1. トップ
  2. エピソード
  3. 「引っ越せばいいじゃないですか」隣人に追い返された私。数日後、向かいの奥さんが伝えたこと

「引っ越せばいいじゃないですか」隣人に追い返された私。数日後、向かいの奥さんが伝えたこと

  • 2026.9.27

毎日3時間ほど続いていた道路遊び

去年の春、隣の家に、小さな子どもが2人いる家族が引っ越してきた。

朝から隣家でドタバタと音がすることもあったが、特に気になったのは家の前の道路だった。

子どもたちは毎日のように、昼過ぎから夕方まで3時間ほど、ボールを追いかけて遊んでいた。

楽しそうな声が、窓を閉めていても響いてくる。そのたびに、家で仕事をしている私の手が止まった。

子どもが元気なのは当たり前だし、少しくらいはお互いさまだと思っていた。

けれど、ひと月ほどたつころには、夕方が近づくと「今日も始まるのかな」と気になるようになっていた。

ある土曜の午後、私は思い切って隣のインターホンを押した。

出てきたのは、私と同じ30代くらいの母親だった。

「突然すみません。日中なので多少はお互いさまだと思っているんですが、毎日かなり声が響いていて……少しだけ気をつけてもらえませんか」

母親は眉をひそめた。

「でも、子どもなんだから仕方なくないですか」

「外で遊ばないでほしいわけじゃないんです。ただ、毎日3時間くらい続いているので……」

すると母親は、少し強い口調で言った。

「うるさいって言うなら、引っ越せばいいじゃないですか」

「いえ、そういうつもりで来たわけでは……」

「だから、そんなに気になるなら引っ越せばいいじゃないですか!」

そう言うと、母親はそのままドアを閉めた。

数日後、向かいの奥さんに呼び止められた

数日後の夕方、ゴミ出しの帰りに、向かいの家の60代くらいの奥さんから声をかけられた。

「このあいだ、お隣のインターホンを押していたでしょう。大丈夫だった?」

私は少し迷ってから、そのときのことを話した。

「『うるさいって言うなら引っ越せば』って言われてしまって…」

奥さんは驚いたように私を見た。

「そんなことを言われたの。あなたも困っていたのね」

そのときは、それ以上の話にはならなかった。

その週の金曜、子どもたちがいつものように道路でボールを蹴っていた。

すると、角を曲がってきた車が子どもたちの手前で速度を落とし、ゆっくり脇を通り過ぎていった。

門の前にいた母親のところへ、向かいの奥さんが歩いていった。

「お子さん、元気でいいわね。でも、この道は車も通るから、見ているとちょっと心配なのよ」

それから、道路の先を指さした。

「それに夕方は、うちにも声がけっこう響いてるの。すぐ先に公園があるでしょう。あっちなら車も気にせず遊べるんじゃない?」

すると、斜め向かいで植木に水をやっていたご主人も、ホースを止めてこちらを見た。

「うちも、声はけっこう聞こえてますよ」

母親は二人の顔を交互に見て、しばらく黙っていた。

やがて足元のボールを拾い上げ、小さな声で言った。

「……そんなに響いてたんですね。すみません」

「公園なら、思いきり走れるものね」

道路で遊ぶ姿が少しずつ減っていった

次の週、子どもたちがボールを抱え、母親と一緒に公園のほうへ歩いていく姿を見かけた。

それからは、家の前の道路で長い時間ボール遊びをする姿を、ほとんど見なくなった。

昨日も門の前で子どもたちとすれ違った。母親は私を見ると、小さく頭を下げた。

その横で、子どもたちは元気よく声を上げた。

「いってきまーす」

母親はそのまま子どもの手を引き、公園のほうへ歩いていった。

私が一人で伝えたときには届かなかった言葉も、実際に車が通る様子を見て、さらにほかの家にも声が響いていると知ったことで、受け止め方が少し変わったのかもしれない。


※本記事は、GLAMが独自に実施したアンケートで寄せられた30代女性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています

※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。

元記事で読む
の記事をもっとみる

注目コンテンツ