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憧れのマダムに近づきたい! 苦手なコーヒーに挑む女子大生の“背伸び”が微笑ましい【書評】

  • 2026.8.28

【漫画】本編を読む

憧れの人に近づきたい時、人は少し背伸びをする。普段なら選ばない服を着てみたり、苦手なものに挑戦してみたり。うまくいくとは限らないけれど、その不器用な一歩には、まっすぐな気持ちがある。

『マダムが教えてくれたこと』(ユニカ/KADOKAWA)は、女子大生と70歳のマダムの交流を描いたコミック。女子大生は、喫茶店に通うマダムに憧れ、その装いやふるまいを真似しながら、知らなかった世界へ次々と足を踏み入れていく。

たとえば、ある時、女子大生は、マダムがコーヒーを飲む姿に見惚れる。映画のワンシーンのように優雅で、美しい。自分もあんなふうになりたい。そう思った女子大生は、苦手なコーヒーに挑戦してみる。だが、現実はそう甘くない。むしろ、苦い。とても苦い。コーヒーを一口飲んではむせたり、顔をしかめたりしながら、女子大生は、それでもマダムに近づこうとする。

バイト先の同僚は、そんな女子大生に「同じようになろうとするのは一苦労だろうよ」と言う。まさにその通りだ。憧れの人と同じことをしてみたからといって、すぐに同じようになれるわけではない。けれど、真似してみたからこそ知る味や、見えてくる世界もある。

そんな様子を見ていると、誰かに憧れるって、なんて素敵なことなのだろうと思えてくる。その人の存在が、今までなら選ばなかったものに挑戦するきっかけになる。苦いコーヒーに奮闘する女子大生が、なんとも微笑ましく、まぶしく見えてくるエピソードだ。

文=アサトーミナミ

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