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「ここで飲むんだ」文化祭帰りのバスで缶ビールを開けた男性。だが、男性の振る舞いに感じた違和感とは

  • 2026.9.9
「ここで飲むんだ」文化祭帰りのバスで缶ビールを開けた男性。だが、男性の振る舞いに感じた違和感とは

文化祭の帰り、隣で缶が開いた

高校生のころ、文化祭の帰りにバスへ乗ったときのことです。

朝から校内を歩き回っていたので足は疲れきっていました。車内は混んでいましたが、運よく座ることができ、私は背もたれに体をあずけていました。

しばらくすると、隣に年配の男性が座りました。

その直後です。

プシュッ、と缶を開ける音がしました。

見ると、男性がビールの缶を手にしていました。

当時の私は、公共の場所で周囲を気にしないように見える行動が、とても気になる性格でした。

隣でビールを飲み始めた男性にも、「ここで飲むんだ…」と内心かなり驚いていました。

さらに数分後、今度は前のほうから話し声が聞こえてきました。

優先席のあたりに座っていた別の年配の男性が、携帯電話で話し始めたのです。

「もしもし。今、バスだけど」

声は私の席まで聞こえてきました。

ビールを飲んでいる人が隣にいて、前では電話をしている人がいる。

私は一人でどんどん腹を立てていました。それでも高校生だった私は、自分から声をかける勇気まではありません。

誰か注意しないのかな。

そんなことを考えながら、前の席を見ていました。

信号で止まると、隣の男性が立ち上がった

やがてバスが赤信号で止まりました。

すると突然、隣でビールを飲んでいた男性が席を立ちました。

そして、電話をしている男性のほうへ歩いていったのです。

私は思わず、その行く先を目で追いました。

「もしかして、注意しに行くのかな」

そう思いました。

自分には言えなかったことを、大人が代わりに言ってくれるような気がしたのです。

ところが、男性が電話をしていた人の前まで行くと、想像していたこととはまったく違うことが起きました。

「なんだ、乗ってたのか」

電話をしていた男性が顔を上げました。

「気づかなかったよ」

二人は笑い始めたのです。

どうやら知り合いだったようで、たまたま同じバスに乗っていたことに、それまで気づいていなかっただけでした。

電話を終えた男性と、ビールを持った男性は、そのまま楽しそうに話し始めました。

私は何も言えず、握っていた手すりからそっと手を離しました。

怒っていたのは、どうやら私だけだった

次の停留所でバスを降り、家まで歩きました。

帰宅してから母に一部始終を話すと、母は少し笑いながら聞きました。

「それで、あんたは何か言ったの?」

「…何も言ってない」

そう答えると、母はまた笑いました。私もつられて笑ってしまいました。

あのとき私は、隣の男性が立っただけで「きっと注意しに行くんだ」と勝手に決めつけていました。

実際には、ただ知り合いを見つけて話しかけに行っただけ。

車内で一人だけ険しい顔をしていた自分を思い出すと、今でも少し恥ずかしくなります。

それ以来、周囲の行動が気になったときも、自分の見えている場面だけで決めつけていないか、一度考えるようになりました。


※本記事は、GLAMが独自に実施したアンケートで寄せられた20代男性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています

※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。

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