は京都の名料亭で20年以上研鑽を積んだ中井甚恭(しげゆき)さんが腕を振るう日本料理店。夏の鱧、秋の松茸、冬の蟹など旬の食材を生かしたひと皿は、繊細な仕事が施されながらも難解さはなく、素直に「おいしい」と感じられる味わい。日本酒やワイン、さらにはクラフトジンまで、幅広い酒との相性も考え抜かれています。

AKINORI Maekawa

中国料理なら「桃仙閣 東京」。麻婆豆腐やふかひれ、餃子、炒飯などお馴染みのメニューも少量のポーションで、あれもこれもと欲張って頼めます。あるとき、海老マヨをふたりでシェアしようとしたら、やってきたのはほんの一尾。カロリーも高いので、そのひと口で大満足しました。

「KEI Collection PARIS」は、あの小林圭シェフの料理を自由気ままにいただけるのが魅力のレストラン。有名な"最中"からスタートして、和牛のグリル、締めにはカレーなんて組み合わせが楽しく、つい食べ過ぎてしまいます。

「次は何を頼もう」。そんな迷いが食事の楽しみのひとつであった、と思い出させてくれる3軒です。

AKINORI Maekawa

「寛心かんしん」(東京・赤羽橋)

京都の名料亭で磨いた技を、自由で気軽なスタイルで

欅の美しいカウンター10席と個室がふたつ。21時までは先付、お椀、お造りから成る「季節のお料理3品」(8,800円)を頼んだ後にお好みの料理をオーダーしますが、21時以降は完全アラカルトでOK。酢の物か野菜で1杯、焼き物で1杯、ご飯か麺もので締めに1杯と軽く済ませることができるのも大人向けです。ソムリエである新島弘明さんのお酒のセレクトもお見事。

DATA
営業時間/17時~翌1時(L.O.)
定休日/水曜、火曜不定休
tel.050-1722-2599
Google mapで確認
東京都港区東麻布1-19-2

寛心

KEI Collection PARIS

「KEI Collection PARISケイ コレクション パリ」(東京・虎ノ門ヒルズ)

"グランメゾン"の世界を気軽に味わえる、大人の遊び場

フランスでアジア人初の三ツ星を獲得し、映画『グランメゾン・パリ』で料理の監修を行った小林圭シェフによるグリルガストロノミーレストラン。仏料理を軸に、日本やアジアの感性を自在に織り交ぜたひと皿に大人の遊び心が感じられます。虎ノ門ヒルズ最上階から窓外に広がる夜景もご馳走。写真は「最中フォワグラ 林檎コンフィチュール いぶりがっこ」1,600円。

DATA
営業時間/17時30分~20時30分(L.O.)
定休日/日・月曜
tel.03-6206-1510
Google mapで確認
東京都港区虎ノ門2-6-2 虎ノ門ヒルズ ステーションタワー TOKYO NODE 49F

KEI Collection PARIS

Tousenkaku Tokyo

「桃仙閣 とうせんかく東京」(東京・六本木)

深夜営業で重宝される、美食家のための上質な"町中華"

創業以来、島根・松江で長く愛されてきた中国料理店「桃仙閣」の支店として、六本木駅至近に2020年オープン。アラカルト主体に肩肘張らない“町中華”メニューを高いクオリティで提供。深夜まで営業という使い勝手のよさから、美食家からビジネスパーソン、飲食店の同業者などに幅広く支持されています。写真は「キュウリの花椒オイル和え」(890円/2名分、写真は1名分)など前菜6種。

DATA
「フカヒレと北京ダックのショートコース」16,500円など。
営業時間/17時~24時(L.O.)
不定休
tel.050-3138-4343
Google mapで確認
東京都港区六本木4-8-7 B1F

桃仙閣 東京

教えてくださったのは……

秋山都さん(編集者)
あきやまみやこ●女性ファッション誌や富裕層向けライフスタイル誌、グルメマガジンの編集長を歴任し、アマゾン・ジャパン勤務を経て独立。食・酒・旅をおもなテーマとして、雑誌やウェブメディアなどでコンテンツを制作。趣味は散歩とはしご酒。好物は寿司、焼き鳥、タルタルステーキとハイボール。

文=秋山都 撮影=前川明範(寛心分) 編集=平田剛三(婦人画報編集部)

『婦人画報』2026年10月号より

〇選りすぐりの記事を毎週お届け。

元記事で読む
の記事をもっとみる

注目コンテンツ