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夏こそ愛でたい、世界の「青」の名建築&名所

  • 2026.8.12
ekinyalgin / Getty Images

現代美術館やアーティストのアトリエ、モスクに教会、さらには街まるごと……世界には、「青」が鮮烈な印象を残すフォトジェニックな名建築&名所がたくさん存在している。鮮やかで涼しげなこれらのスポットを眺めて、束の間の旅行気分を味わってみてはいかが? 今後の旅先の候補にもおすすめ。

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マジョレル庭園(モロッコ)

「マジョレルブルー」と呼ばれるビビッドでマットなブルーに塗られた建物や水場を包み込むように、数百種の植物が生い茂る「マジョレル庭園」は、マラケシュのトップ観光スポットのひとつ。

フランス人画家のジャック・マジョレルがデザインした庭園と、彼が建築家のポール・シノワールに依頼したアトリエ兼ヴィラから成り、のちにイヴ・サンローランとパートナーのピエール・ベルジェが買い取ったことでもよく知られる。秘密の楽園、あるいは生きた芸術品とでも呼ぶべき名所だ。

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サマルカンド(ウズベキスタン)

2001年に世界遺産に登録されたサマルカンドは、「青の都」として世界中から観光客を惹きつけている古都。かつてはシルクロードの要衝として、そしてティムール朝の首都として栄えた。

街を彩る「サマルカンドブルー」と呼ばれる青のタイルは、ペルシアの顔料と中国の陶磁器が融合して誕生したもので、まさにこの土地が文化の交差点であったことを示す証し。このブルーは現在も、国に認定された職人により代々受け継がれているそう。

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サントリーニ島(ギリシャ)

ギリシャが誇る景勝地、サントリーニ島。島の北端にあるイアの街は、ギリシャの国旗からとったとされる青と、強い日差しを反射し抗菌・防カビ性もある石灰塗りの白のまばゆい街並み、そしてエーゲ海の絶景とのコンビネーションが最高にフォトジェニック。

もし足を運ぶなら、明るい日中の景色ももちろんだが、世界一とうたわれる真っ赤な夕焼けに染まる情景も、しっかり心のフィルムに焼き付けておきたい。

Nikada / Getty Images

シャフシャウエン(モロッコ)

「シャウエン」とも呼ばれるモロッコ北部の街シャフシャウエンも、青のグラデーションで知られる名所。

その起源には諸説あるが、もともとは白い石灰塗りの家々が並ぶ街だったところに、20世紀に入ってからユダヤ人街に由来するブルーの外壁が地域全体に広がり、景観保全と観光によって定着したとする説が有力のよう。

peterspiro / Getty Images

オンタリオ美術館(カナダ)

現代美術館らしい大胆な佇まいの「オンタリオ美術館」。爽やかなブルーに着色したチタンの外壁がシグネチャーの南棟は、2025年にこの世を去ったフランク・ゲーリーが、2008年の増改築の際に新たに加えたもの。

天候や光によって色合いが微妙に変わって見えるのもまた面白い。ゲーリーによると、曇天の下でこそ美しく映えるそう。

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ホテル・パルコ・デイ・プリンチピ(イタリア)

イタリアのデザインシーンを代表する巨匠ジオ・ポンティが、建築から家具、プロダクトまでトータルデザインを手がけた、ナポリの南・ソレントの海沿いに立つデザインホテル。

海辺らしく青を効果的に用いた内装は、細部にいたるまでフォトジェニックで洗練されている。デザイン好きなら一度は泊まっておきたい、憧れの宿だ。

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スルタンアフメト・モスク(トルコ)

イスタンブールを象徴する名建築のひとつ、「ブルーモスク」こと「スルタンアフメト・モスク」も、このリストには欠かせない。

17世紀初頭、スルタン・アフメト1世が建てたモスクの内部に、青をメインに白や赤、緑など大量のイズニックタイルがあしらわれて現在の姿に。その印象から、「ブルーモスク」と呼ばれるようになったという。この青は、当時のオスマン宮廷美術とイズニック陶器に由来するもの。

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フリーダ・カーロ美術館(メキシコ)

「青い家(Casa Azul)」の愛称で知られる、かのフリーダ・カーロの生家で、1904年に建造。彼女はここで生まれ、ここで暮らし、ここで息を引き取っている。

1941年にカーロの父が亡くなると、彼女と夫ディエゴ・リベラはこの家に引っ越し、現在のような姿に改築。メキシコの人々とカルチャーへの敬意を表すべく、色彩とクラフト、美術品でここを満たした。カーロの死後、リベラにより1958年に美術館として一般公開された。

Matt Mawson / Getty Images

ディエゴ・リベラ&フリーダ・カーロの家スタジオ博物館(メキシコ)

いっぽうこちらは、リベラとカーロの2棟のアトリエ兼住宅。メキシコにおける近代建築の普及に貢献した建築家、フアン・オゴルマンによる設計で、1932年に完成した。

リベラの棟を白と赤、隣のカーロの棟を青に塗り分けることで視覚的に区別し、2人の独立した生活や制作空間を表現。同時に、鮮やかな色彩により欧州生まれの機能主義建築をメキシコらしく再構成している。

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ジョードプル(インド)

インドにも青い街がある。それが、ラジャスタン州にあるここジョードプル。もともとは、カースト上位の階級であるバラモン(神官や学者など)の住居を、他の階級の家と区別するために青く塗られたが、それがその後階級に関係なく広まったと考えられている。

また、城壁に囲まれたこの街は、『ONE PIECE』に登場する「アラバスタ王国」のモデルになったともいわれている。

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フスカル(スペイン)

スカイブルーの家々が遠くからでもよく目立つ、アンダルシア地方にある小さな村フスカル。この青は、ユニークで意外な経緯によりここに定着した――そのきっかけは、2011年の映画『スマーフ』。村の周辺にはさまざまな種類のキノコが生育していることから、キノコの家で暮らすスマーフの世界観と合致するという理由でここがPRのスポットとして選ばれ、村全体が青く塗装されることに。

PRイベント終了後は色を元通りにすることになっていたが、観光客が急増し大きな経済効果がもたらされたため、住民投票の結果そのまま残すことに決定。現在も「青い村」と呼ばれ、景観が維持されている。確かに、スマーフとまったく同じブルー!

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カレイェス(メキシコ)

メキシコ・ハリスコ州の太平洋沿岸に立つホテル「カレイェス」は、ヴィラやレジデンス、バンガローなどさまざまなタイプの部屋を揃えた地上の楽園のようなホテル。

このサックスブルーが印象的なブルーのヴィラ「カシータ アスル」のほか、ピンクやイエロー、オレンジなどさまざまな色の部屋があり、全部泊まってみたくなること請け合いだ。敷地内を散歩するだけでもワクワクするはず。

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クンストハウス・グラーツ(オーストリア)

グラーツが欧州文化首都となった2003年に開館したこのミュージアム「クンストハウス・グラーツ」は、「グラーツ美術館」や「フレンドリー・エイリアン」のニックネームでも親しまれている。

その愛称が示すとおり、地球外生命体や軟体動物を思わせる有機的&独創的な外観で、1288枚の半透明のブルーのアクリルガラス板をまとっている(夜には、電光掲示板のように光ってメッセージを発信する機能も備えている)。周囲を取り囲む旧市街の古い建築との対比も見ものだ。

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スルタン・サラディン・アブドゥル・アジズ・モスク(マレーシア)

こちらも「ブルーモスク」のニックネームを持つ、マレーシア・セランゴール州の州都シャー・アラムに立つモスク。一度に最大約2万4000人を収容でき、マレーシア最大クラスのモスクとされる。

サファイアブルーのエナメル鋼板で覆われた巨大なドームやシャープな4基のミナレット(尖塔)、内部の青いステンドグラスや優美な装飾がなんともアイコニック。イスラムとマレー、西洋の建築様式を巧みに融合させた構造で、来訪者を温かく受け入れてくれる。

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ホテル ルック(ドイツ)

ベルリンの中心部に位置する5つ星の「ホテル ルック」は、ゲンダーメンマルクト周辺のプロイセンの歴史を現代的に再解釈し、コンセプトに落とし込んだブティックホテル。ドイツ発祥の青「プルシアンブルー」を軸に、館内のあちこちに青を巧みに取り入れているのにも納得できる。

壁、チェアやソファ、クッションにグラスなど、その使い方は自宅のインテリアでも参考にしたくなるはず。

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アルマス聖堂(ポルトガル)

ポルトガル第2の都市ポルトにある「アルマス聖堂(サンタ・カタリーナ礼拝堂)」は、18世紀初頭からこの地に佇んでいる。

当時のポルトガルでは、白地にブルーで人物や物語を描いたタイル「アズレージョ」で教会や宮殿を装飾するのが代表的な様式だったが、この外壁は1929年に新たに施されたもの。陶芸家で画家のエドゥアルド・レイテが、ポルトガル・バロック期のアズレージョを模して宗教画を描き、伝統的な白地にコバルトブルーの配色を採用した。

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シディ・ブ・サイド(チュニジア)

チュニジア北部、地中海に面した丘の上に位置する、「チュニジアで最も美しい街」とされるシディ・ブ・サイドも、青と白のコントラストが印象的な場所。

外壁は白、ドアや窓、柵はチュニジアンブルーでまとめられているが、これは、20世紀初頭にここに住んでいた画家兼学者のロドルフ・デルランジェ男爵が景観保存を働きかけ、青と白のみに色を統一させたため。1915年の保護政令とその後の自治体の規制により、現在の彩りが定着したそう。

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ホテル フォンテノット(アメリカ)

活気あふれるニューオーリンズのダウンタウンにある、隠れ家風のホテル。特に、「ピーコックルーム」と名付けられたダイニング&バーは、その名のとおりピーコックブルーで彩られた華やかな空間で、滞在中はぜひ足を運んでおきたい。

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スタッド・オセアン(フランス)

フランスのプロサッカーチーム「ル・アーヴルAC」のホームスタジアムである「スタッド・オセアン」(正式名称は「スタッド・CMA CGM・オセアン」)も、鮮やかなブルーで存在感を放つ建築。フランスの設計事務所SCAUと、英国のKSSアーキテクツが設計した。

外周を覆うのは半透明のフッ素樹脂(ETFEフィルム)で、港町の海と空を表現。夜間は内部からの照明によりビーコンのように青く輝き、幻想的な姿を見せる。

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聖エリザベス教会(スロバキア)

スロバキアの首都ブラチスラバにある「聖エリザベス教会」は、聖エリザベト(聖エルジェーベト)の生誕700年を記念して設計され、1913年に竣工。

当初はグレーだったが、外壁の仕上げや施釉陶器の屋根瓦にはじまり、モザイク装飾やレリーフ、さらには内部の装飾や長椅子などもパステルブルーで統一されてゆき、「青い教会」の名で広く知られるようになった。

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パシフィック・デザイン・センター(アメリカ)

吸い込まれそうなほど真っ青なガラスが輝く、LAのウェストハリウッドに立つ「パシフィック・デザイン・センター」は、インテリアのショールームや工房、飲食施設などが入る複合施設。建築家のノーマ・メリック・スクレアクとシーザー・ペリが設計し、3つの段階を経て現在の姿になった。

ビジュアルは“地球に落ちてきた巨大な破片”を表現したそうで、まさにそのとおりのインパクトを放つ。「ブルー・ホエール(青いクジラ)」とも呼ばれている。

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バタム・グランド・モスク(インドネシア)

開放的で厳か、さらにモダンな雰囲気も漂う、インドネシアのバタム島にある「バタム・グランド・モスク」。

もともとはまったく異なる色合いの四角錐の建築だったが、2022年からの約2年がかりの全面改修により、青×白のドームを備えた姿に変身。マレー風装飾を施され、新たなランドマークとして再び門戸を開いた。なお、訪れる際はドレスコードにご注意を。

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ホリデー ハウス パーム スプリングス(アメリカ)

カリフォルニアのパームスプリングスにはレトロでスタイリッシュなホテルが数多くあるが、ここもインテリア好きならブックマークしておきたい1軒。

インテリアデザイナーのマーク・D・サイクスが手がける空間には、地中海を連想させるハッピーな青を基調に、ミッドセンチュリーな要素やプレッピーな遊び心が炸裂し、人を迎え入れるエネルギーが満ちあふれている。

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パース・アリーナ(オーストラリア)

2012年にオープンした「パース・アリーナ」(2018年より「RACアリーナ」が正式名称)は、スポーツやコンサート用の多目的施設で、よく目立つインターナショナル・クライン・ブルーが特徴。

その外観は、港町フリーマントルにある12角形の「ラウンド・ハウス」と、「エタニティパズル」のピースに着想を得ているそう。正面入り口のピースは馬の頭のフォルムをしており、エンターテインメントを街へ運び込む「トロイの木馬」を象徴しているそう。

Charles Davies / 500px / Getty Images

ハースト・キャッスル(アメリカ)

“アメリカの新聞王”ことウィリアム・ランドルフ・ハーストがカリフォルニアのサン・シメオンに築いた大豪邸、「ハースト・キャッスル」。ここには、一面をガラスモザイクに覆われた宝石箱のような青い屋内プールがある。

古代ローマの公衆浴場を思わせる建築は建築家のジュリア・モーガンが手がけ、イタリア・ラヴェンナにある世界遺産、ガッラ・プラキディア廟堂の内装から着想を得た青や金のモザイク装飾は、壁画家のカミーユ・ソロンが担当。現在は州が管理しており、見学のみ可能。

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