1. トップ
  2. エピソード
  3. 「大丈夫なのか?」混雑した電車でもたれかかってきた男性。数日後。同じ男性を見た私が取った行動とは

「大丈夫なのか?」混雑した電車でもたれかかってきた男性。数日後。同じ男性を見た私が取った行動とは

  • 2026.8.31
「大丈夫なのか?」混雑した電車でもたれかかってきた男性。数日後。同じ男性を見た私が取った行動とは

背中を扉にあずけられる、楽な場所でした

だいぶ昔、毎朝混んだ電車で通勤していたころの話です。

私はよく、乗り口とは反対側の扉の前に立っていました。背中を扉にあずけられるので、人に囲まれて立つより少し楽だったからです。

ある朝、途中の駅から高齢の男性と、付き添いらしい若い男女が乗ってきました。

男性は足元が少し不安定な様子で、二人が両側から腕を支えています。車内は混んでいて、三人はちょうど私の前あたりで立ち止まりました。

電車が動き出した直後、大きく揺れました。

その拍子に男性の体がこちらへ傾き、背中から肩にかけて重みがかかりました。

私は驚きながらも、そのまま足を踏ん張りました。

(大丈夫なのか?)

付き添いの二人も慌てて男性を支え直します。

「すみません。揺れるとどうしても体が傾いてしまって」

申し訳なさそうに言われ、私は「大丈夫です」と答えました。

事情は分かります。それでも、電車が揺れるたびに男性の体がこちらへ傾くので、私はそのたびに足に力を入れました。

付き添いの二人もずっと支えていましたが、混んだ車内では姿勢を変える余裕もありません。

やがて三人が降りる駅に着くと、付き添いの一人がもう一度「すみませんでした」と頭を下げました。

私は「いえ、大丈夫です」と返しましたが、三人が降りたあと、思わず肩を回しました。

誰が悪いわけでもありません。ただ、次に同じことがあったら、もう少し違う動き方ができるかもしれない。そんなことを考えました。

何日かして、同じ三人を見かけました

数日後、同じ時間の電車で、またあの三人を見かけました。

その日も車内は混んでいて、三人は前回と同じように私の近くまでやってきます。

私は一瞬、また踏ん張ればいいかと思いました。

でも、前回のことを思い出し、少し横へずれて三人が立てる場所を広く空けました。

付き添いの女性がそれに気づき、

「ありがとうございます。助かります」

と小さく頭を下げました。

三人が少し広く立てたことで、付き添いの二人も前より男性を支えやすそうでした。

電車が揺れたときも、男性の体が私のところまで大きく傾いてくることはありませんでした。

ほんの一歩ずれただけです。

前の私は、「仕方がないから我慢しよう」と考えていました。でも、我慢する以外にも、その場でできることはあったのだと気づきました。

それ以来、混んだ電車では自分が楽に立てる場所だけでなく、近くに立っている人の様子も少し見るようになりました。

誰かの事情を全部知ることはできません。それでも、自分が少し動くだけでお互いが楽になるなら、そのほうがいい。

あの朝のことは、今でも電車に乗ると思い出します。


※本記事は、GLAMが独自に実施したアンケートで寄せられた50代男性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています

※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。

元記事で読む
の記事をもっとみる

注目コンテンツ