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「申告するほどではない」医療費控除を“10万円の壁”で諦めた60代女性→後日、金融窓口で知った“意外な真実”に「見逃していた…」

  • 2026.9.24
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出典元:photoAC(※画像はイメージです)

皆さま、こんにちは。金融機関勤務のおがわ163です。20年間、金融機関の窓口で資産運用や家計相談に携わってきた経験をもとに、お金にまつわるリアルなエピソードをお届けしています。

今回ご紹介するのは、慢性疾患で長年通院を続けている60代女性Aさんの体験談です。医療費控除は病院での支払いだけが対象だと思っていたAさんが、窓口で知った対象範囲の広さとは。

病院代だけを見て、申告するほどではないと思っていた

Aさんは62歳、パート勤務です。夫と二人暮らしで、子供はすでに独立しています。

数年前から関節の慢性的な痛みがあり、月に1回ほど整形外科に通院しています。診察代と薬代を合わせて、1回あたり3,000円ほど。年間にすると3万6,000円ほどになりますが、医療費控除は年間10万円を超えないと対象にならないと聞いていたAさんは、「これくらいの金額では申告するほどではない」と、毎年そのままにしていました。

「病院で払った金額だけを見て、10万円には届かないな、と思い込んでいました」

窓口で知った、対象範囲の広さ

ある年、資産運用の相談で窓口を訪れたAさんは、雑談の中でこの話をしました。担当者から返ってきたのは、思いがけない説明でした。医療費控除の対象は、病院での診察代や薬代だけではないというのです。

通院のためにバスや電車を利用した場合の交通費も、対象に含まれます。Aさんの場合、通院のたびにかかっていたバス代往復440円ほどが、年間で5,000円を超えていました。

また、湿布薬や鎮痛剤など、治療のために薬局で購入した市販薬も対象になります。Aさんは症状がつらいときに市販の湿布を買い足すことがあり、これも年間で数千円になっていました。一方で、自家用車で通院した場合のガソリン代や駐車場代、急を要する場合を除くタクシー利用は対象外になるとも案内されました。

これらを合わせると、Aさんの年間の医療費は、これまで考えていた金額より1万円以上多くなり、5万円に近づいていることが分かりました。医療費控除の基準額は原則10万円ですが、その年の所得が200万円未満の場合は、10万円ではなく所得の5%相当額が基準になります。パート勤務のAさんの所得はこの基準に該当し、5万円に届いていた年は控除の対象になる可能性があると分かりました。また、医療費控除の申告は、過去5年分までさかのぼって、それぞれの年ごとに行えることも案内されました。

「病院の窓口で払った金額だけを見ていたので、交通費や市販薬まで含められるとは思っていませんでした。しかも、さかのぼって申告できるなんて」とAさんは驚いた様子でした。

レシートと交通費のメモを、これからは残しておく

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出典元:photoAC(※画像はイメージです)

担当者からは、今後のために、通院の際のレシートや領収書はもちろん、公共交通機関を使った際の日付と金額もメモに残しておくと、確定申告のときにまとめやすいとアドバイスがありました。

Aさんは「これまで何年も、知らずに見逃していたんですね。これからは、きちんと記録しておきます」と話してくれました。

医療費控除を申告する前に知っておきたいこと

医療費控除の申告を検討している場合は、以下の点について確認しておきましょう。

  • 医療費控除の対象は、病院での診察代や薬代だけでなく、通院のための公共交通機関の交通費や、治療目的で購入した市販薬も含まれる(自家用車のガソリン代や駐車場代、緊急時などを除くタクシー利用は対象外)
  • 予防目的のサプリメントや、通常の健康診断の費用は、原則として対象外
  • 医療費控除は年間10万円(所得が200万円未満の場合は所得の5%)を超えた分が対象になる
  • 同じ生計の家族の医療費は合算して申告できる
  • 医療費控除は1年(1月1日〜12月31日)ごとに計算し、複数年分を合算することはできない。ただし、申告自体は過去5年分まで、年ごとにさかのぼって行える
  • 医療費控除の基準額は原則10万円だが、所得が200万円未満の場合は所得の5%相当額が基準になる
  • 通院の交通費や市販薬の購入は、レシートや記録をこまめに残しておくと、あとで申告しやすい

「病院代だけが対象」と思い込む前に、通院の交通費や市販薬も含めて記録しておくことが、見逃していた還付に気づく第一歩です。医療費控除について気になることがあれば、税務署や税理士に相談してみてください。


執筆・監修:おがわ163
金融機関勤務(勤続20年)。2級ファイナンシャル・プランニング技能士。窓口業務・資産運用相談の現場経験をもとに、生活に役立つお金の知識をわかりやすくお届けしています。

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