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息子の大学進学で→「月1.4万円なら払えそう」“無利子の奨学金”を申込もうとした50代父…JASSOの返済例を見て“青ざめたワケ”

  • 2026.9.25
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出典元:photoAC(※画像はイメージです)

皆さま、こんにちは。社会保険労務士でファイナンシャルプランナーの小泉です。

日常生活でも、「月々1.4万円なら払えそう」と思って契約したものの、総額や支払期間を知って驚いた経験はないでしょうか? 奨学金も同じで、目先の返還額だけを見ていると、思わぬ数字に気づくことがあります。

今回は、無利子の奨学金をめぐり、ある父親が返還シミュレーションを見て青ざめたケースを通じて、申込み前に確認しておきたいポイントを紹介します。

父親が驚いた「307万2,000円」と「18年間」

「無利子の奨学金なら、利息もないし安心だろう」大学進学を控えた息子から奨学金を利用したいと相談された50代父親は、そう考えていました。

ところが、申込みを前にJASSO(日本学生支援機構)の返還例を確認したところ、父親の表情が変わります。「えっ……18年間も返すの?」

そこで初めて家族が意識したのが、奨学金の「利息」ではなく、返還する期間でした。

家族が確認したのは、JASSOが公表している第一種奨学金の返還例です。そこには、4年制大学で私立・自宅外通学の場合、第一種奨学金を月額6万4,000円、48か月貸与したケースが示されています。貸与総額は、6万4,000円×48か月=307万2,000円です。

さらに、定額返還方式・月賦返還の場合、このケースでは、返還月額1万4,222円、216回、18年間とされています。「この返還例を見る限り、毎月1万4,000円程度なら、何とかなるかもしれない」父親はそう思いました。しかし、気になったのは「18年間」という数字です。

仮に22歳で大学を卒業したとすれば、18年間という期間を単純に年齢に当てはめると、40歳前後まで返還が続く計算になります。もちろん、これはあくまでJASSOが示す特定条件での返還例です。それでも父親にとっては、「月々いくら返すか」だけではなく、「いつまで返すのか」まで確認する必要があると気づくきっかけになりました。

「無利子」でも返還は必要だった

そもそも第一種奨学金は、利息が付かない「無利子」の貸与奨学金です。ここで注意したいのが、「無利子」と「返還不要」は違うということです。

第一種奨学金は貸与型の奨学金なので、原則として返還する必要があります。つまり、無利子というのは、返還時に利息が付かないという意味であって、借りた元金まで返さなくてよいという意味ではありません。父親は、「無利子なら安心」という言葉だけで判断せず、実際の返還条件を確認することの重要性を知りました。

ただし、誰もが「18年間・月1万4,222円」ではない

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出典元:photoAC(※画像はイメージです)

ここは、奨学金を考えるうえで非常に重要なポイントです。先ほどの「18年間・月1万4,222円」は、私立・自宅外通学で月6万4,000円を48か月貸与し、定額返還方式を選択した場合の具体例です。第一種奨学金を利用する人すべてに当てはまるわけではありません。

第一種奨学金には、返還額を一定にする「定額返還方式」のほか、所得に応じて返還月額が決まる「所得連動返還方式」もあります。したがって、第一種奨学金の返還期間や毎月の返還額を一律に「18年間」「1万4,222円」と説明することはできません。

また、月額6万4,000円という金額についても、誰でも自由に選択できるわけではありません。学校の種類や通学形態などに加え、最高月額を利用するための条件があります。給付奨学金と第一種奨学金を併せて利用する場合には、第一種奨学金の貸与月額が調整されることもあります。

家族が確認したいのは「月額」だけではない

では、奨学金を申し込む前に、家族は何を確認すればよいのでしょうか。

まず確認したいのが、「いくら借りるのか」です。そして、

  • どの返還方式を選ぶのか
  • 毎月いくら返すのか
  • 何回返すのか
  • 返還はいつから始まるのか

まで確認します。

JASSOでは、貸与終了後の返還は、貸与終了月の翌月から数えて7か月目に始まると案内しています。

さらに、機関保証を利用する場合には保証料が必要です。保証料は原則として毎月の奨学金から差し引かれ、貸与月額や貸与月数、返還期間などによって異なります。そのため、「毎月6万4,000円を4年間借りる」と決めたとしても、実際の振込額は保証料などの影響を受ける場合があります。

「借りられる額」ではなく「返せる額」を考える

奨学金は、進学をあきらめないための重要な制度です。無利子である第一種奨学金には、利息の負担がないというメリットがあります。だからこそ、「無利子だから大丈夫」と最初から安心するのではなく、自分の家庭の場合、いくら借り、どのような条件で返還することになるのかを確認することが大切です。

父親は返還シミュレーションを見ながら、息子にこう話しました。「借りられる金額じゃなくて、卒業してから無理なく返せる金額を考えよう」月々の返還額だけなら、「これくらいなら払える」と思うかもしれません。しかし、そこには「何年間続くのか」というもう一つの数字があります。

無利子かどうかだけで判断しない。

「借入総額」「返還方式」「毎月の返還額」「返還回数」「返還開始時期」まで確認して、卒業後の生活を具体的にイメージする。

奨学金を利用する前に、家族でそこまで確認しておくことが、将来の家計を考えるうえで大切なのです。


執筆・監修:小泉@社労士ライター
20年以上の社労士経験を通じて、多くの相談者から「こんな制度があるとは知らなかった」「もっと早く相談しておけばよかった」という声を聞いてきた経験から、専門知識を、必要とする人に、正しく、わかりやすく届けることを大切にしている。社会保険・労働保険、公的年金をはじめ、暮らしや仕事に関わる制度について、専門家としての正確性と、生活者目線のわかりやすさを両立した情報を執筆・発信。保有資格は、社会保険労務士、2級ファイナンシャル・プランニング技能士、宅地建物取引士など。

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