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「『自分の頑張りが足りない』と思い始めたら、それはうつのサイン」産後うつ経験者の著者からのメッセージ【著者インタビュー】

  • 2026.9.4

【漫画】本編を読む

5年にわたる不妊治療でも子どもを授からなかったため、仕事に専念することを決意したちはる。しかし大きなプロジェクトの責任者に抜擢された矢先、妊娠が発覚する。「タイミング最悪」と思ってしまったことに罪悪感を覚えつつも、育児と仕事の両立を決意。しかし、つわりも重く、うまくいかないことの連続で……。

自身も経験した“産後うつ”をテーマに『もう3年、産後うつ。 消えたい衝動から抜け出せない』(青柳ちか/KADOKAWA)を描いた著者・青柳ちかさん。自身が経験した産後うつや、本作に込めた想いについて話を伺った。

※個人の体験をもとにインタビューを行っています。症状など、詳細は医療機関等にご確認ください。

――本作を描く上で、「これは絶対に伝えたい」と決めていたことはありますか?

青柳ちかさん(以下、青柳):うつはすっきりと治る場合もありますが、再発して長く苦しむこともあります。私の場合は、うつよりも不安の症状が強くかなり長く続き、それに伴って抑うつ状態が戻ってくることもありました。なので「産後うつはそのときだけでさっぱりと治る場合ばかりではない」ということを伝えたいと思って描きました。

もうひとつは現代における「産む性」の生きづらさを描きたいという思いがありました。主人公・ちはるを中心に、専業主婦のマキ、ちはるの母、独身の友人・みさ、そして最初に登場した、小さな子どもがいてよく仕事を早退していたちはるの同僚・黒沢さん。様々な選択をした女性の姿を少しずつ描きました。特に黒沢さんは、私の中でもっと描きたかったなという部分があります。同様に、出産する女性を尊重しようとする男性側にもそれぞれ葛藤があったりする。ちはるの夫・ひろきは、ちはるを支えるために育休を予定より長く取ったり、働き方をセーブしたりと家庭に寄り添いましたが、その分職場で肩身の狭い思いをしました。登場人物の誰かに少しずつ読者と重なる部分があったらいいな、と思いながら描きました。

――今まさに産後うつ・育児の孤独に苦しんでいる方にどんなことを伝えたいですか?

青柳:「誰かを頼っていいんだよ」と言われても頼れる誰かが思いつかない、頼る気力もないと思ってしまう場合があります。でも産後うつになって回復した人は私を含めたくさんいます。絶対に回復するので諦めないでほしいです。「自分の頑張りが足りない」と思い始めたら、もうそれはうつのサインです。産後、育児をしているというだけで十分すぎるほど頑張っているのですから。必ず誰かが味方になってくれるので、家族、地域の保健師、産院、かかりつけの内科などに、「辛くて辛くてどうしようもない」と言ってみてください。

取材・文=原智香

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