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「ラジオの音、下までかなり響いていて」聞こえにくい耳に合わせて音量を上げていた私。だが、注意されて意識した行動とは

  • 2026.9.1
「ラジオの音、下までかなり響いていて」聞こえにくい耳に合わせて音量を上げていた私。だが、注意されて意識した行動とは

聞こえないぶん、少しずつ音量を上げていた

十年ほど前、賃貸マンションの四階に住んでいたころの話です。

そのころの私は、両耳が詰まったような感じが続いていて、普段より音が聞こえにくくなっていました。

「そのうち元に戻るだろう」

そんなふうに軽く考えていて、生活も特に変えていませんでした。

ある休日の午前中、私はラジオを流しながら部屋を掃除していました。

ところが、いつもの音量では何を話しているのかよく分かりません。

「あれ、こんなに小さかったっけ」

そう思いながら、音量のつまみを少し回しました。それでも聞きづらく、もう少し、さらにもう少しと上げていきました。

自分の耳にはちょうどよく聞こえたので、そのまま掃除機をかけ、窓を拭き、洗濯物をたたんでいました。

どれくらい大きな音になっているのか、まったく気にしていませんでした。

玄関先で言われて、初めて音量を見ました

昼前になったころ、玄関のチャイムが鳴りました。

ドアを開けると、下の階に住んでいる男性が立っています。

何かあったのだろうかと思っていると、男性は少し言いにくそうに口を開きました。

「あの、急にすみません。ラジオですよね?音が下までかなり響いていて…」

一瞬、何を言われているのか分かりませんでした。

「えっ、そんなに聞こえてました?」

思わず聞き返すと、男性は困ったように笑いました。

「はい。さっきから結構はっきり聞こえてまして。少しだけ下げてもらえると助かります」

そこで初めて、私はラジオの音量を確認しました。

いつも使っていた位置より、つまみはかなり先まで回っています。

「すみません。最近ちょっと耳が聞こえにくくて…こんなに上げていたなんて気づきませんでした」

急に恥ずかしくなり、慌てて頭を下げました。

男性は少し驚いた顔をしてから、

「そうだったんですね。それなら仕方ない部分もありますよ。ただ、思った以上に響いていたので……」

と、穏やかに答えてくれました。

「本当にすみません。今すぐ下げます」

「ありがとうございます。突然来てすみませんでした」

そう言って男性は帰っていきました。

小さな印を見るたび、あの日を思い出します

部屋へ戻ってラジオの音量を下げると、自分の耳にはかなり小さく感じました。

それでも、さっきまでこの何倍もの音を部屋中に響かせていたのかと思うと、申し訳ない気持ちになりました。

その日のうちに、私は音楽機器を壁から少し離し、音量のつまみに小さな印をつけました。

「ここより上にはしない」

自分への目印です。

数日後、廊下で男性と顔を合わせました。

少し気まずくて、私から声をかけました。

「この前は、本当にすみませんでした。その後、大丈夫ですか?」

すると男性は、

「はい。全然気にならなくなりました。ありがとうございます」

と笑ってくれました。

耳の調子が戻ってからも、音量のつまみにつけた印は消しませんでした。

自分には普通に聞こえている音でも、同じように周りへ聞こえているとは限りません。あの日、玄関まで伝えに来てくれたことで、私は初めてそのことに気づきました。


※本記事は、GLAMが独自に実施したアンケートで寄せられた50代男性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています

※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。

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