1. トップ
  2. エピソード
  3. 「もう1回、負けたままじゃ終われない!」ゲームに負けた息子が大声を出した。だが、静まり返った座敷を変えた伯父の一言

「もう1回、負けたままじゃ終われない!」ゲームに負けた息子が大声を出した。だが、静まり返った座敷を変えた伯父の一言

  • 2026.9.1

楽しく遊んでいたはずが、一瞬で静かになった

親戚が集まった日のことです。座敷には座卓を二つ並べ、大人たちはお茶を飲みながら話をしていました。

子どもたちは少し離れたところで遊んでいて、うちの息子と甥っ子は二人でゲームをしていました。

何度も勝ったり負けたりしながら、二人ともかなり夢中になっていました。私もときどき様子を見ていましたが、楽しそうだったので、そのまま伯母たちとの話に戻っていました。

しばらくして、勝負が決まりました。負けたのは息子です。

すると息子は勢いよく顔を上げました。

「もう1回、負けたままじゃ終われない!」

思っていた以上に大きな声でした。

それまで聞こえていた大人たちの話し声がぴたりと止まり、座敷にいた全員が息子のほうを見ました。

息子自身も、そこで初めて自分の声の大きさに気づいたようです。さっきまでの勢いがなくなり、気まずそうに私の顔を見ました。

私も「ちょっと声が大きいよ」と言おうとしたのですが、みんなに注目されて固まっている息子を見ると、ここで強く叱るのも違う気がしました。

伯父が話した、自分の子どものころ

そのとき、奥に座っていた伯父が笑いながら口を開きました。

「俺も子どものころ、負けるとすぐ『もう一回や』って言ってたなあ」

伯母が「今でも負けず嫌いやん」と返すと、何人かが笑いました。

伯父も「それは言わんでええ」と苦笑いしています。

息子は少し戸惑った顔をしたあと、つられるように笑いました。張りつめていた空気も、それでようやく元に戻りました。

すると甥っ子が息子を見て言いました。

「もう一回やる?」

「うん。今度は勝つ」

今度の息子の声は、いつもの大きさでした。

二人はまたゲームを始め、大人たちもそれぞれの話に戻っていきました。

帰りの車で、息子に伝えたこと

帰りの車の中で、息子がふと思い出したように聞きました。

「伯父さんも、負けるの嫌だったのかな」

「そうだったのかもね」と答えてから、私は続けました。

「負けて悔しいのはいいと思うよ。でも、さっきみたいに急に大きな声を出したら、みんなびっくりするからね」

息子は少し黙ったあと、「うん。自分でもびっくりした」と言いました。

私もその言葉を聞いて、それ以上は言いませんでした。

あのとき伯父がすぐに息子を注意するのではなく、自分の昔話をしてくれたのは、気まずくなった空気をやわらげようとしてくれたのかもしれません。

勝ちたいと思うほど夢中になれることまで否定する必要はありません。ただ、周りに人がいるときには少しだけ気をつける。そのことを息子自身も感じてくれたように思います。


※本記事は、GLAMが独自に実施したアンケートで寄せられた50代女性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています

※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。

元記事で読む
の記事をもっとみる

注目コンテンツ