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婚約指輪を渡す場所に、近所の公園を選んだ私の事情

  • 2026.8.15
ハウコレ

遊具を見下ろせる角の部屋の内見を終えた帰り道、私はあの公園のベンチを渡す場所に決めました。この部屋で始まる暮らしを想像すると、彼女の問いが浮かびます。

リュックの底には、半年貯めて買った指輪の箱が、朝から同じ場所に収まっていました。

予約画面を閉じた理由

プロポーズは、夜景の見える店でするものだと私も思っていました。花束と個室が付いた記念日プランのサイトを開いては、金額の欄を見て画面を閉じます。指輪に貯金のほとんどを使った後で、一晩の演出に残りをつぎ込むことがどうしてもできなかったのです。いつもの店の食事の席で渡すことも考えました。それでも、その日だけで終わらない、渡した後の生活につながる場所を選びたい気持ちの方が勝ちました。

不動産屋の帰り道

その週、私は1人で不動産屋を回り、彼女の職場に近い角の部屋を内見しました。帰りに通りかかったのが、砂場と滑り台だけのあの公園です。ベランダから遊具を見下ろせる距離だと確かめたとき、渡す場所はここにしようと決めました。特別な一日ではなく、続いていく日々の始まりにできる気がしました。部屋探しのことを彼女に相談しなかったのは、決まった形にして喜ばせたい気持ちと、途中で反対されたら揺らぐ自信のなさの両方でした。

硬くなった声

当日、食事の帰りに「ちょっと寄っていかない?」と公園を指さしました。ベンチに座り、リュックから箱を出すまでの手順は、家で何度も繰り返してきました。それでも「結婚してください」と口にした声は、自分の耳にも硬く響きました。彼女は頷いてくれました。場所に落胆されるかもしれないことは、覚悟していたつもりでした。それでも「どうして、ここなの?」と正面から聞かれて、彼女が思い描いていた景色を、私が一度も聞こうとしなかったことに気づいたのです。「この公園、これから毎日通る場所になるから」そう答えてから、スマホの間取り図を見せ、「内見してきたんだ」と続けました。

そして...

入居の手続きは、今度は2人で進めています。書類の欄を1つ埋めるたび、あの日の彼女の問いを思い出します。これからは彼女の気持ちを確かめながら、2人で新しい生活を始めていきたいです。

(30代男性・営業職)

本記事は、読者アンケートに寄せられた実体験をもとにした本人視点の記事を参考に、相手側の心情を想定して制作しています。実際の相手本人への取材ではなく、編集部による解釈を含みます。

(ハウコレ編集部)

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