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エジプトの砂漠で「サメの墓場」を発見、7000万年前は豊かな海だった

  • 2026.8.28
エジプト砂漠の「サメの墓場」から、新たにサメの歯を発見 / Credit:Generated by OpenAI’s DALL·E,ナゾロジー編集部

7000万年以上前、エジプトの景色は現在とはまるで違っていました。

果てしない砂漠の代わりに温暖な海が広がり、その中をさまざまなサメや魚、海生爬虫類が泳いでいたのです。

今回、エジプトのカイロ大学(Cairo University)などの研究チームは、その失われた海から残されたサメの歯化石を調べ、当時の海に多様なサメがいたことを示しました。

研究成果は2026年8月18日付で科学誌『Cretaceous Research』にオンライン掲載されています。

目次

  • エジプトの砂漠から見つかった14本の「サメの歯」
  • 古代エジプトには多様なサメがいた!アフリカ初記録の可能性も

エジプトの砂漠から見つかった14本の「サメの歯」

現在のエジプト南西部には広大な砂漠が広がっていますが、後期白亜紀には、この地域の一部は温暖な海の底にありました。

今回研究されたのは、西部砂漠のアブ・タルトゥール台地にあるドゥウィ層です。

ここには当時の海で形成されたリン酸塩に富む層があり、これまでにも魚類やウミガメ、海生爬虫類などの化石が見つかっています。

さらに研究チームは以前、この地域からネズミザメ目の2分類群を報告していました。

そこで今回は、アブ・タルトゥールにいたサメの多様性と、その海の環境をさらに詳しく調べました。

研究チームはリン鉱石層の地表から計14本のサメの歯化石を採集。

サメは体の大部分が軟骨でできているため全身が化石として残りにくい一方、硬い歯は残りやすく、種類を調べる重要な手がかりになります。

今回の歯も、細長いものから三角形で縁にギザギザを持つものまで形がさまざまでした。

研究者たちは歯の形や歯根などの特徴を、過去の研究や博物館標本と比較して分類しました。

その結果、14本の歯は少なくとも5種類に相当するネズミザメ目のサメに分けられ、いずれもアブ・タルトゥールでは初めての記録でした。

以前の2分類群を合わせると、この地域から知られるネズミザメ目は少なくとも7分類群になります。

では、その中にはどのようなサメが含まれていたのでしょうか。

より詳しい結果を次項で見ていきます。

古代エジプトには多様なサメがいた!アフリカ初記録の可能性も

今回報告されたのは、Cretalamna cf. C. maroccanaScapanorhynchus cf. S. raphiodonSerratolamna cf. S. serrataSqualicorax bassaniiSqualicorax pristodontusの5分類群です。

学名に付く「cf.」は、よく似ているものの、その種だと完全には断定していないことを示します。

なかでも注目されたのが、現生のミツクリザメに近縁な絶滅サメ、Scapanorhynchus cf. S. raphiodonです。

研究チームによると、この分類が正しければ、アフリカでは初めての記録となる可能性があります。

さらに地質年代上もっとも新しい記録になる可能性もあり、従来考えられていたより遅い時代まで存在していたことを示すかもしれません。

また、Serratolamna cf. S. serrataSqualicorax bassaniiも、エジプトでは初めての記録です。

こうした多様なサメと地層の特徴から、研究者たちは当時の海が栄養分に富み、生物生産性の高い環境だったと考えています。

つまり、小さな魚などから大型の捕食者までを支える豊かな食物網が存在していた可能性があるのです。

ちなみに、今回の調査対象となったリン酸塩層は堆積が遅く、長い時間をかけて異なる時期や環境の生物の痕跡が同じ層に集まったと考えられています。

そのため、今回確認されたサメがすべて同じ時期に同じ場所を泳いでいたとは限りません。

それでも、現在は砂漠となったエジプトのリン鉱石層に残された小さな歯は、この土地にかつて多様なサメを支える豊かな熱帯の海が広がっていたことを伝えています。

参考文献

Egypt’s deserts were once home to a diverse shark community
https://phys.org/news/2026-08-egypt-home-diverse-shark-community.html

元論文

Egyptian shark graveyard: New Late Cretaceous Lamniform shark Assemblage from Duwi Formation of Abu-Tartur Area, Southwestern desert, Egypt
https://doi.org/10.1016/j.cretres.2026.106476

ライター

矢黒尚人: ロボットやドローンといった未来技術に強い関心あり。材料工学の観点から新しい可能性を探ることが好きです。趣味は筋トレで、日々のトレーニングを通じて心身のバランスを整えています。

編集者

ナゾロジー 編集部

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