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「運動会って日傘ダメなんですかね?」運動会の最前列で日傘をさしたママさん。だが、誰も注意できなかったワケ

  • 2026.9.10
「運動会って日傘ダメなんですかね?」運動会の最前列で日傘をさしたママさん。だが、誰も注意できなかったワケ

決まりには、椅子はいいと書いてあった

次男が年長のとき、幼稚園の運動会がありました。

園庭はそれほど広くありません。それでも家族で見に行けたので、朝から園庭のまわりにはたくさんの保護者が集まっていました。

私は前の日、折りたたみの座布団をかばんに入れていました。

前のほうで見られるときだけ地面に敷き、競技が終わったら後ろへ下がるつもりでした。

園から配られた案内には、レジャーシートやテントについての注意があり、椅子は使用してもよいと書かれていました。日傘についての記載はありません。

最後には、こんな一文もありました。

「なるべく全員が見られるよう、ご配慮ください」

当日、場所を探していると、一番前に背もたれのある折りたたみ椅子を置き、日傘を差して座っている方がいました。

そのときは私も、少し気になった程度でした。

「あそこ、椅子なんだね」

隣にいた家族に小声で言うと、

「椅子は大丈夫って書いてあったよ」

と返ってきました。

「そっか。じゃあ、いいのか」

そう言いながらも、開いた日傘が後ろから見るとかなり大きく見えたのを覚えています。

競技が始まると、前で見ていた人たちは自然に入れ替わっていました。

ひとつの競技が終わると、

「終わったので、どうぞ」

「ありがとうございます。すみません」

と場所を譲る声が聞こえます。

私も次男の出る競技が近づいたときに前へ行き、座布団を敷いてしゃがみました。

終わったあとは、すぐに立ち上がりました。

「次の方、ここ空きますよ」

後ろにいた方が、ほっとしたように「ありがとうございます」と前へ出てきました。

ところが、最初から一番前にいた方の椅子だけは、そのままでした。

競技が変わっても、休憩をはさんでも、日傘は同じ場所に開いています。

気づけば運動会が終わるまで、三時間ほどその場所に座り続けていました。

「言っていいのかな」と迷ったまま

途中、近くにいた方が日傘のほうを見ながら、小さな声で言いました。

「あれ…後ろ、見えるのかな」

私も気になっていたので、思わず答えました。

「ちょっと見えにくそうですよね」

少し間があって、その方が困ったように笑いました。

「運動会って日傘ダメなんですかね?」

「でも、禁止って書いてなかったですよね」

「そうなんですよね。だから、言っていいのか分からなくて」

結局、それ以上のことは誰も言いませんでした。

先生たちは競技の進行で忙しそうでしたし、私自身も「決まり違反ですよ」と言えるほどの根拠はありません。

椅子も日傘も、案内には明確に禁止とは書かれていませんでした。

ただ、周囲の人たちが競技ごとに場所を譲り合っているなかで、その一角だけがずっと変わらない。そのことが、妙に気になりました。

運動会が終わり、私は座布団をたたみながら、もう一度その席を見ました。

もしかすると、その方自身は後ろがどれくらい見えにくくなっているのか、気づいていなかったのかもしれません。

「禁止されていないこと」と「周りが気持ちよく見られること」は、同じではないのだと思います。

次の年も、私は同じ座布団を持って運動会へ行きました。

そして自分が見たい競技が終わったら、後ろの方に「ここ、どうぞ」と声をかけてから下がりました。

それくらいなら、決まりに書かれていなくてもできることだと思ったからです。


※本記事は、GLAMが独自に実施したアンケートで寄せられた30代女性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています

※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。

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