1. トップ
  2. ビジネス・マネー
  3. 母の財産“3,700万円”を相続した60代娘→「相続税はかからない」申告を放置したところ…7ヶ月後、税務署から届いた“1通の書類”

母の財産“3,700万円”を相続した60代娘→「相続税はかからない」申告を放置したところ…7ヶ月後、税務署から届いた“1通の書類”

  • 2026.10.15
undefined
出典元:photoAC(※画像はイメージです)

こんにちは。FPで相続の相談を数多く受けてきた柴田です。

「うちは財産が少ないから相続税は関係ない」。相続の相談で、とてもよく聞く言葉です。ただ、その判断に生命保険金を入れ忘れている方が少なくありません。

今回は、お母さんを亡くした60代のAさんのお話です。

「基礎控除の範囲内」だったはずが

Aさん(60代女性)のお母さんは、今年の2月に亡くなりました。お父さんはすでに亡くなっているため、相続人はAさんと弟さんの2人です。お母さんの財産は、預貯金が約2,200万円と、空き家になった実家が評価額で約1,500万円。合計約3,700万円でした。

相続税には、「3,000万円+600万円×法定相続人の数」の基礎控除があります。Aさんの場合は4,200万円です。「財産は3,700万円だから、相続税はかからない」。そう考えて、申告の準備はしていませんでした。

ところが9月、税務署から「相続税についてのお尋ね」という書類が届きました。相続財産の内容を記入して返送するよう求める書類です。Aさんは驚いて、相談に来られました。

生命保険金は「みなし相続財産」として扱う

お話を聞くと、Aさんはお母さんが掛けていた生命保険の死亡保険金2,000万円を、受取人として受け取っていました。「保険金は私のお金だから、相続とは関係ないと思っていました」。

死亡保険金は、遺産分割の対象にはなりませんが、相続税の計算では「みなし相続財産」として相続財産に加えられます。ただし、「500万円×法定相続人の数」までは非課税です。Aさんの場合は1,000万円が非課税なので、残りの1,000万円が加わります。

筆者の経験上、「非課税になること」と「相続財産に含めないこと」を混同してしまっている方が、ちらほらといらっしゃる印象です。

私が計算し直すと、相続財産は合計4,700万円。基礎控除の4,200万円を500万円超えていました。相続税の総額は50万円です。

実家と預貯金を姉弟で半分ずつ相続する場合、財産の取得割合に応じて、Aさんが約30万円、弟さんが約20万円を納めることになります。保険金を受け取ったのはAさんでも、弟さんにも申告と納税が必要になるのです。

税務署は保険金の支払いを知っている

undefined
出典元:photoAC(※画像はイメージです)

「なぜ税務署にわかったのでしょう」とAさんは不思議がっていました。

保険会社は、死亡保険金を支払うと、その内容を税務署に報告しています。税務署は、こうした情報や不動産の記録などをもとに、相続税の申告が必要になりそうな人へ「お尋ね」を送っているのです。

期限内に申告すれば加算税はかからない

幸い、Aさんのケースはまだ間に合いました。相続税の申告期限は、亡くなったことを知った日の翌日から10か月以内です。2月に亡くなったお母さんの場合は12月が期限なので、お尋ねが届いた9月の時点で、3か月ほど余裕がありました。

もし期限を過ぎていれば、本来の相続税に加えて、無申告加算税や延滞税がかかります。お尋ねを放っておかず、すぐに財産を洗い出したことが、結果的にAさんを助けました。

ちなみに計算した結果、申告が必要ないとわかった場合も、お尋ねに同封されている「相続税の申告要否検討表」に財産の内容を記入して返送しておくと安心です。

まとめ

Aさんは弟さんと話し合い、税理士に依頼して期限内に申告を済ませました。

相続税がかかるかどうかを判断するときは、預貯金や自宅だけでなく、死亡保険金や死亡退職金も必ず含めて計算してください。

税務署から連絡が来るとドキッとするかもしれませんが、冷静に対処しましょう。計算に含み忘れている遺産がないか確認し、不安があれば税務署や税理士に相談することも検討してみてください。


執筆・監修:柴田 充輝
厚生労働省や保険業界・不動産業界での勤務を通じて、社会保険や保険、不動産投資の実務を担当。FP1級と社会保険労務士資格を活かして、多くの家庭の家計見直しや資産運用に関するアドバイスを行っている。金融メディアを中心に、これまで1,500記事以上の執筆実績あり。


【エピソード募集】日常のちょっとした体験、TRILLでシェアしませんか?【2分で完了・匿名】

の記事をもっとみる

注目コンテンツ