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中村拓志が設計。軽井沢に誕生したリトリートホテル「エッセンス軽井沢」をレポート

  • 2026.8.7
Photo: Koji Fujii / TOREAL

避暑地として知られるリゾート地、軽井沢に新たな魅力的なホテルが誕生した。NAP建築設計事務所の中村拓志が軽井沢の豊かな自然と向き合い完成した全室スイートの「エッセンス軽井沢」は、プライベートサウナやミシュラン二つ星「傳」監修の食体験など、五感を静かに開放する特別な空間だ。



Photo: Koji Fujii / TOREAL

場所は軽井沢駅から車で約5分ほどの南軽井沢エリア。古くからゴルフ場の人気スポットとして知られ、付近には内藤廣設計の黒柳徹子ミュージアムやSANAAが手掛けた軽井沢千住博美術館など、建築スポットも多い。このホテルのプロジェクトがスタートした2019年から、中村拓志はマスターアーキテクトとして参加し、計画を進めたという。

「敷地はカラマツが中心の森で地面に起伏があり、豊かな自然が広がっていたので、この森をしっかり保全していくべきだと感じました。自然と人のほどよい共生、そして関係性を再構築する場としてホテルの構想を深めていきました」と中村は語る。

<写真>杉材をふんだんに使った意匠が印象的なアプローチ。宿泊者は駅からホテルまで無料の送迎タクシーも予約可能。

Photo: Koji Fujii / TOREAL

建物はエントランスロビーやラウンジ、客室を備える主屋とレストラン棟の2つからなる。主屋は鉄骨造を採用することで柱のない伸びやかに視線が抜ける大空間を叶えた。

「森と溶け合い、本来の自分へと還る」というホテルのコンセプトに合わせ、館内には単なる宿泊にとどまらない、五感を開放させる工夫がさまざまな場所に散りばめられている。例えばエントランスを抜けると現れるのは、上質な音楽とやわらかな光に包まれた宿泊者限定の「エッセンスラウンジ」。好きなレコードをかけ、本を開く……時間を忘れて読書に没頭する贅沢が、緩やかに思考をほどいてくれる。

<写真>館内のインテリアデザインは、NAP建築設計事務所とジャモアソシエイツが共同。自然界の色味に着想を得た深みのあるチェアの色や木製の什器が外の景色と美しく調和する。

Photo: Koji Fujii / TOREAL

全12室の客室は、いずれもスイートルームだ。約3.5mの天井高がもたらす開放感が、外の自然の心地よさをそのまま室内に引き込む。

<写真>客室の窓の先にはカラマツの森が広がり、森林浴をしながらの外気浴を楽しめる。もともと敷地に生えている樹木を残しながら、秋に黄色い葉をつける広葉樹をさらに植樹し、紅葉の時期にはゴールデンオータムの景観が広がる。

Photo: Koji Fujii / TOREAL

<写真>客室のバスルームは水面がシームレスに広がるインフィニティヘッジを採用。水面に木々の緑がドラマチックに写り込む。

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<写真>すべての客室にプライベートサウナを完備。サウナアイテムを展開する“TTNE PRO SAUNNER”とコラボしたサウナハットやマットなども用意がある。

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開放感あふれる主屋とは対照的に“籠る心地よさ”を感じられるのが、三角屋根が連なるレストラン棟だ。木々の間をぬうように建つこの小屋のような建物には、森を眺めながら食事が味わえる36席のレストラン「SHIN」を併設している。ここはミシュラン二つ星を獲得している東京・外苑前の名店「傳」の長谷川在佑が監修を務める注目の和食レストランだ。

Photo: Koji Fujii / TOREAL

<写真>農家の納屋などに使われる伝統的な小屋組み構造を採用し、あえて骨組みを露出させることで、洗練と素朴な温かさが共存する空間に。インテリアもNAP建築設計事務所が担当し、“インゴ・マウラー”の照明や北海道の職人が手がけた家具工房ニングルのテーブル、中村拓志がデザインし“タイムアンドスタイル”から発表した「タケノコチェア」が並ぶ。

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<写真>写真の「熟成鰻の揚げ浸し くるみと茄子の田楽」など、レストランでは地場の食材や、季節ごとの旬の食材をふんだんにつかった全9品の和食コースを提供。


Photo: Koji Fujii / TOREAL

建築が主張するのではなく、軽井沢の風土や光、風を受け止める器として設計された「エッセンス軽井沢」。細やかな素材づかいと空間構成が、ここにしかない深く満たされる滞在体験を叶えてくれる。

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