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1日2.5時間以上のSNS利用は抑うつと関連、18万人調査で判明

  • 2026.8.27
ソーシャルメディア利用2.5時間以上で、抑うつとの関連が明らかに / Credit:Canva

SNSを毎日何時間くらい使っていますか?

米国の成人約18万人を対象にした大規模な分析から、SNSなどのソーシャルメディアの利用時間と抑うつとの間に、11年間にわたって一貫した関連があることが示されました。

さらに機械学習による分析では、1日の利用時間が約2.5時間に達するあたりから、ソーシャルメディア利用が「抑うつあり」の判別を押し上げる方向に変わるパターンも浮かび上がっています。

米ノースウェスタン大学(Northwestern University)などの研究チームによる成果は、2026年8月22日付で科学誌『npj Mental Health Research』に掲載されました。

目次

  • ソーシャルメディアとうつの関連は11年間続いていた
  • 「1日約150分」のソーシャルメディア利用と「抑うつ」報告に関連

ソーシャルメディアとうつの関連は11年間続いていた

ソーシャルメディアの利用と心の健康については以前から研究されてきましたが、若者だけを対象にした研究や、1つの時点のデータを使った研究も多く、テレビやゲームなどをまとめて「スクリーン時間」として扱うケースもありました。

そこで研究チームは、ソーシャルメディアを他のデジタル活動から分けたうえで、抑うつとの関連が異なる年代や年でも繰り返し現れるのかを調べました。

分析したのは、2014~2024年に毎年実施された「Media Behavior & Influence Study」に参加した18~70歳の米国成人、計18万3300人です。

ただし同じ人を11年間追跡したのではなく、それぞれの年に別の成人集団を調べた「連続横断研究」です。

参加者は年齢、性別、所得、学歴、職業などに加え、ソーシャルメディア、インターネット、ゲーム、テレビなどの利用について回答しました。

利用時間はスマートフォンの記録ではなく、普段の各時間帯にソーシャルメディアを利用する確率を回答してもらい、そこから1日当たりの時間を推定しています。

また、抑うつについても医師が診断したわけではなく、31種類の健康状態のうち「depression(抑うつ)」を抱えていると本人が回答したかどうかを指標としました。

研究チームは統計分析に加えて機械学習も使い、多くの条件を同時に考慮したとき、ソーシャルメディア利用が「抑うつあり」と答えた人を見分けるうえでどれほど重要なのかを調べました。

その結果、利用時間が長い人ほど「抑うつあり」と回答する傾向が11年間すべてで確認され、ソーシャルメディア利用は機械学習でも重要な要因の1つとなりました。

では、注目される「1日2.5時間」という数字はどこから出てきたのでしょうか。

より詳細な結果を次項で見ていきます。

「1日約150分」のソーシャルメディア利用と「抑うつ」報告に関連

この関係を数値で見ると、ソーシャルメディアを1日60分多く利用している人では、「抑うつあり」と回答するオッズが約1.17倍でした。

さらに機械学習の判断材料を詳しく調べると、ソーシャルメディア利用は2019年以降、抑うつありと判別する際に特に大きな影響を与える項目となり、複数の指標を総合した11年間全体でも個人所得に次ぐ重要な要因でした。

そして利用時間とモデルの判断との関係を見ると、複数の年で1日約150分、つまり2.5時間付近から、ソーシャルメディア利用が「抑うつあり」の判別を押し上げる方向へ変わるパターンが確認されました。

これは「149分なら安全で150分から危険」という医学的な境界線ではなく、論文でも今後の追跡研究や実験で検証すべき仮説とされています。

研究者らは、社会的比較や他人からの評価、睡眠や現実世界での活動が置き換えられることなどを関連の理由として考えています。

とはいえ、こうした理由を今回の研究で直接確かめたわけではありません。

また、投稿やメッセージのような能動的利用と、眺め続ける受動的利用も区別されておらず、研究自体も横断的なため、ソーシャルメディアがうつを招くのか、うつを抱える人ほど利用時間が長くなるのかは判断できません。

それでも、ソーシャルメディアを取り巻く環境が大きく変化した11年間に、異なる成人集団で同じ関連が繰り返し現れた点は重要です。

「1日2.5時間」は絶対的な危険ラインではありませんが、日々のソーシャルメディア利用と心の状態との関係を考えるうえで、注目すべき判断材料となります。

もし、ソーシャルメディアの利用が1日2.5時間以上になっているなら、心の健康のためにも、調整できる点があるか考えてみるとよいでしょう。

参考文献

Daily social media use beyond 2.5 hours tracks with depression, analysis finds
https://medicalxpress.com/news/2026-08-daily-social-media-hours-tracks.html

元論文

Social media use and depression across 11 years of U.S. adult data
https://doi.org/10.1038/s44184-026-00237-y

ライター

矢黒尚人: ロボットやドローンといった未来技術に強い関心あり。材料工学の観点から新しい可能性を探ることが好きです。趣味は筋トレで、日々のトレーニングを通じて心身のバランスを整えています。

編集者

ナゾロジー 編集部

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