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「これ、私が頼んだのと違うんだけど」注文を間違えた私。だが、急いでいた客が最後にかけた一言

  • 2026.9.1
「これ、私が頼んだのと違うんだけど」注文を間違えた私。だが、急いでいた客が最後にかけた一言

運んだ料理を見て、お客様の表情が変わった

学生の頃、私は和食のチェーン店でホールのアルバイトをしていました。

働き始めてまだ数か月。注文を取ることには慣れてきたつもりでしたが、昼どきになると店内は一気に慌ただしくなります。

ある日、一人で来店された女性のお客様の注文を取りました。

「焼き魚の定食をお願いします」

「はい、焼き魚定食ですね。少々お待ちください」

私はそう復唱して端末を操作し、次のテーブルへ向かいました。

しばらくして料理が出来上がり、私はお客様の席へ運びました。

「お待たせしました。天ぷら定食です」

ところが、お膳を置こうとした瞬間、お客様が私の顔を見上げました。

「えっ…ちょっと待って。これ、私が頼んだのと違うんだけど」

一瞬、頭が真っ白になりました。

「申し訳ありません。確認してきます」

伝票を見ると、そこには確かに「天ぷら定食」と入力されています。間違えたのは私でした。

「今から作り直すの?」

席へ戻り、私は頭を下げました。

「申し訳ありません。私が入力を間違えていました。すぐに焼き魚定食をお作りします」

すると、お客様は時計を見て、困ったように眉を寄せました。

「今から作り直すの?このあと用事があるから、そんなに待てないのよ」

怒鳴られたわけではありません。それでも、明らかに焦っている声を聞いて、胸がぎゅっと縮みました。

「すみません…。何分くらいかかるか、すぐ確認してきます」

厨房へ駆け込み、事情を伝えると、リーダーが時計を確認しました。

「焼き魚なら急げば出せるよ。まず、お客様に時間をちゃんと伝えてきて」

私はもう一度席へ戻りました。

「7、8分ほどでお持ちできます。本当に申し訳ありません。お待ちいただくのが難しければ、別の対応もできます」

お客様は少し考えてから、小さく息を吐きました。

「……それなら待ちます。私も時間がなくて、ちょっと焦っちゃって。ごめんなさいね」

思ってもいなかった言葉に、今度は私のほうが慌てました。

「いえ、謝るのは私です。ちゃんと確認しなかったので……」

帰り際に呼び止められて

焼き魚定食は予定より少し早く出来上がり、お客様も急ぎながら食事を終えました。

会計を済ませ、そのまま帰られると思っていたときです。

「ねえ、お姉さん」

呼び止められ、私は思わず背筋を伸ばしました。

すると、お客様は少し笑って言いました。

「間違えることはあるから、そんなに落ち込まなくていいよ。でも次は、押す前にちゃんと見たほうがいいね」

「はい。本当にすみませんでした」

「うん。じゃあ、頑張ってね」

そう言って、お客様は足早に店を出ていきました。

もちろん、注文を間違えた私が悪かったことに変わりはありません。それでも、お客様が怒っていたのにも理由があり、こちらがきちんと説明すれば気持ちを伝え合えることもあるのだと知りました。

それからしばらく、注文を入力するたびに、私は決定ボタンを押す前にもう一度画面を見るようになりました。


※本記事は、GLAMが独自に実施したアンケートで寄せられた30代女性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています

※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。

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