1. トップ
  2. ハリウッドの闇。リヴァー・フェニックスほか、子役スターたちの悲しい末路【ピーチズのOM(F)G!】

ハリウッドの闇。リヴァー・フェニックスほか、子役スターたちの悲しい末路【ピーチズのOM(F)G!】

  • 2026.8.30
Getty Images

生後4ヶ月から赤ちゃんモデルとして活躍し、かわいくて演技も上手な子役として人気を獲得したヘイデン・パネッティーアが急死し、波紋を広げている。 ハリウッドでは、悲しい人生に散った子役たちが後を絶たない。人気長寿連載セレブウォッチャーPeachesが、ハリウッドの歴史を振り返りながら、光と闇の間にキャリアを重ねてきた子役上がりのセレブたちの歩みを検証する。

Walt Disney Television Photo Archives / Getty Images

気になる死因と背景

ヘイデンの死因はまだ明らかになっていないが、彼女が意識不明と気づいたヒッカーソンが「ナルカン」を投与したと現場に居合わせた彼の弟が証言しているので、鎮痛剤のオーバードーズ(OD)の可能性が高い。実際、ヘイデンの死亡が確認された後にヒッカーソンは彼女が摂取したと思われる薬物が入ったバッグを警察に提出している。オピオイド系鎮痛剤のODなどによる呼吸停止や意識低下を回復させる効果がある「ナルカン」を用意していたのだから、ふたりとも依存度がかなり高かったのだろう。

この投稿をInstagramで見る

Anna Hélène Paquin(@_annapaquin)がシェアした投稿

子役が直面する「闇」に、遂にセレブが声を上げた

ヘイデンの急死でハリウッドには衝撃が走り、多くの俳優仲間や共演者が追悼のメッセージをSNSにアップしている。そんな中、ハリウッドで子役が直面する闇について言及したのが、11歳にしてアカデミー賞助演女優賞を獲得したアンナ・パキンだった。アンナはインスタグラムに「多くの元子役スター、特に性的対象として扱われる年齢に達する前の少女たちが、深く悲しい人生を送り、早すぎる死を迎えているのは、決して偶然ではありません。建前上は立派に見える『システム』は、私たち子どもが本来守られるべき状態ではなかったのです」と書き込んだ。

アンナが指摘する「建前上は立派に見える『システム』」や外見についての批判、さらには性的対象として扱われることで損なわれる尊厳のコンビネーションこそが、ハリウッドの闇なのだ。

Aflo

映画業界の搾取と戦ったジュディ・ガーランド

こうしてハリウッドの闇に直面し、波乱の人生を歩んだスターたちは数多い。レネー・ゼルウィガーが『ジュディ 虹の彼方に』(’19)で演じたジュディ・ガーランドは、搾取的な映画業界と支配的なステージママに人生を破壊された元子役のひとりだ。娘が稼いだギャラで贅沢三昧だった母親エセルは、ジュディがティーンになる前からアンフェタミンや睡眠薬を与えて舞台に立たせていた。「MGM」と契約後は、同社トップのルイス・B・メイヤーの指示で1日18時間以上も撮影させられることもあったという。ハリウッドそのものが、ブラック企業でしかない。

写真:『ジュディ 虹の彼方に』(’19)でジュディを演じたレネー・ゼルウィガー

Bettmann / Getty Images

さらにジュディは思春期に入ると「太らないように」と極端な食事制限を課せられ、コーヒーとチキンスープで命を繋いでいたという。食欲抑制のためにタバコを吸うよう勧められ、ダイエット薬の使用を強要されている。もちろん過酷な撮影中は気分が上がるようにアンフェタミンを、そして夜は鎮静剤を与えられた結果、薬物に依存するようになっていったのだ。ジュディの伝記によると映画会社のトップであるメイヤーをはじめ、複数の共演俳優からのセクハラも受けていたという。セクハラ大王は、#MeTooで告発されたハーヴェイ・ワインスタインが最初でも最後でもないのだ。

Keystone / Getty Images

かつて女性雑誌インタビューで「ジュディ・ガーランドであるのがどんなに大変なことかわかりますか?」と記者に問いかけたジュディ。マネジャーである毒母と映画会社からスターであることを強要され、健全な子ども時代を送れなかった彼女は15歳の時には薬物依存になっていた。ストレス処理能力が身につかないまま大人の労働環境に置かれ、貪欲な大人によって全面的に管理されたため自律性が完全欠如。環境打開を望んで不幸な結婚・離婚を繰り返した挙句、人生の後半には滞納した税金の支払いに困窮し、薬物の過剰摂取によって46歳という若さでこの世を去ってしまう。

Michael Ochs Archives / Getty Images

ビョルン・アンドレセン

15歳の時にアートハウス映画の巨匠ルキノ・ヴィスコンティ監督に見出され、『ベニスに死す』(’71)で中年男性を狂わせてしまう美少年タジオを演じたビョルン・アンドレセンも“美の化身”というイメージと本当の自分との乖離に悩まされた挙句、人生を壊されてしまった元子役のひとりだ。カルト的人気を得たアンドレセンは突然の成功がもたらした望まぬ注目に苦悩し、周囲の大人たちによる搾取や俳優としてのプレッシャーにさらされ、トラウマを抱えてしまう。奪われた青春や私生活の悲劇と静かに向かい合うアンドレセンに肉薄するドキュメンタリー『世界で一番美しい少年』(’21)を見れば、名声が彼を食い尽くしたのは明らかだ。

orcearo / Getty Images

子役ならではのストレス

子役が対峙せざるをえない問題点は複数ある。業界内や世間からの厳しい視線に常に晒されることやプライバシーを失ってしまうことはもちろん、「個人」としてのアイデンティティの揺らぎや絶え間ない「拒絶」に慣らされる環境は慢性的なストレスを生み、メンタルヘルスの問題につながっていく。たとえ子役時代はチヤホヤされていたとしても、思春期になって仕事が激減することも少なくない。その場合、別のキャリアを選択できなければ? アルコールや薬物に依存してしまう可能性が高いのだ。

Cindy Ord / Getty Images

ドリュー・バリモア

‘70〜80年代ハリウッドで活躍した子役で人生の浮き沈みを経験したひとりとして、真っ先に名前が上がるのがドリュー・バリモアだろう。スターになる夢に敗れた毒母のせいで10歳になる前に薬物&アルコールにハマり、13歳でリハビリ施設に入所した。フォスターファミリーの尽力で薬物を断ち切ることができた彼女はやがて人生とキャリアを立て直し、現在は俳優兼プロデューサーとして活躍している。

Getty Images

テータム・オニール

アカデミー賞受賞の最年少記録を持つテータム・オニールも、薬物依存と戦い続けた元子役のひとりだ。父親ライアンも義弟レドモンドも薬物使用や所持で逮捕されているので、薬物を断つのに家族のサポートが得られなかったようだ。一方、テータムの親友メラニー・グリフィスもティーン時代から薬物依存に苦しみ、何度もリハビリ施設入りを繰り返してきたが、彼女の場合は同じく俳優である母親や夫たちが薬物を断つように支援している。

写真:左からテータム・オニール、メラニー・グリフィス

Getty Images

薬物が身近すぎる環境

薬物が簡単に手に入る業界である点もハリウッドの「闇」の一つだろう。大人が気軽に薬物を使う環境では、子役が薬物使用を悪いことと認識しないのも不思議ではない。まるでタバコを吸うかのようにカジュアルな気持ちで薬物に手を出し、気がついたら依存していたケースも多い。その結果、過剰摂取で命を落とした元子役は少なくない。将来を嘱望されていたリヴァー・フェニックスや「Wコリー」の片割れだったコリー・ハイム、『依頼人』(’94)でセンセーショナルなデビューを飾ったブラッド・レンフロはみな、気軽に始めた薬物に人生を壊されたのだ。

写真:左からリヴァー・フェニックス、コリー・ハイム、ブラッド・レンフロ

Getty Images

「お騒がせセレブ」も薬物を常用

2000年代に入るとヒルトン姉妹やリンジー・ローハンといった「お騒がせセレブ」が台頭し、ハリウッドのパーティシーンに注目が集まった。パリスとリンジーは薬物所持や所有で逮捕され、プライベートジェットを使っていたパリスは、のちにテディベアに隠して日本に薬物を持ち込んだことも告白!? 日本の税関の面目、丸潰れだ。

毒親からのサポートがなかったリンジーは、一時期キャリアを台無しにしてしまい、最近になってようやく人生を再起動させたばかりだ。リンジーとヒラリー・ダフが奪い合ったとされるポップ歌手アーロン・カーターは薬物の過剰摂取で死亡している。

またこの時期、同世代の子役の中では最も才能豊かと評価が高かったアマンダ・バインズは、薬物&アルコールの問題を抱えて、奇行を繰り返し、俳優業を引退。ブリトニー・スピアーズも同じく薬物問題でジュディ・ガーランドの二の舞になりかけた。

Gareth Davies / Getty Images

ハリウッドの「闇」は一掃されたのか?

身を持ち崩す元子役たちや彼らを取り巻いていた状況が反面教師となり、2000年代に入ると家族やマネジャー、所属エージェンシーが子役をきちんとサポートする体制が作られるようになった。「ハリー・ポッター」シリーズに出演した子役はそれぞれのキャリアパスを歩み、スキャンダルとは無縁だ。セレーナ・ゴメスやマイリー・サイラスも恋愛スキャンダルこそあったが、クリーンな人生を送っている。

Peter Kramer / Getty Images

#MeToo運動も起こり、ハリウッドの搾取的なシステムにもメスが入ったはずだったのだが、急死したヘイデンの人生を見直すと、「闇」がいまだに存在していることに気付かされる。ヘイデンは回顧録『This Is Me: A Reckoning(これが私:報い)』(’26)で、マネジャーだった母親に仕事を強要されたことや名声に伴うプレッシャーに対処するために勧められた薬物の依存症になったこと、大物スターによるセクハラ(未遂で終わっている)などを暴露しているのだ。

子どもだが、業界的には「プロの俳優」でもある子役を「闇」から守ることはできるのか? ハリウッド内外の誰もが同じ思いを抱えているはずだが、実際に具体的な対応策を誰も示すことができないのが現実のようだ。

写真:左からヘイデン・パネッティーア、母のレスリー

Getty Images
Getty Images
Getty Images
元記事で読む
の記事をもっとみる

注目コンテンツ