1. トップ
  2. エピソード
  3. 「昨日、バス停にいたでしょう」入社3か月の私を、なぜか何度も見かけていた先輩に戸惑った話

「昨日、バス停にいたでしょう」入社3か月の私を、なぜか何度も見かけていた先輩に戸惑った話

  • 2026.8.26

休憩室で突然言われたこと

数年前、今とは別の職場で働いていたときのことです。当時の私は、入社してまだ3か月ほどでした。

ある日の休憩時間、ほとんど話したことのない先輩が、ふいに私のところへやってきました。

「ねえ、昨日バス停にいたでしょう」

思いがけない言葉に、私は一瞬返事ができませんでした。

「え……いましたけど。どうして知ってるんですか?」

「やっぱり。たまたま見かけたのよ」

そう言われれば、それだけのことです。同じ職場ですし、退勤する時間が近ければ偶然見かけてもおかしくありません。

ただ、その先輩とは廊下ですれ違えば会釈をする程度。仕事で一緒になったこともなく、突然プライベートでの行動を話題にされたことに、少し戸惑いました。

「何してるのかなって思って」

すると先輩は、さらに続けました。

「男の人と話してたよね。ずいぶん手であっちこっち指してたから、何してるのかなって思って」

そのとき私は、知らない男性から道を尋ねられていました。男性が持っていた地図を見ながら、駅の方向を教えただけです。

「ああ……道を聞かれたんです。それで説明してただけですよ」

「そうだったのね。なんか一生懸命だったから、ちょっと気になっちゃって」

先輩はそう言って、くすっと笑いました。

悪意があるようには見えません。それでも、わざわざ翌日に本人へ言うほどのことなのだろうか、と妙な引っかかりが残りました。

それからも「見かけた」と言われて

それだけなら、私もすぐに忘れていたと思います。

ところが数日後、また先輩から声をかけられました。

「昨日、スーパーにいたよね?」

「えっ、また見てたんですか?」

思わずそう返すと、先輩は笑いました。

「見てたっていうか、見かけただけよ。ほんと偶然」

その後も、休みの日に寄ったカフェや、少し離れた本屋について「この前いたでしょう」と言われることがありました。

もちろん、本当にすべて偶然だったのかもしれません。先輩が普段どこへ出かけているのかも、私は知りませんでした。

それでも、自分から話した覚えのない休日の行動を何度も言い当てられると、だんだん落ち着かない気持ちになっていきました。

「また見かけた」と言われるたび、次はどこで何を言われるのだろう、と身構えてしまうようになったのです。

結局、先輩に詳しい理由を尋ねることはありませんでした。偶然だったのか、それとも私のことを人一倍よく見ていたのかは、今でも分かりません。

ただ、楽しそうに「昨日いたでしょう」と話しかけてきた、あのときの笑顔だけは妙にはっきり覚えています。


※本記事は、GLAMが独自に実施したアンケートで寄せられた40代女性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています

※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。

元記事で読む
の記事をもっとみる

注目コンテンツ