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「金利が上がる」給与の振込先をネット銀行に変更→貯金500万円を移すが…6ヶ月後、明細を見て50代女性が“首をかしげたワケ”

  • 2026.10.15
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出典元:photoAC(※画像はイメージです)

こんにちは。FPで預金や金利の相談を数多く受けてきた柴田です。

ここ最近は金利が上がり、「少しでも条件のいい銀行へ」と預け先を見直す方が増えました。

今回は、金利の高さにひかれてネット銀行へ口座を移した50代のAさんのお話です。

「給与振込にすれば金利が上がる」

Aさん(50代女性)は、職場の同僚から「給与の振込先にすると金利が上がる銀行がある」と聞きました。調べてみると、その銀行の普通預金は通常で年0.4%、条件を満たすと年0.8%。通常の倍の金利が付くという内容です。

Aさんはさっそく口座を開き、給与の振込先を変更しました。それまでの銀行に置いていた貯金500万円も移しています。「500万円なら1年で4万円。置き場所を変えるだけで増えるのは嬉しい」と、満足していたそうです。

ところが半年後、アプリで利息の明細を確認したAさんは首をかしげます。受け取った利息が、計算していた額の半分ほどしかなかったのです。

優遇金利は「毎月の判定」で決まる

相談を受けて、私はAさんと一緒に銀行の案内を読み直しました。すると、優遇金利の条件は「給与の受け取り」だけではありませんでした。

Aさんの銀行では、給与の受け取り、公共料金やクレジットカードの口座振替、証券口座との連携といった取引の状況に応じて、毎月「ステージ」が決まる仕組みでした。年0.8%が付くのは、上位のステージだけです。Aさんは給与の振込先こそ変えたものの、電気代やカードの引き落としは以前の銀行のまま。給与の受け取りだけでは上位のステージに届かず、半年間ずっと通常の年0.4%が適用されていたのです。

私が計算してみると、500万円を半年預けた場合の利息は年0.8%なら税引前で約2万円、年0.4%なら約1万円です。差額は約1万円。気づかなければ、この先も毎年2万円ずつ取りこぼしていたことになります。

しかも、こうした優遇の判定は月ごとに行われるのが一般的です。前月の取引状況によって翌月の金利が決まる、といった形が多く、一度条件を満たせばずっと続くわけではありません。転職や退職で給与の振り込みがなくなれば、その後は通常の金利に戻ります。

見落としやすい3つのポイント

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出典元:photoAC(※画像はイメージです)

優遇金利のある銀行を使うときに、確認しておきたい点は3つあります。

条件の数と中身

給与や年金の受け取りだけでよい銀行もあれば、複数の取引を組み合わせてステージを決める銀行もあります。

給与の受け取り方

勤務先から「給与」として振り込まれたものだけが対象で、自分で他の銀行から移したお金は給与と見なされない、という銀行が一般的です。

高い金利が付く金額の上限

「100万円まで」のように、優遇金利が付く範囲が決まっている銀行もあります。

広告やサイトに大きく書かれている金利は、あくまで条件を満たした場合の数字です。全国銀行協会も、金利の表示を見るときは、税引前の数字かどうかや、どのような条件で適用されるのかを確かめるよう注意を促しています。細かい要件は小さい文字で記載されているケースが多いため、気を付けましょう。

本当に手間を掛ける価値があるか要チェック

普通預金や定期預金の優遇金利は、条件を無理なくクリアできそうなら、狙ってよいと私は考えています。同じお金を置いておくだけで受け取る利息が増えるのですから、使わない手はありません。

ただし、優遇金利のために必要のない金融商品を買ったり、入るつもりのなかった保険に加入したりするのは本末転倒です。銀行によっては、高金利が適用される条件に特定の商品の購入がセットになっているケースがあるため、注意してください。

本筋はあくまで「金利の高い銀行に預ける」ことであり、優遇金利は「おまけ」にすぎません。おまけを取りに行くために余計な出費をしては、金利差で増える分まで減らしてしまいます。

もう1つ、優遇金利の条件には、一度クリアすれば終わりのものと、毎月維持し続けなければならないものがあります。給与の受け取りや口座振替のように生活の流れに組み込めるものなら負担はありませんが、「毎月○回の取引」「○万円以上の残高」といった条件は、ライフスタイルによっては手間になることもあります。

その条件を維持する手間や出費と、金利差で増える金額のどちらが大きいか。そこまで計算したうえで、冷静に判断してみてください。

まとめ

金利の高い銀行に口座を移すこと自体は、「金利のある世界」である今の時代ではメリットになります。ただし、移しただけで安心してしまうと、Aさんのように肝心の金利を取りこぼす可能性があります。

口座を移す前に、優遇金利の条件を書き出し、無理なく維持できるかを確かめておくこと。移したあとは、実際に適用された金利を明細で確かめること。そして転職や退職で条件が変わったら、もう一度見直すこと。この3つを習慣にして、よりよい条件で資産を増やせるようにしましょう。


執筆・監修:柴田 充輝
厚生労働省や保険業界・不動産業界での勤務を通じて、社会保険や保険、不動産投資の実務を担当。FP1級と社会保険労務士資格を活かして、多くの家庭の家計見直しや資産運用に関するアドバイスを行っている。金融メディアを中心に、これまで1,500記事以上の執筆実績あり。

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