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「解体してから売ろう」“築50年の実家”を取り壊そうとした50代女性→翌年、固定資産税の通知書を見て気づいた“予想外の誤算”

  • 2026.10.14
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出典元:photoAC(※画像はイメージです)

皆さま、こんにちは。金融機関勤務のおがわ163です。20年間、金融機関の窓口で資産運用や家計相談に携わってきた経験をもとに、お金にまつわるリアルなエピソードをお届けしています。

今回ご紹介するのは、空き家になった実家を相続した50代女性Aさんの体験談です。解体を決める直前に、Aさんが気づいたこととは。

築50年の実家、更地にして売るつもりだった

先日、相談にいらした58歳のAさん。車で1時間ほどの距離にある実家を、妹と二人で相続したと話してくださいました。

父が亡くなったのは2025年の夏。名義変更を済ませたあと、妹と何度も話し合い、冬には売却する方向で意見がまとまりました。

実家は郊外の住宅地にあり、土地は200平方メートル。固定資産税評価額は1,400万円ほどです。建物は築50年の木造で、妹も自分も住む予定はありません。

「古い家が建っていると売れにくいと聞いたので、解体してから売ろうと思っていました」

解体費用の見積もりは180万円ほど。業者の都合がつく初夏に取り壊す段取りで進めていたそうです。

ところが2026年の春先、実家に届いた固定資産税の通知書を見たときに、ふと気になったといいます。思っていたより税額が低かったのです。

建物があるから、税額が抑えられていた

Aさんが見ていたのは、住宅用地の特例が適用された後の金額でした。

住宅が建っている土地は、固定資産税の課税標準が軽減されます。住宅1戸につき200平方メートルまでの部分は、固定資産税で6分の1、都市計画税で3分の1。200平方メートルを超える部分も、それぞれ3分の1、3分の2に軽減されます。Aさんの実家は200平方メートルなので、全体が6分の1の対象です。

この特例は、建物を取り壊すと外れます。更地になれば、軽減のない土地として課税されるのです。

「建物の分の税金が減るだけだと思っていました。土地の税額が上がるとは…」

実際にどれくらい変わるのか、Aさんは市役所の窓口で試算してもらいました。建物があるうちは土地と建物を合わせて年4万円台。更地にすると、土地だけで年15万円を超える見込みでした。3倍以上です。

なお、課税標準が6分の1から元に戻るため税額も6倍になると説明されることがありますが、更地には別の調整の仕組みがあるため、実際は3倍から4倍程度に収まることが多くなります。

いつ壊すかで、1年分の税額が変わる

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出典元:photoAC(※画像はイメージです)

もう一つ、Aさんが知ったことがあります。固定資産税は、その年の1月1日時点の状況で決まるということです。

2026年の初夏に解体すれば、2027年1月1日は更地の状態で迎えることになります。2027年度の1年間は、更地としての税額がかかるわけです。一方、売却の話がまとまってから引き渡しの直前に解体すれば、更地で年を越さずに済む場合があります。売れるまでの期間が読めないなら、古家付きのまま売りに出し、買主の希望に応じて解体する方法もあります。

ただし、空き家を放置すればよいという話ではありません。管理が行き届かず、自治体から特定空家等や管理不全空家等として勧告を受けると、その時点で住宅用地の特例から外れます。草木が伸び放題になっていたり、建物が傷んでいたりする状態が続けば、対象になり得ます。

「壊すか残すかではなく、いつ壊すかを考えればよかったんですね」

Aさんは、まず不動産会社に古家付きで査定を依頼し、売却の見通しが立ってから解体を判断することにしました。

空き家を解体する前に確認しておきたいこと

解体の判断は、税額と売却の見通しをあわせて考える必要があります。次の点を確認しておきましょう。

  • 建物があるうちは住宅用地の特例で土地の税額が軽減されている
  • 200平方メートルまでの部分は固定資産税の課税標準が6分の1
  • 解体すると特例が外れ、税額は3倍から4倍程度になることが多い
  • 固定資産税は1月1日時点の状況で決まる
  • 古家付きのまま売りに出す選択肢もある
  • 放置して勧告を受けると、建物があっても特例から外れる

実際の税額は、市区町村の資産税を担当する窓口で試算してもらえます。売却の見通しは不動産会社に、相続した家を売るときの税金については税務署や税理士に相談してください。空き家の管理や活用については、自治体の空き家相談窓口を設けているところもあります。

解体を考えているなら、意識しておきたいのは年明けの1月1日です。解体して年を越せば、2027年1月1日は更地の状態。2027年度は高い税額がかかります。逆に、年内に売却と引き渡しを終えていれば、2027年1月1日の所有者は買主になります。「古い建物は早く壊したほうがいい」と思い込む前に、壊すタイミングを考えることが、無駄な出費を防ぐ第一歩です。


執筆:おがわ163
金融機関勤務(勤続20年)。2級ファイナンシャル・プランニング技能士。窓口業務・資産運用相談の現場経験をもとに、生活に役立つお金の知識をわかりやすくお届けしています。


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