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娘のために選んだピアノ教室を断られ、私は自分の勘違いに気づいた

  • 2026.8.23
ハウコレ

娘のためだと決めつけ、仕事の予定も聞かずに体験レッスンを申し込みました。娘から本音を告げられた私は、「せっかくしてあげたのに」と返します。謝れないまま1カ月が過ぎ、私は初めて自分の名前で教室に申し込みました。

娘が留守だと分かっていながら、私は部屋のドアポストにピアノ教室の案内を挟んで帰りました。

かなえられなかった夢の続き

子どもの頃、近所の家から聞こえるピアノの音に憧れていました。家の事情で習えず、その気持ちを、いつからか娘に重ねるようになりました。

娘は昔から、私の勧めに嫌な顔をしない子でした。1人暮らしを始めて5年が過ぎても、私の中では、送り迎えをしていた頃の娘のままです。

そのため、仕事の予定を聞かずに体験日を決め、先生へ楽譜まで預けました。

娘から電話があり、繁忙期で休みを取りにくいと言われても、私は発表会の話を続けました。はっきり断られなかったため、喜んでくれているのだと都合よく受け取っていました。

居間で聞いた娘の本音

娘が実家へ来た日、私は同じパンフレットをもう1部用意して待っていました。

娘はパンフレットを開かず、私に言いました。

「お母さんの夢は、私の夢じゃないよ」

「あなたのためだと思ってた」

そう返すと、娘はパン作りが楽しいと話しました。次に私の口から出たのは、「せっかくここまでしてあげたのに」という言葉です。

言った直後、自分が娘の意思より、これまで自分がしてきたことを優先していると分かりました。それでも謝れませんでした。間違いを認めれば、子育てそのものを否定されたように思えたからです。

「自分のことは、自分で決めたい」

娘が帰るとき、私はいつもの「気をつけてね」を言えませんでした。

自分の名前で選んだ教室

娘から連絡がない間も、居間のテーブルにはパンフレットが残っていました。片づけようとするたび、「自分で決めたい」という娘の言葉を思い出しました。

私も子どもの頃、自分では決められないままピアノをあきらめています。それなら、今から自分で選べばよいのだと考えました。

私は大人向けの教室を探し、自分の名前で申し込みました。初めてのレッスンで弾けたのは、片手で追う短い童謡だけです。

入会証の写真を娘へ送ると、焼き上がったパンの写真が返ってきました。あきらめた夢は娘に任せるものではなく、自分で始めるものだったのだと分かりました。

そして...

次に娘が実家へ来た日、台所に焼きたてのパンの香りが広がりました。膨らんでいく生地をのぞき込み、私は娘に聞きました。

「今度、教えてくれる?」

娘は粉のついた手を洗ってから、「いいよ」と答えました。以前のように何でも話せる関係へ戻ったわけではありません。それでも私は、娘の予定や希望を聞いてから提案するようになりました。

手帳には、次のピアノレッスンの日と、娘からパン作りを教わる日を別々に書いています。どちらも、今度は自分だけで決めた予定ではありません。

(50代女性・主婦)

本記事は、読者アンケートに寄せられた実体験をもとにした本人視点の記事を参考に、相手側の心情を想定して制作しています。実際の相手本人への取材ではなく、編集部による解釈を含みます。

(ハウコレ編集部)

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