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「やりたい放題やってたよ!」父の通夜で義兄が電話口で放った一言。近くで聞いていた私が感じた違和感とは

  • 2026.9.8
「やりたい放題やってたよ!」父の通夜で義兄が電話口で放った一言。近くで聞いていた私が感じた違和感とは

箸の音だけがしていた席で

父の通夜が終わり、別室に食事の席が用意されていた。

席には折の弁当が並べられていたが、私はほとんど手をつけられず、蓋を開けたまま箸だけを持っていた。

周りでも大きな声で話す人はいなかった。

誰かが口を開いても、隣の人に聞こえるくらいの声で短く言葉を交わすだけだった。

私は何を話せばいいのか分からなかった。父のことを話すにはまだ早いような気がするのに、父とは関係のない話をする気にもなれない。

誰かに声をかけられるたび、ただうなずいていた。

そのとき、少し離れた席にいた姉の夫が、携帯電話を耳に当てた。

姉と結婚して十年ほどになる義兄だった。

電話口で聞こえてきた言葉

「ああ、どうも。ご無沙汰しております」

最初は、いつもの丁寧な話し方だった。

やり取りを聞いていると、相手は父を昔から知っている人のようだった。ところが、しばらくすると義兄の声が少し大きくなった。

「やりたい放題やってたよ!そのまま逝っちまいましたよ」

その言葉が耳に入った瞬間、私は箸を置いた。

義兄はさらに、

「ええ、まあ、最後まで元気でしたから」

と続けていた。

冗談めかして話しているように、私には聞こえた。

酔っていたわけではない。義兄の前に置かれた飲み物は、ほとんど減っていなかった。

私は何も言えなかった。

ただ隣にいた姉を見ると、義兄の電話を止める様子もなく、そのまま席に座っていた。

向かいにいた親戚が、しばらくして小さな声で言った。

「にぎやかなのが、好きな人だったからね」

父のことだとすぐに分かった。

「そうですね」

私はそれだけ返した。

すると親戚は、ほとんど手をつけていない私の弁当を少しこちらへ寄せた。

「あなたも、少し食べなさい」

今も普通に話しているけれど

家に帰ってから、私は何度もあの言葉を思い出した。

義兄は、父の終末期をずっとそばで見ていたわけではない。

最期の日にも、その場にはいなかった。

義兄が知っているのは、姉と結婚してから接してきた父の姿だ。

だから、あんなふうに軽く話せたのかもしれない。そう考えることにした。

けれど、理由を考えたからといって納得できたわけではない。

あの日、私は結局、弁当をひと口も食べなかった。

その後も法事で義兄に会えば、普通に話している。あのときのことを本人に伝えたこともない。

ただ、通夜の静かな席で聞いたあの一言だけは、今でも忘れることができない。


※本記事は、GLAMが独自に実施したアンケートで寄せられた40代女性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています

※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。

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