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「俺は風呂に入りに来た、並びに来たんじゃないんだよ!」温泉の洗い場で順番を抜かした男性。誰も言い返せなかった理由

  • 2026.9.8
「俺は風呂に入りに来た、並びに来たんじゃないんだよ!」温泉の洗い場で順番を抜かした男性。誰も言い返せなかった理由

静かな朝の大浴場にできていた列

一年ほど前、家族と温泉へ行ったときのことです。

朝の大浴場は思っていたより混んでいて、洗い場の前には3人ほどが並んでいました。

私も最後尾につきました。桶を手に持っている人もいれば、足元に置いて順番を待っている人もいます。

席が空くと、先頭の人がそこへ進む。それを繰り返しながら、列は少しずつ前へ進んでいました。

話し声はほとんどありません。蛇口から流れる湯の音や、桶を置く音だけが聞こえていました。

私はぼんやりと、朝食のあと何をしようかと考えながら自分の番を待っていました。

列を通り過ぎ、そのまま空いた席へ

そこへ、一人の男性が入ってきました。

男性は洗い場の前にできている列の横をそのまま歩いていきました。

そして、ちょうど一つ空いた席を見つけると、順番を待たずに座ったのです。

並んでいた人たちは男性のほうを見ましたが、誰もすぐには声を出しませんでした。私も、桶を持ったまま立っていました。

すると、列の先頭にいた人が男性へ声をかけました。

「皆さん並んで待っていますよ」

責めるような言い方ではありませんでした。

普通に事情を伝えるような、落ち着いた声だったと思います。

しかし男性は、すぐに大きな声で返しました。

「俺は風呂に入りに来た、並びに来たんじゃないんだよ!」

湯気の中にその声が響き、周囲の空気が一気に変わったように感じました。

声をかけた人は少し黙ったあと、「いえ、失礼しました」とだけ答えました。

それ以上、誰も何も言いませんでした。私も声を出せませんでした。

男性はそのまま洗い場を使い続け、列は何事もなかったかのように、再び少しずつ進み始めました。

あとになって残ったのは、割り込まれたことではなかった

自分の番が来て体を洗っている間も、私はさっきのやり取りが気になっていました。

腹が立ったのは、順番を抜かされたことだけではありません。

穏やかに声をかけた人が強い言葉を返されたとき、周りにいた私たちが誰も何も言えなかったことが、妙に心に残りました。

もちろん、あの場で自分がもう一度男性に注意できたかと聞かれれば、自信はありません。大きな声を出されれば、関わらないほうがいいと思ってしまう気持ちもあります。

それでも、声をかけた人のほうを見てうなずくなど、同じ気持ちだと示すことくらいはできたのではないか。そんなことを後から考えました。

今でも温泉で洗い場の順番を待つことがあると、あの朝の静かな列と、突然響いたあの声を思い出します。


※本記事は、GLAMが独自に実施したアンケートで寄せられた30代男性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています

※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。

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