1. トップ
  2. エピソード
  3. 「この口座は俺の名義なんだよ」子どもの支払いを全部私の給料から出していた家。だが、夫の一言に感じた葛藤

「この口座は俺の名義なんだよ」子どもの支払いを全部私の給料から出していた家。だが、夫の一言に感じた葛藤

  • 2026.8.23

集金の封筒は、いつも私のところに来る

子どもは3人いる。

小学生が2人と、1歳になったばかりの子がひとり。そして今月、もうひとり生まれる予定だ。

ある朝、上の子がランドセルの底から折れた封筒を取り出した。

「お母さん、これ今日までだって」

学校の集金だった。慌てて金額を確認し、自分の口座から支払う準備をする。

教材費や学校で必要なもの、下の子のおむつや日用品。

子どもにかかるお金は、いつのころからかほとんど私の給料から出すようになっていた。

誰かがそう決めたわけではない。必要になったときに私が払い、それを繰り返しているうちに、いつの間にか当たり前になっていた。

出産も近づき、赤ちゃんを迎える準備も始めている。

足りないものを書き出して合計すると、細かなものばかりなのに思った以上の金額になる。

私は自分の口座の残高を見ながら、急がないものをひとつずつ消していった。

夫は家にいる。夕飯も一緒に食べるし、休日には子どもたちとも遊ぶ。

ただ、お金の話をすると決まって言う。

「そういうのは、そっちでやってるだろ」

やっているからこそ話したいのに、その先まで言えないまま、私は食器を片づけていた。

「その口座は、おれの名義だ」

児童手当の受給者は夫になっていて、振込先も夫名義の口座だ。

今は2か月ごとに10万円が振り込まれている。

ある日、児童手当のお知らせが届いた。

私が封筒を開いて読んでいると、夫が後ろから覗き込んだ。

「それ、こっちに入るやつだから、そのまま置いといて」

私は思い切って聞いた。

「出産の準備も学校のお金も、ほとんど私が出してるよね。児童手当から少し出せない?」

責めるつもりはなかった。ただ、子どものためのお金なら、子どもにかかる支払いに使えないのかと思っただけだった。

夫は少し黙ったあと、淡々と言った。

「この口座は俺の名義なんだよ」

怒鳴られたわけでも、強い言葉をぶつけられたわけでもない。それでも、これ以上話すつもりはないのだと感じた。

私は、そのお金を夫が何に使っているのか知らない。聞いても、詳しく話してもらったことはなかった。

「……そう」

その日は、それ以上言えなかった。

子どものために支給されるお金がある一方で、学校の集金や日用品を払うたびに確認するのは、いつも私の口座の残高だ。このままでいいのか。次に話すときは曖昧にせず、家のお金を一度きちんと確認しなければと思っている。

※本記事は、GLAMが独自に実施したアンケートで寄せられた20代女性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています

※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。

元記事で読む
の記事をもっとみる

注目コンテンツ