1. トップ
  2. リスボンの絶品スイーツ「パステル・デ・ナタ」とは?ポルトガル伝統の奥深い世界へ

リスボンの絶品スイーツ「パステル・デ・ナタ」とは?ポルトガル伝統の奥深い世界へ

  • 2026.8.8

名店が誇る至高のパステル・デ・ナタをはじめ、知られざる奥深きポルトガル修道院菓子の世界へ。


時代のうねりが生んだポルトガルの「修道院菓子」

「パステイス・デ・ベレン」のパステル・デ・ナタ。溢れるクリームをこぼさぬよう大口でほおばりたい。

ポルトガルを代表する焼き菓子「パステル・デ・ナタ」は“クリームのお菓子”を意味する名のとおり、とろりと溢れる滑らかなカスタードと香ばしいパイ生地が特徴のスウィーツだ。誰もがお気に入りの店を持つほどポルトガル全土で愛される伝統の味だが、パステル・デ・ナタはポルトガルスウィーツの氷山のほんの一角に過ぎない。

遡ること約200年。保守派と改革派の内戦の末、それまで強大な力を持っていた修道院制が廃止となり自由主義の時代が幕を開けた。生存のために策を練った修道僧たちは、ある一つの希望を見出す。修道院では卵白を服の糊付けに使っており、大量に余った卵黄を砂糖と混ぜて焼いた黄色い菓子が数多く存在していたのだ。その販売で生活費を稼ごうとしたのである。

現在もポルトガルの菓子店のカウンターには黄色い小さなスウィーツを並べた棚があるはずだ。それは激動の時代の小さなアイディアの記憶なのである。

わずか7人で守る「ナタ」元祖の味

◆Pastéis de Belém(パステイス・デ・ベレン)

ジェロニモス修道院時代から変わらぬレシピで作り続ける。今や定番となった「シナモンと粉糖をかける」スタイルも、この店が発祥。カスタードの中にシナモンは含まれていないので、ひと振りで全く違う味わいが楽しめる。各1.60ユーロ。

ジェロニモス修道院はパステル・デ・ナタの商業販売で成功を収めるも、時代の波に抗えず閉鎖に追い込まれる。

その秘伝のレシピを受け継いだ近隣の家族が1837年に開業したのが、名店「パステイス・デ・ベレン」だ。現在も元祖の店として不動の地位を確立し、連日多くの人が列をなしている。

ステル・デ・ナタ以外の焼き菓子も販売。

その唯一無二の魅力は、有塩バターの仄かな塩気が引き立てる甘さを抑えた気品あるカスタードと、独自の製法により時間が経っても損なわれないパイ生地のサクサク感。

レシピを知るのは7人のみ。

門外不出のレシピを知るのは、3人の経営者と4人の職人のみだ。重要な工程を職人の手作業で行う美学が伝統の味を守り続け、この店を遺産たらしめている。

Pastéis de Belém(パステイス・デ・ベレン)

店舗は修道院そば。観光の帰りに寄りたい。

所在地 Rua de Belém 84-92, Lisboa
電話番号 213 637 423
営業時間 8:00~22:00(10月~6月は~21:00)
定休日 無休
https://pasteisdebelem.pt/

文=CREA Traveller編集部

元記事で読む
の記事をもっとみる

注目コンテンツ