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彼女の料理を親友と陰で笑いながら愚痴っていた俺が「それだけは無理」の4文字でごまかした夜

  • 2026.5.6
ハウコレ

付き合って2年。彼女の手料理を毎週のように食べている俺には、ひとつだけ彼女に言えないことがありました。そのひとつを、彼女以外の人間にだけ漏らしていたある夜の話です。

親友とのトーク画面

平日の夜、自分の家で一人、スマホをいじっていました。大学時代からの親友と、他愛のないやりとりで盛り上がっていたのです。話題は前日の夕飯のこと。彼女が作ってくれた煮物が、例によって味が薄く感じられたことでした。

「また薄いわ」と送ったら、親友は「お前の彼女の料理、全部それじゃん笑」と返してきます。俺も笑いながら「一応『うまい』って言ってるけどな」と打ちました。画面には、彼女への不満がずらずらと並んでいきます。誰にも見られない前提で、好き勝手に書けるのが楽でした。

ちょうどそのとき、彼女ともメッセージをやりとりしていました。

返せなかった一言

彼女から「友達と何の話してたの?」。既読をつけてしまったのに、何と返せばいいのかわからない。とっさに「内緒」と打って送りました。「友達と愚痴ってた」と書けば済む話なのに、隠してしまった自分がいたのです。

しばらくして、彼女から「じゃあ見せて」と届きます。スクショを送れば終わる話。でも送れません。親友とのトーク画面には、彼女を笑いものにしていた言葉がそのまま残っているからです。「それだけは無理」と俺は返しました。

打てなかった言い訳

「なんで?」「ねえ、なに?」と何度も送られてきて、俺はついに折れました。「……お前の料理の味付けの相談してた」。相談なんてきれいな言葉を使いました。本当はただの愚痴で、親友と笑い合うためのネタだったのに。

返信はすぐに届きました。「直接言って」。文字越しなのに、彼女の声が怒りではなく呆れに聞こえます。「傷つけたくなかったから」と打ちかけて、途中で消しました。本当は、面倒だっただけ。陰で話す方が俺にとって楽だっただけだと、打ちながら気づいてしまったからです。

そして...

沈黙が気まずくて、俺は取り繕うように送りました。「言う。あと味もうちょい濃くして」。スタンプひとつ返ってきません。

親友とのトーク画面は、今もスマホの中に残っています。スクロールすれば、彼女を笑いものにしていた俺の言葉がいくらでも出てくる。一番セコかったのは、味付けを言えなかったことじゃなく、彼女に言えないことを親友には平気で打てた俺自身でした。

(20代男性・広告代理店)

本記事は、ハウコレ読者への独自アンケートに寄せられた実体験をもとに制作していますが、個人が特定されないよう、一部設定を変更しています。

(ハウコレ編集部)

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