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「別の席でもよくない?」座席が空いてるのにわざわざ近くに座った乗客。思わず友人に漏らした本音

  • 2026.8.3

のどかな旅の車内

まだ学生だった頃、仲のよかった友人と、温泉へ足をのばしたことがあります。

特急を乗り継ぐ、のんびりとした旅路でした。

平日の昼下がりということもあって、車内はびっくりするほど空いていました。

見渡すかぎり、乗客は私たち以外に、ほとんど見当たらなかったのです。

これなら気兼ねなく過ごせる、と友人と笑い合っていました。窓の外を流れる田園を眺めながら、旅のはじまりを楽しんでいたのを覚えています。

ボックス席を二人で占領して、荷物を広げていたほどでした。

たった一人、隣に

そんな車内に、途中の駅からお婆さんが乗り込んできました。

空席はいくらでもあるのに、その人はまっすぐ、私たちの隣へと歩いてきたのです。少し離れた席なら、いくつも選び放題だったはずでした。

そして、当たり前のように、すぐ横の席に腰かけました。

貸切のような電車で、たった1人、わざわざ私たちのそばを選んだことになります。

すぐに降りるのだろう、と私は思っていました。ところが、いくつ駅を過ぎても、お婆さんは降りようとしません。荷物を整えるでもなく、ただ前を向いて座っているだけでした。

何も起きてはいないのに、私は妙にそわそわしていました。

この広い車内で、なぜ隣なのだろう。その問いばかりが、頭の中をぐるぐると回っていたのです。

今も感じる不思議

私たちが降りる駅になっても、お婆さんは席を立ちませんでした。振り返ると、乗ってきたときと同じ姿勢で、静かに座り続けていたのです。

改札を抜けたあと、私は友人に本音を漏らしました。

「別の席でもよくない?」

友人も「本当に、不思議な人だったね」とうなずいていました。怖い目に遭ったわけではありません。ただ、腑に落ちないだけなのです。

もしかしたら、深い意味などなかったのかもしれません。それでも、あれだけ空いた電車で隣を選ばれた理由は、いまだに見当もつきません。

思い出すたびに、背筋のあたりがひやりとします。あの静かな車内の光景は、今も私の中で、小さな謎のまま残っています。

※tendが独自に実施したアンケートで集めた、20代・女性読者様の体験談をもとに記事化しています

※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。

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