1. トップ
  2. エピソード
  3. 「曜日の違うゴミ袋を、出さないでください」疑心暗鬼になった住人たち。だが、注意文の横に新しい分別表が貼られた結果

「曜日の違うゴミ袋を、出さないでください」疑心暗鬼になった住人たち。だが、注意文の横に新しい分別表が貼られた結果

  • 2026.8.23

掲示板の注意文から、空気が変わった

以前住んでいたアパートで、ゴミ出しをめぐって少し気まずい時期があった。

ある日、玄関脇の掲示板に管理会社からの注意文が貼られていた。同じ紙は全戸のポストにも入っていた。

「曜日の違うゴミ袋を、出さないでください」

共用のゴミ置き場では、収集日と違う袋が出されることが続いていた。燃えるゴミの日に資源ゴミの袋が置かれ、回収されないまま残っていることもある。カラスに破かれ、中身が散らばった日もあった。

注意文が入ってから、住人同士の空気も少し変わった。

「うちじゃないんですけどね」

階段ですれ違った人が、誰に聞かれたわけでもないのにそう言った。

別の日には、「そのうち誰か分かるんじゃないですか」と話す人もいた。犯人探しをしているわけではないのに、ゴミ置き場の前で人と会うと、なんとなく互いの袋を意識してしまう。

私自身も、自分は間違えていないと分かっているのに、捨てる前に曜日をもう一度確認するようになった。

見やすい分別表が追加されていた

そんな状態がしばらく続いたある朝、掲示板を見ると、注意文の横に新しい分別表が貼られていた。

以前より文字が大きく、曜日ごとに出せるゴミが分かりやすくまとめられている。

誰が貼ったのかは分からなかったが、私は出かける前に一度目を通した。

それからは、ほかの住人も掲示板を確認している姿を見かけるようになった。

しばらくすると、収集日と違う袋はほとんど見かけなくなった。

結局、誰が間違えて出していたのかは最後まで分からないままだった。

「今日は燃えるゴミですね」

ある朝、ゴミ置き場で会った住人とそんな短い会話をした。以前のような気まずさは、いつの間にか薄れていた。

誰かを特定することより、間違えにくくするほうがよかったのかもしれない。そう感じた出来事だった。

※本記事は、GLAMが独自に実施したアンケートで寄せられた40代男性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています

※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。

元記事で読む
の記事をもっとみる

注目コンテンツ