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渋滞で10分遅延した送迎バスで「どれだけ待たせるんだ!」激怒する大学生→その後の“意外な一言”に「思わず安堵した」

  • 2026.9.17
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出典:photoAC(※画像はイメージです)

こんにちは。送迎バスの運行管理やバス運転士の経験を持つVenus☆トラベルです。

みなさんは、利用しようとするバスが遅れたら、どのような感情を持つでしょうか。

今回は私が16年ほど前に乗務していた教習所の送迎バスで起こった、教習生の怒りにまつわる話を紹介します。

交通渋滞や乗車人数の多さから、延着が続いた送迎バスでの出来事です。しかし、今から振り返ってみると、教習生の怒りに身構えていた自分が恥ずかしくなるお話です。

教習予約が取れない大学生の夏休み

夏休みになると、多くの大学生が教習所に通い出します。しかし、教習生が増える繁忙期は、肝心の予約が取れずキャンセル待ちで教習所内は大賑わいとなります。

当然、送迎バスの利用者も急増し、教習所発の便では満車状態となり、決まったルートを運行している最中も車内は隙間がないほどとなります。

可能な限り大勢に乗車してもらうため、補助席は使わず、つり革を利用して立ってご乗車いただきます。しかし、満車のバスで起こるのが乗降時のタイムロスです。

そこに交通渋滞が発生すると、ギリギリで運行しているダイヤは乱れ、遅延に遅延を重ねてしまいます。

私が乗務していた夏の終わりも、やはり満車と渋滞による遅延に悩まされたものです。

発着インターバルでは間に合わないほどの遅延

当時のバスのダイヤは、教習所のインターバルが10分しかなく、延着をすると乗降が終わればすぐに出発という状態が続きます。

安全運行が第一ではあるものの、安全を確保しつつ教習が始まる時間までに到着しようと、私を含む運転士たちは必死でした。

しかしその日、乗車人数が多い中型バスで運行していた私は、乗降時間と交通量の増加によって、大幅に遅延してしまったのです。教習所でのインターバル10分では到底間に合わないほどの遅延につながり、やっとの思いで教習所にたどり着いたときのことです。

乗降扉を開けた瞬間、大学生の教習生の1人から「どれだけ待たせるんだ!」と怒鳴られた私は、瞬間的に身を潜めてしまいました。

まだ残暑が厳しい屋外で、予定より10分近くも遅れてきたバスに怒るのも無理はありません。

しかし、今は遅れてしまった生徒に降車してもらうことが先決だと思い直し、すぐ降車案内に取り掛かりました。

空車になったバスの乗降扉を一度閉め、忘れ物を確認してから教習生たちに乗車の声掛けをしました。

運転席に座ると同時に乗降扉を開けると、先ほど怒鳴った男性が仁王立ちのように乗降扉前に立っていました。マイクロバスとは違い、中型バスは路線バスのようにバス前方に扉があります。

そのため、怒っている教習生としっかり視線が合ってしまいました。

覚悟を決めたら予想外の展開に

教習所の運行では、遅延などに対する教習生の言葉に、感情を振り回されがちです。

まずは、一度謝罪しようと「交通渋滞で遅れました。申し訳ありません」と乗車する教習生たちに声をかけつつ、乗車定員をオーバーしないよう人数チェックも進めていきます。

内心ドキドキしていた私でしたが、教習生が発した言葉は予想もしないほど意外なものでした。

「運転士さんも大変だね。でも聞いてよ!今日の教官が最悪だったんですよ!」

と、教習中に起きた出来事に対する不満を漏らし始めたのです。

私は、運行委託業者に過ぎないため、教習生と一緒になって教習所の悪口を言うわけにはいきません。ただ、教習生の話に相槌をうちながら、安全運行に徹していました。

駅のロータリーに到着すると、教習生が立ち上がり「ありがとうございます。」と言って降車していきました。

怒りの矛先は遅延した私ではなく、教習所だったことがわかり安堵しました。

再び教習生が私の方へ振り向いたときの言葉で、私の心はさらに晴れやかになりました。

「教習所で怒鳴ってすみませんでした。完全に八つ当たりでした!」

そう言って、教習生は駅へ向かって走っていきました。

たったひとつの言葉が良くも悪くも感情に突き刺さると実感

帰り際に謝罪してくれたその一言で、それからも安定した気持ちで安全運行に取り組めました。

教官もバスの運転士も人間です。ひとつの言葉で傷つけることもあれば、傷つくこともあります。そんなとき、その大学生の姿を見て、子育て中だった私は、我が子にも人の気持ちがわかる大人に育って欲しいと切に願ったものです。

たったひとつの言葉でも、良くも悪くも人の感情を動かします。

この経験は自分自身を振り返るチャンスと捉え、今でも忘れないようにしている出来事の1つとなっています。


ライター:Venus☆トラベル

近畿地方でバスの運転に関わる仕事に携わって約12年、多くの送迎バスを運転しました。幼稚園や自治体、企業や施設など、それぞれの場所で学ぶことが多くありました。その反面、運転士視点で感じた心の声をリアルにお届けします。


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