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閉店10分前に来店した客。「面倒だな」と感じた店員が、3度も客からお礼を言われた結果

  • 2026.9.7
閉店10分前に来店した客。「面倒だな」と感じた店員が、3度も客からお礼を言われた結果

閉店十分前に、自動ドアが開いた

スーパーで働いていたころ、私は夕方から閉店までの時間に入っていました。

閉店の三十分ほど前になると、少しずつ片づけを始めます。二つあるレジのうち一つを閉め、売り場に残っているカゴを集めて入口わきへ運ぶ。それがいつもの流れでした。

その日も片づけを進め、閉店まであと十分というところまで来ていました。

今日はもうすぐ終わりだ。そう思ったところで、自動ドアが開きました。

入ってこられたのは、年配のお客さんでした。

正直に言えば、その瞬間の私は「面倒だな」と少し困りました。

まだ営業時間内だとは分かっています。それでも、一度片づけに気持ちが向いてしまうと、もう一度売り場へ戻るのが少し面倒に感じたのです。

お客さんは調味料の棚の前を行ったり来たりしたあと、私のところへ来られました。

「すみません。これはどこですか」

「ご案内しますね」

一緒に棚まで行き、端のほうに置いてあった商品を示すと、お客さんの顔が明るくなりました。

「ああ、これです。ありがとうございます」

それが一度目のお礼でした。

私はそのままレジへ戻り、途中まで集めていたカゴを重ね直しました。

三度目のお礼は、店を出る直前だった

しばらくして、お客さんが商品を持ってレジへ来られました。

買われたのは、先ほど案内した品とほかに数点だけ。会計はすぐに終わりました。

袋へ商品を入れながら、お客さんがこちらを見ました。

「すみません、閉店前なのに。ありがとうございます」

「いえ、大丈夫ですよ」

これが二度目でした。

会計を終えると、お客さんは袋を持って出口へ向かいました。

ところが自動ドアの少し手前で足を止め、こちらを振り返ったのです。

「親切にしてくれて助かりました。ありがとう」

三度目でした。

私は少し驚いて、「いえ、こちらこそ」とだけ返しました。

その方が店を出たあと、私は残っていたカゴを集め、いつもの閉店作業へ戻りました。

やることが減ったわけではありません。それでも、さっきまで感じていた面倒な気持ちは、不思議と薄くなっていました。

閉店前にお客さんが来れば、今でも「あと少しだったのに」と思うことはあります。

けれど、そう思うことと、目の前のお客さんにきちんと対応することは別なのだと、あの夜に少しだけ分かった気がします。


※本記事は、GLAMが独自に実施したアンケートで寄せられた40代女性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています

※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。

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