1. トップ
  2. エピソード
  3. 「家に冷蔵庫、ないんですか」慌てた同僚の誤った接客→私が慌てて対応を変わった瞬間

「家に冷蔵庫、ないんですか」慌てた同僚の誤った接客→私が慌てて対応を変わった瞬間

  • 2026.8.28

保冷剤で足りるのは、2時間までだった

ケーキ屋で働いていたころの、真夏の話です。自動ドアが開くたびに外の熱気が入り込み、冷房のきいた店内にいても暑さを感じるような日でした。

生菓子を買われるお客様には、会計の際に持ち帰り時間を確認していました。店で用意できる保冷剤は2時間分まで。それ以上かかる場合は、別の方法をご案内する必要があったからです。

私が隣で箱を組み立てていると、同僚がおばあさんの接客をしていました。

「お持ち帰りのお時間は、どれくらいですか」

「そうねえ、3時間くらいかしら」

同僚の手が止まりました。ちょうど夕方の混み始める時間で、後ろには数人のお客様が並んでいます。保冷剤だけでは足りないと伝えなければならないのに、うまく言葉が出てこなかったようでした。

そして、焦ったようにこう聞いたのです。

「家に冷蔵庫、ないんですか」

おばあさんは少し驚いた顔をして、財布を持ったまま黙ってしまいました。

家に冷蔵庫があるかどうかは、今の問題ではありません。店を出てから3時間かかるのであれば、その間どうやってケーキを冷やして持ち帰るかを案内する必要があります。

聞くべきことではなく、できることを案内した

私は隣から声を添えました。

「失礼いたしました。保冷剤は2時間分までになりますので、3時間ほどでしたら保冷バッグもご用意できます」

おばあさんがこちらを見ました。

私は保冷バッグを見せながら、できるだけ涼しい場所に置き、帰宅したら早めに冷蔵庫へ入れていただきたいことも伝えました。

「ああ、それなら安心ね。じゃあ、バッグもお願いします」

おばあさんはそう言って、ようやく表情をゆるめました。

会計を終えると、日傘を手にして「ありがとう」と店を出ていきました。私は同僚をその場で注意しませんでした。お客様がまだ並んでいましたし、まずは接客を続けることのほうが大事だと思ったからです。

その後、同僚も同じような場面では、先に店の案内を伝えるようになりました。

数日後、別のお客様が長めの持ち帰り時間を答えたときです。

「保冷剤は2時間分までなので、それ以上でしたら保冷バッグもあります」

隣からその声が聞こえてきました。

あの日のやり取りを覚えていたのかもしれません。私は何も言わず、そのまま次の箱を組み立てました。


※本記事は、GLAMが独自に実施したアンケートで寄せられた20代女性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています

※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。

元記事で読む
の記事をもっとみる

注目コンテンツ