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「ミラノデザインウィーク2026」期間中に、ミラノ市内で見つけた最新デザイン

  • 2026.9.1
Hearst Owned

街がデザインに染まった、ミラノデザインウィーク。数多くの展示の中から厳選した、今年を象徴する最新デザインをトピック別に紹介する。『エル・デコ』2026年8月号より。

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有機的なデザインは、次なるステージへ

Flexform

エレガンスを体現するアウトドア
サンタンジェロ修道院の回廊で屋外家具を展示した、「フレックスフォルム」。特にモニカ・アルマーニによるソファ“マルゲリ”が注目を集めた。アルマーニは「有機的な形が流行していますが、私のデザインはトレンドに影響されません。引き算をして余分なものをそぎ落とすことで、ディテールの緻密さが際立ってくるのです」と語る。控えめな存在感を放つ、真のエレガンスを体現するコレクションが誕生した。

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Noritake

食卓に小さな風景をつくり出すモジュール式テーブルウェア
陶磁器ブランドの「ノリタケ」は2年連続で「アルコーヴァ」会場に出展し、国際的なデザイナーとタッグを組む“ノリタケ デザイン コレクション”の新作を披露した。初のコラボレーションを果たしたのが、建築家ミケーレ・デ・ルッキ率いるAMDLサークル。彼らが手掛けた“ランドスケープ”はさまざまな形や角度のピースを組み合わせて、食卓の上に小さな自然風景を浮かび上がらせる。色は海と大地を想起させる2色。食器としてだけでなく、自由な使い方で楽しめる。

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Molteni&C

丘陵風景から着想を得たアームチェア
2025年にオープンした旗艦店、パラッツォ・モルテーニにて新作コレクションを発表した「モルテーニ」。全体的にリラックスムード漂う、穏やかで曲線的なデザインが多く見られた。深澤直人による新作アームチェア“ボスコ”は、イタリア・トスカーナの丘陵風景に着想を得ている。緩やかでボリュームのある形が、自然の中に溶け込むような心地よさで、体を優しく包み込んでくれる。

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Edra

きらめきを放つ光の彫刻
イタリア・トスカーナ発の「エドラ」は、ポリカーボネート製の照明“ディリー”を発表。手作業で形づくられる躍動感のあるシルエットは、もはや彫刻作品。デザイナーのヤコポ・フォッジーニはこの独特な形を「女性の姿を自由に解釈したもの。コントラストの中で現れては消えていくような、捉えどころのない横顔」と表現する。調光機能を備え、屋外用も展開する。

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Magis

ハイメ・アジョンによる“不完全な美”
ハイメ・ アジョンによるスツール“アルケオ”は、あえて不規則な多面的構造でつくられた彫刻的なデザイン。時を経て浸食されたようなフォルムが考古学的なピースをほうふつとさせる。その一方でサイドテーブルやスツール、オブジェとしても使える汎用性の高さは現代の生活にマッチ。ポリエチレンで絶妙な風合いを再現し、色はアースカラーをそろえた。

Carlotta Manaigo

素材への探求が生む新たな価値

Gallotti&Radice

ガラスデザインの歴史と未来を提示
ガラス装飾に特化したイタリアの「ガロッティ&ラディーチェ」は、創業70周年を記念した展示「テイルズ・イン・グラス」を開催。過去の名作から、6組のデザイナーが手掛けた新作までを、普段非公開の邸宅で美しく見せた。1971年発表のルイジ・マッソーニによる“アダム”は、ブランド初の全体がガラスでできたテーブル。

Carlotta Manaigo

新作コレクションにはデザイナーの柴田文江も参加し、グラデーションが美しいコーヒーテーブル“コウシ”を発表した。

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Hermès

銀細工の技を駆使したメタルと異素材の融合
石膏と木材をグラフィカルに組み合わせた、30個の直方体を用いて新作を発表した「エルメス」。ここ数年、一つの素材をフォーカスしている「エルメス」が、今年フィーチャーしたのがメタル。

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ジャグは職人技が光る槌目仕上げのメタルに、温かみのあるカシアウッドのハンドルを組み合わせた。

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ベースはメゾンのルーツである馬術をオマージュしたデザイン。騎手のウェアを思わせる幾何学柄のレザーが円筒形のメタルを優美に包み込む。

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Loro Piana

圧巻の職人技が生み出す唯一無二のプレード
プレード(ブランケット)に焦点をあて、卓越した職人技を前面に出した「ロロ・ピアーナ」。ビキューナ、ベビーカシミヤ、自社開発のウール類など多彩な素材を使い、ニードルパンチ、アップリケ、手刺しゅう、スクリーンプリントといった技法を駆使した24作品を披露した。写真の繊細なシェヘラザード柄は、手仕事で約1850時間かけて刺しゅうしたもの。

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メゾンとゆかりのあるアルプスの風景を、ダブルカシミヤにプリントしたプレードも展示された。

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Issey Miyake

プリーツの副産物が生み出す革新的な美
「イッセイ ミヤケ」は独自のプリーツ加工の製造過程による副産物である“圧縮された紙のロール”に着目。このプリーツがかかった紙の積層のような副産物をペーパーログと呼び、これを用いて家具を制作した。奥は協働した建築事務所のアンサンブル・スタジオによる、作品群「Shel(l 膜)」。圧縮されたペーパーログを解体し、硬化剤を施して形にした。「イッセイ ミヤケ」のプロジェクトチームは手前のベンチや椅子といった家具のプロトタイプ“Core(核)”を発表した。

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造形美が際立つキッチン&バス

Molteni&C

流れるような曲線美がバスやキッチンにまで拡大
近年、動きのある有機的なラインを前面に出している「モルテーニ」。その優雅な雰囲気は水まわりのアイテムにも反映されていた。ブランド初となるバスルームコレクションはリビングスペースと調和する、シックで上品なデザイン。

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ヴィンセント・ヴァン・ドゥイセンによるキッチン“フィシス”は丸みを帯びたコーナーと流れるようにつながるフォルムに、「モルテーニ」らしさが光る。

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Kohler

銅を用いた造形美が光るバスタブに注目
水まわり製品を扱う「コーラー」は、ロサンゼルス発のライフスタイルブランド、「フラミンゴ・エステート」とコラボレーションしたインスタレーションを開催した。心地よい香りが漂うステンドグラスで彩られたバスハウスの中央には、新作の鋳物ホーロー製バスタブ“レヴェリー”が静かに佇む。ブランドとして初めて外装に銅を用いており、ステンドグラスから差し込む幻想的な光と見事に調和していた。

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Poliform

空間の骨格となる彫刻的なキッチン
ミラノデザインウィーク中に、スカラ座のほど近くに旗艦店をオープンした「ポリフォーム」。新作発表は格式高い宮殿、パラッツォ・クレリチで開催した。注目を集めた新作は、システムキッチン“ハープ”だ。幾何学的なラインと柔らかな曲線を融合させた、彫刻的で建築的なデザインはキッチンという枠を超えた造形美を放つ。加⼯を施した⽊材や⼤理⽯の天板、スコッチブライト仕上げのスチールのディテールなど、素材選びにも徹底的にこだわっている。

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歴史を未来へとつなぐデザイン

Poltrona Frau

カラフルに昇華した「アーチボルド」
「トゥルーオーバータイム」というテーマを掲げた「ポルトローナ・フラウ」。時代を読みながら本質を見失わず、時を超えて価値を伝える姿勢を見つめ直した。その一例といえるのが、アーティストとのコラボレーション。ブランドを象徴するジャン=マリー・マッソーによるアームチェア“アーチボルド”を、現代アーティストのシェパード・フェアリーが装飾。シリアルナンバー入りの限定200点で、日本発売は今秋予定。

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Baccarat

シャンデリアもグラスもアップデート
4年ぶりに、ミラノデザインウィークへ参加した「バカラ」は没入感のあるインスタレーションを開催した。エマニュエル・ルチアーニとコラボレーションし、バカラ村を舞台にしたSF的な映像作品を披露したり、ベサン・ローラ・ウッドが名作“ゼニス”を再解釈した新作シャンデリアを発表したりと、「バカラ」の伝統に新たな風が吹き込まれた。さらに1841年に誕生した、ブランドのアイコン的な存在である“アルクール グラス”も進化。重厚感のあるエレガントなグラスが鮮やかな色彩をまとって登場した。

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Cassina

永遠のアイコンが現代的な解釈で復刻
これまでも巨匠の名作を現代的なアプローチで復刻させてきた「カッシーナ」。今シーズンも名作の復刻に力を入れている。1980年にガエタノ・ペッシェが旧約聖書のサムソンとデリラに着想を得てデザインしたアームチェア“ダリラ”を屋内と屋外仕様の2種で復刻。

Hearst Owned

ヴァーナー・パントンの生誕100周年を記念して「カラクター」×「カッシーナ」より“ピーコックチェア”も登場。孔雀が羽を広げたような造形をオリジナルに忠実に再現。

©LOUIS VUITTON

Louis Vuitton

アール・デコの美学を匠の技でつなぐ
「ルイ・ヴィトン」のハイライトは、アール・デコ博覧会から100周年を記念した“ピエール・ルグラン オマージュ”コレクション。メゾン初の家具をデザインするなど、ゆかりの深いピエール・ルグランのアーカイブを再解釈した家具やテキスタイルがそろう。写真のフォールディングスクリーンやチェアなど、アール・デコの美学が軽やかによみがえった。

©LOUIS VUITTON

さらにシャルロット・ぺリアンによる幾何学パターンを用いたテーブルクロス“エヴェレスト”も登場。

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cc-tapis

フォルナセッティとのコラボラグが誕生
これまでに数多くのデザイナーと協業してきたイタリアのラグブランド、「CCタピス」。今年は初めてイタリアを代表するデザインアトリエ、フォルナセッティとのコラボレーションを発表した。ピエロ&バルナバ・フォルナセッティのアーカイブから引用した、幻想的なモチーフを大胆な構図に落とし込み緻密なジャカード織りで表現。

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フォルナセッティのタイムレスなモチーフの数々が、モダンでアートなラグへと軽やかに生まれ変わった。

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Jaeger-LeCoultre

芸術的な置き時計に後継モデルが登場
「ジャガー・ルクルト」は1928年誕生の“アトモス・クロック”にフォーカスした展示を開催し、マーク・ニューソンによる“アトモス・デザイナー568”の最新作を発表した。2016年に発表した初代モデルを再解釈し、モノトーンカラーで刷新。このシックな配色が、バカラクリスタル製ケースの透明感をより引き立てる。日の出・日の入りの時刻表示と均時差表示、月齢表示といった新機能を搭載する。

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『エル・デコ』2026年8月号



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