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「はぁ?代引きなんて聞いてないけど?」伝票だけ取り部屋に入ってしまった男性…5分経っても戻ってこず…困惑する宅配員が迎えた結末

  • 2026.9.17
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出典:photoAC(※画像はイメージです)

皆さんこんにちは、元宅配員のmiakoです。

限られた時間の中で、一つでも多く、一秒でも早くお荷物をお届けしたい。
そう思っていても、思いがけず時間がかかってしまうことはあるものですよね。

今回は、代引きのお荷物をお届けした際、予期せずその場を離れられなくなってしまったときのお話です。

コレクト便配達のルール

宅配便の荷物のひとつに、代金引換であるコレクト便というものがあります。
この配達に行くときは、事前にお客様のもとへ電話連絡をしてから伺うのがルールです。

この事前の電話には、お客様の在宅状況やご都合を確認する意味と、お支払いのご準備をお願いする意味があります。

電話でのやりとり

お電話するときは、

「宅配便ですが、〇〇様に代金引換のお荷物がございます。この後お伺いしたいのですが、ご都合はいかがでしょうか」

とお伝えするようにしていました。

このようにお伝えすると、ご都合が悪いお客様からは「今外出してるからまた後で来てくれる?」とか、「今手持ちのお金がないから時間か日にちをずらしてほしい」といった相談を受け、次の配達日時のアポイントを取ることもあります。

大抵のお客様はすでにご準備をして待っていてくださるのか、「わかりました。どうぞ」と言ってくださいます。
お伺いするとハンコと代金を受け取り、お荷物と、お釣りがあればお釣りをお渡しします。

事前にお電話をしておくことで、配達が1分ほどで終わることも多く、その必要性を強く感じていました。

予想外の展開

この日、A様宛にコレクト便の荷物があり、いつものように事前のお電話をしました。

このときの電話口は男性の声で、「どうぞ」というお返事をいただいたので、そのまま向かうことにしました。

チャイムを鳴らし、「宅配便です」と声をかけました。

すぐにお金のやりとりに移ると予想し、釣り銭を入れた財布がすぐに取り出せるところにあるか確認をして、対応してくださるのを待ちました。

しかし、1分ほど待ってもお返事がありません。先ほど電話をしたのは、この家の固定電話のはずです。

もう一度チャイムを鳴らして声をかけ、少し待ちました。
すると、ようやく家の中からお返事があり、玄関が開きました。

出てきてくださったのは、60代くらいの男性でした。

「宅配便です。A〇〇様に代金引換のお荷物をお持ちいたしました」

「え?代引き?いくら?」

受け取りに出てきてくださった方は、荷物が代引きであることに驚いた様子でした。

「こちらの金額です」と言って、金額が記された伝票をお見せすると、

「はぁ?代引きなんて聞いてないんだけど」と予想外のお返事をされたのです。

先ほどお電話したときに「代引きです」とお伝えした際、「どうぞ」と言ったのはこの方だと思っていましたが、もしかしたら電話に出られたのは別の方で、代引きの荷物が届くことが共有されていなかったのかもしれません。

しかし、家の中から別の方の気配は感じられませんでした。

その男性は私の手から伝票を抜き取ると、そのまま部屋の奥へ行ってしまいました。

戻らない5分間

すぐに戻ってくるだろう。
そう思って黙って待っていたのですが、1分経ち、2分経ち、なかなか戻ってきません。

時計を見ると、伺ってから5分は経っていました。

聞こえてくるのは、テレビから漏れ聞こえるかすかな音だけです。
次の配達の時間も迫ります。

次第に焦りを感じ、思わず「すみませーん」と声をかけますが、お返事がありません。
伝票をお渡ししてしまった以上、このまま帰るわけにもいきません。

もう一度、先ほどより少し声量を上げて「すみませーん」と声をかけました。
すると、それまで静かだった家の中から足音が近づき、先ほどの男性がめんどくさそうに顔を出しました。

「なんだ」

手には伝票も財布もなく、ただ顔を出しただけの様子でした。

これは、今日はもうお届けができないのでは、と判断しました。

「すみません、また改めてお伺いいたしますので、先ほどお渡ししました伝票をお返しいただけますか?」

判断が遅かったかもしれないけれど、今日は引き上げよう。
そう思い、お伝えしました。

その男性は何も言わずに再び部屋の奥へ行ったので、伝票を取りに行ってくださったのだと思いました。

しかし、再び玄関先に戻ってきたとき、その手には伝票とお金があったのです。

この空白の5分は何だったのだろう。先ほどの顔出しも何だったのかわからず、困惑する気持ちを隠しながらボールペンを渡して伝票にサインをいただき、お釣りと荷物をお渡ししました。

そして「ありがとうございました」とお伝えし、その場を後にしました。

荷物を届けるということ

お客様の中には、ふと見たテレビが気になったり、別のことを始めてしまうと、それまでのことを見失ってしまう方もいらっしゃると思います。

宅配の仕事は時間と数に追われ、慌ただしく見えるかもしれませんが、実際に時間との勝負であるため、お客様お一人お一人にゆっくりと時間をかけたくても、できないこともあります。

事前にお電話をするのは、お客様へのさまざまなご負担と宅配員自身の時間の負担を減らし、スムーズにお届けするためでもあります。

お客様お一人お一人にゆっくりと時間をかけたくても、できないこともあります。
事前にお電話をするのは、お客様へのさまざまなご負担と宅配員自身の時間の負担を減らし、スムーズにお届けするためでもあります。

それでも、お客様へは少しでも時間をかけてきちんと向き合いたいと考えています。



ライター:miako
宅配ドライバーとして10年以上勤務した経験を生かし、現場で出会った人々の温かさや、働く中で積み重ねてきた"宅配のリアル"を、経験者ならではの視点で綴っています。
荷物と一緒に交わされてきた小さなエピソードを、今は文章としてお届けしています。


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