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「どうぞおかけください」と杖の女性に席を譲った私。数秒後、なぜか2人で立つことになった理由

  • 2026.9.8
「どうぞおかけください」と杖の女性に席を譲った私。数秒後、なぜか2人で立つことになった理由

杖をついた女性が、目の前に立った

仕事帰りの電車で、その日はめずらしく座ることができました。荷物も重かったので、ドア近くの席に座れただけでほっとしていました。

いくつか先の駅で大勢の人が乗り込み、車内は一気に混みました。

その中に、杖をついた年配の女性と、付き添いらしい方がいました。二人は私の前あたりで立ち止まり、女性は近くの手すりにつかまりました。

優先席ではありませんでしたが、私は席を立ちました。

「どうぞおかけください」

女性は少し驚いたあと、「ありがとうございます」と頭を下げました。

私は女性が通れるように一歩横へずれました。

ところが、その直後でした。

隣に立っていた人が、空いた席へさっと腰を下ろしたのです。

その人はそれまで手元を見ていて、私と女性のやり取りには気づいていなかったようでした。私が降りるために立ったと思ったのかもしれません。

座るとすぐ、持っていた紙のパックを開けて食べ始めました。

譲った私と、譲られた女性が立っていた

私はとっさに何も言えませんでした。

女性も席を見たあと、私の顔を見ました。

声をかければよかったのかもしれません。ただ、すでにその人は座って食べ始めています。混んだ車内で改めて事情を説明するのもためらわれ、結局、私はそのまま立っていました。

もちろん、女性も立ったままです。

せっかく席を譲ったのに、私と譲られた女性が並んで立っているという、なんとも不思議な状態になってしまいました。

すると女性が小さな声で言いました。

「まあ、こういうこともありますね」

私も思わず苦笑しました。

「すみません。せっかく立ったのに」

「いいんですよ。お気持ちだけで十分です」

付き添いの方も困ったように笑っていました。

座った人に悪気があったのかどうかは分かりません。周囲が混んでいたので、本当にただ空席ができたと思っただけなのかもしれません。

次の駅で、女性たちは降りていきました。

降りる前、女性はもう一度「ありがとうございました」と言ってくれました。

私は結局、そのまま立って帰ることになりました。

少し疲れましたが、腹を立てたことよりも、女性と顔を見合わせて苦笑した瞬間のほうをよく覚えています。

それ以来、混んだ電車で席を譲るときは、相手がきちんと座るところまで少し待つようになりました。


※本記事は、GLAMが独自に実施したアンケートで寄せられた50代女性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています

※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。

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