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「ごめんなさい、ポイントカードが見つからなくて」混雑するレジで焦る女性。だが、後ろの女性の一言で落ち着いた瞬間

  • 2026.9.1

順番が来てから、鞄の中を探しはじめた

お店のレジに立っていたころの話です。夕方の、いちばん混む時間でした。レジの前には何人ものお客さまが並んでいました。

ある日、順番になった女性のお客さまが、会計の途中で鞄の中を探しはじめました。

「あれ……ポイントカード、どこに入れたかしら」

財布を出したあとも、鞄の中を何度も見ています。

「ごめんなさい、ポイントカードが見つからなくて。ちょっと待ってもらえる?」

「はい、大丈夫ですよ」

私はそう答えて、読み取りの終わった商品を袋に入れていきました。

やがて、お客さまは小さなカードケースを取り出しました。

「この中だと思うんだけど…あら、ないわね」

一枚ずつカードをめくっては戻し、また別の場所を探しています。

私は急かさないようにしていましたが、商品はすでに袋に入り、ほかにできることがありません。

後ろの列からは、かごを持ち替える音が聞こえました。腕時計を見る人や、隣のレジを気にする人もいます。

その様子がお客さまにも伝わったのでしょう。

「ああ、もう……どこに入れたのかしら。さっきまであったのに」

さっきよりも手の動きが速くなりました。

「すみませんね、本当に。こんなに待たせちゃって」

「いえ、大丈夫ですよ」

そう答えながらも、私自身、何と声をかければいいのか迷っていました。

「今日はもうカードなしでも大丈夫ですよ」と言うべきなのか。それとも、もう少し待つべきなのか。

お客さまは完全に焦ってしまったようで、同じカードを何度もめくっていました。

後ろから、穏やかな声が聞こえた

そのとき、列の少し後ろにいた女性が声をかけました。

「大丈夫ですよ。そんなに慌てなくても」

お客さまの手が止まりました。

「え?」

「急いでないですから。ゆっくり探してください」

女性は笑うでもなく、本当に何でもないことのように言いました。

お客さまは少し驚いた顔をしたあと、ほっとしたように息を吐きました。

「あら……ありがとう。ごめんなさいね」

そしていったんカードケースを閉じ、もう一度ゆっくり中を確認しました。

「あった。これだわ」

今度はすぐに一枚のカードを取り出しました。

「よかった……もう、焦ると駄目ね」

私も思わず笑ってしまいました。

「見つかってよかったです」

会計を終えると、お客さまは商品を受け取り、後ろを振り返りました。

「待たせちゃって、本当にごめんなさいね」

女性は首を横に振りました。

「いえいえ。見つかってよかったですね」

それだけのやり取りでした。

けれど、それまで少し張りつめていたレジまわりの空気が、ふっとやわらいだように感じました。

あの日、私は少し考えさせられました。

黙って待っているだけでも、もちろん責めているわけではありません。それでも、焦っている人には、その沈黙さえ「早くして」と言われているように感じることがあるのかもしれません。

それからは、レジで何かを探しているお客さまが申し訳なさそうにしていると、「大丈夫ですよ」「ゆっくりで構いませんよ」と、できるだけ言葉にするようになりました。

今でも、慌てて鞄の中を探すお客さまを見ると、あの日の女性の穏やかな声を思い出します。


※本記事は、GLAMが独自に実施したアンケートで寄せられた40代女性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています

※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。

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