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「将来のために使ってほしい」“保険金1,000万円”の受取人を孫にした70代祖父→死後、遺された家族を襲った“相続税の落とし穴”

  • 2026.9.25
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出典元:photoAC(※画像はイメージです)

大学卒業後、国内大手生命保険会社に35年間勤務し、営業や営業所長、企画、事務などを経験してきた「あしふみ」です。

「自分が亡くなったら、孫に少しでもお金を残してあげたい」

そんな思いから、死亡保険金の受取人を孫にしたいと考える方もいるでしょう。生命保険は、契約で指定した人に死亡保険金を残せる仕組みです。ただし、「孫に直接渡せること」と「受け取ったあとの税金の扱い」は、別の話です。

今回は、孫のために死亡保険金1,000万円を用意した祖父と、その死後に契約内容を確認した娘の事例を紹介します。個人が特定されないよう、内容の一部を変更して構成しています。

「孫の将来に使ってほしい」と受取人に指定

Aさん(仮名・73歳)には、50代の娘と、その子どもである孫がいました。

孫の成長を楽しみにしていたAさんは、あるとき娘にこう打ち明けます。

「自分に何かあったら、保険金1,000万円は孫に残すつもりなんだ。進学や将来のために使ってほしい」

Aさんは保険会社で手続きを行い、死亡保険金の受取人を孫に変更していました。娘も「父が孫のために準備してくれたお金なのだから、本人が受け取ればいい」と考え、特に気に留めていませんでした。

その後、Aさんが亡くなります。葬儀や各種手続きが落ち着いたころ、娘は父の生命保険について保険会社に問い合わせました。

「受け取れること」と「税金の扱い」は別だった

保険会社の回答で、死亡保険金1,000万円の受取人が孫に指定されていることが確認できました。

ここで娘が気になったのは、受け取ったあとのことです。

「生命保険には税金がかからない枠があると聞いたことがあります。孫が受け取る場合も同じなのでしょうか」

税理士に相談したところ、死亡保険金の非課税制度は誰が受け取っても一律に使えるわけではないこと、そして受取人が被相続人の相続人にあたるかどうかによって、税務上の扱いが変わり得ることが分かりました。

「父は孫にお金を残したい一心だったはずです。受取人によって扱いが変わるなんて、考えてもみませんでした」

父が孫を受取人に指定したこと自体が間違いだったわけではありません。ただ、家族は「孫に直接残せるなら、ほかに確認することはない」と思い込んでいたのです。

孫を受取人にすることはできる?

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出典元:photoAC(※画像はイメージです)

保険会社の定める範囲や手続きに従えば、孫を死亡保険金の受取人に指定できる場合があります。一般的には、被保険者の配偶者や2親等以内の血族が対象とされ、孫はこれに含まれることが多いですが、範囲は保険会社や商品によって異なります。

有効に指定されていれば、原則としてその受取人が保険金を請求します。受取人が孫だからといって、自動的に娘へ支払われるわけではありません。孫が未成年の場合は、法定代理人(通常は親権者)が手続きを行うことになります。

また、契約者と被保険者が異なる契約では、受取人の変更に被保険者の同意が必要になる場合があります。あわせて、死亡保険金の請求権には時効(一般に死亡日の翌日から3年)があるため、早めの手続きが望ましい点も覚えておきたいところです。

受取人を決める前に、税務面も専門家へ

死亡保険金にまつわる税金は、契約者・被保険者・受取人の関係や、受取人が相続人にあたるかどうかなどによって扱いが変わります。具体的な課税関係や金額は個別の事情によって異なるため、税理士など専門家への確認が欠かせません。

「父が何を考えて孫を受取人にしたのかは分かっています。でも、受け取ったあとの税金のことも、生前に一緒に確認しておけばよかったですね」

娘はそう振り返ります。

受取人の指定だけで終わらせない

死亡保険金の受取人は、「誰にお金を残したいか」を形にする大切な指定です。一方で、結婚や出産で家族構成が変わったり、受取人が未成年だったりすると、確認すべきことも変わります。

保険証券や契約者向けサイトで、いまの受取人を一度確認してみてください。必要に応じて保険会社へ請求方法や変更手続きを尋ね、税金に関する判断は税務署や税理士に相談するのが確実です。

「孫に1,000万円残せば安心」。その思いを形にするためにも、受取人の指定だけで終わらせず、残された家族がどう手続きするのかまで、生前に話しておけるとよいですね。


※死亡保険金の受取人として指定できる人や請求手続きは、保険会社・商品・契約内容などによって異なります。税務上の扱いも個別の状況によって異なるため、具体的な判断は税務署や税理士へご確認ください。

執筆・監修:あしふみ
大学卒業後、国内大手生命保険会社に35年間勤務。個人・法人営業、営業所長、企画・販売促進、事務部門などを経験。FP2級の知識と保険実務の経験を生かし、保険や家計に関する情報を分かりやすく伝えている。

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