1. トップ
  2. コンパクトなキッチンこそ「色」で遊ぶ。プロが実践するカラーアイデア16

コンパクトなキッチンこそ「色」で遊ぶ。プロが実践するカラーアイデア16

  • 2026.8.6
Kelly Marshall

コンパクトなキッチンだからといって、広いキッチンに使い勝手や実用性で劣るわけではない。小さいながらも開放的なオープンキッチンもあれば、豊かなカントリースタイルへの憧れをうまく詰め込んだ小ぶりなギャレーキッチンもあるだろう。間取りや構造がどうであれ、“狭いキッチン”をインテリアにうまく馴染ませ、印象的に仕上げる最も効果的な手法が「色」の活用だ。

壁から天井まで一色で統一するスタイルがSNSで話題になったりもするが、そこまで手をかけなくても、キッチンに個性を演出する手軽な方法はたくさん残されている。デザイン性を重視したい人も、実用的な解決策を探している人も、『ELLE DECOR』のアーカイブから厳選した以下のカラーアイデアを目にすれば、魅力的なキッチンづくりに対する意欲が湧いてくるはずだ。US版「エル・デコ」より。

Ye Rin Mok

日常を忘れさせる洗練の“エメラルド”

限られた空間を活かすなら、制限を逆手に取ってリビングの中央に存在感あふれる建築的エレメントを配するのはどうだろう。ロサンゼルスを拠点とするデザイン事務所LAUNは、追加の収納や冷蔵庫を隠すエメラルドグリーンの構造体を主役に、この巧妙なキッチンを仕立て上げた。

壁一面に広がる無塗装の真鍮製キャビネット、そして赤い天然石をあしらったアイランドとカウンター。この3つの力強い色彩が織りなす極上のハーモニーが、空間に強烈で大胆な個性を与えている。

Kelly Marshall

スパイスとして作用する“ダークレッド”

話題の「意外な赤の法則(アンエクスペクテッド・レッド・セオリー)」が、ここでも本領を発揮している。舞台はトップアスリートであるミーガン・ラピノーとスー・バードのマンハッタンの自宅。インテリアを手掛けたのは、マーク・グラタンだ。ブラジル産クォーツァイトのカウンターとバックスプラッシュに対し、深みのある赤のカウンターチェアが絶妙なコントラストを描き出している。

Helenio Barbetta

刺激的な“ライムグリーン”

鮮やかなライムグリーンが、ローマ市街のアーティストのアパートメントの小さなキッチンにエネルギッシュな息吹を吹き込んでいる。鮮やかなティールブルーのキャビネットとシチリアタイルの汚れ止めパネルが、空間をフレッシュでどこかファンキーな印象に引き立てる。これぞ、コンパクトな空間にこそ効果を発揮する最強のコンビネーションだ。

William Jess Laird

クローゼットを思わせる“グロスホワイト”

キッチンをまるで洗練されたクローゼットのように仕立ててみるのはどうだろう。デザイナーのミシェル・R・スミスは、マンハッタンにあるメゾネットのキッチンに、彼女ならではの繊細かつ高感度な美意識でアプローチし、ツヤ感のあるホワイトタイルの魅力を新たな高みへと引き上げた。この空間では文字通り、天井にまでタイルを貼り巡らせている。シェルフからシンクに至るまで惜しみなく使われたカラカッタ産の大理石が、空間全体に深みをもたらしている。

Chris Motallini

スマートかつ温かみのある“グレージュ”

デザイン事務所シャーラップ・ハイマン&エレロのデザイナー、アンドレ・エレロは、ウエスト・ハリウッドにあるこのキッチンで、取っ手などの金具類を一切使わない選択をした。ノイズのない、クールで落ち着いた空間に仕上げるためだ。そこに温もりを添えているのは、キャビネットの面材の仕上げ色に選ばれた、まろやかで味わい深いグレージュだ。

Giulio Ghirardi

陽気な“アボカドグリーン”

デザイナーの中でも巨匠と称されるピエール・ヨヴァノヴィッチが手掛けたパリのキッチン。その主役を張るのが、オーダーメイドの特注キャビネットだ。「ドンブラハ」のブラックの水栓金具がグラフィカルで無駄を削ぎ落としたシャープな印象を与える一方で、アーティストのマチュー・コセによる特注タイルのバックスプラッシュが、視覚的な楽しさを添えている。

Matthew Williams

ラグジュアリーな“スモーキーパステル”

デザイン事務所スタジオDBを率いる夫妻ユニットが、マンハッタンに住むある夫婦のために手がけたのは、溢れるほどの個性を詰め込んだコンパクトなキッチン。この配色プランを成功へと導いた隠し味、それはラグジュアリーブランドのブティックから着想を得たカラーリングだ。

Maureen M. Evans

陽光に映える“ピュアホワイト”

デザイナーのマーク・グラタンが手がけた、メキシコシティのアパートメント。明るいホワイトで統一された特注キャビネットとタイルの壁に、イエローのメキシコ産トラバーチンのカウンターが鮮やかなアクセントを効かせている。たとえ手入れに少々手間がかかるとしても、視覚的にすっきりとクリーンな印象を実現した。

Stephan Julliard

引き締め役の“チャコールブラック”

デザイナーのピエール・ゴナロンが手がけたパリのキッチンでは、ブラックステイン仕上げのオーク材キャビネットとブラックマルキーナ大理石のカウンターが、空間に深みと視覚的な統一感をもたらしている。

Kirsten Francis

スクエアを際立たせる“モノトーン”

デザイナー、オーガスタ・ホフマンは、黒と白のシンプルなカラーパレットを駆使し、自身のコンパクトなオープンキッチンを最大限に活かした。シックなダークトーンの水栓金具と大理石のバックスプラッシュが、空間に圧迫感を与えることなく、絶妙なアクセントを添えている。

Nicholas Calcott

ミニマルの仕上げは“ダークブラック”

デザイン事務所ジェット・プロジェクツのデザイナー、ダレン・ジェットは、ブルックリンに暮らす感度の高いクライアントのために、ムードとインパクトにあふれるコンパクトなキッチンを作り上げた。深みのあるブラックのキャビネットと、それに色調を合わせたペンダントライトが、限られた空間にドラマチックな表情をもたらしている。

Blaine Davis

アートの背景に徹する“ステンレススチール”

ニューヨークを拠点とするデザインスタジオBoNDが手がけたのは、チェルシーに暮らすアートコレクターのための特注「ヴィップ」のキッチン。モジュール式のデザインが住まい全体とフラットにつながり、その無駄のないすっきりとしたシルエットは、室内に飾られたアート作品を決して邪魔することはない。

Chris Mottalini

開放感を与えてくれる“クリームベージュ”

デザイン事務所ハズバンド・ワイフは、このキッチンに温かみのあるクリーム色の特注キャビネットを設えた。空間を広く見せる開放感と、人をやさしく迎え入れるような居心地の良さを同時に叶えている。

William Jess Laird

落ち着きをもたらす“オリーブカーキ”

デザイン事務所スタジオ・ムカが手がけたこのキッチンは、ナチュラルなアースカラーと温もりあふれる木目調の組み合わせが、家族が集う心地よいオアシスのような空間を作り出している。味わい深いテラコッタタイルとスレートブルーのキャビネットが、コンパクトな空間に圧迫感を与えることなく、配色に豊かな奥行きとメリハリを生み出している。

Laure Joliet

エネルギッシュな“スカイブルー”

デザイン事務所アナザー・ヒューマンのデザイナー、リア・リングは、カリフォルニア州ジョシュア・ツリーに立つこの別荘に、型にはまらない独自の色彩感覚を存分に発揮した。ライムグリーンのキャビネットに対し、スカイブルーの壁、そして補色で揃えたカウンターや床のタイルが見事な対比を描き、空間を鮮やかに彩っている。

Kelly Marshall

トラッド感漂うシックな“マラカイトグリーン”

デザイン事務所アパートメント48を率いるトップデザイナー、レイマン・ブーザーが手がけたのは、溢れんばかりの個性を備えたキッチン。鮮やかなマラカイトグリーンのキャビネットに対し、淡いブルーの天井と存在感のあるペンダントライトが美しいコントラストをなす。カラフルなコンロと、空間のトーンに馴染む柄物のローマンシェードが、この軽快で陽気なミックススタイルに一層の華やかさを加えている。

Original Text: SEAN SANTIAGO

>>US版『ELLE DECOR』のオリジナル記事はこちら

Hearst Owned

あわせてこちらもcheck!

Hearst Owned
Hearst Owned
元記事で読む
の記事をもっとみる

注目コンテンツ