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『退職金1,175万円』を受け取った40代男性→住宅ローンの繰上返済をしようと銀行へ…しかし、窓口で告げられた“想定外の事実”

  • 2026.8.8
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出典元:photoAC(※画像はイメージです)

こんにちは。20年にわたり金融機関の窓口で資産運用や家計管理のご相談をお受けしている、おがわ163です。

「まとまったお金が入ったら、一刻も早く住宅ローンを完済したい」

そう考える方は少なくありません。確かに負債がなくなる安心感は大きいですが、タイミングや制度の活用次第では、かえって損をしてしまうリスクが存在します。

今回は、転職時に支給された退職金1,175万円を使って住宅ローンを一括返済しようとし、住宅ローン控除との兼ね合いで思わぬ注意点に直面した40代男性・Bさんの事例をご紹介します。Bさんのケースをもとに、繰上返済の適切な判断基準と注意すべきポイントについて分かりやすく解説します。

「退職金で一気に返してしまおう!」と決意したBさん

40代前半のBさんは、転職を機に前職から退職金1,175万円を受け取りました。

住宅ローンの残高が気になっていたBさんは「せっかくまとまったお金が入ったのだから、ローンを一気に返してしまおう」と意気込んで銀行窓口を訪れました。

「住宅ローンの繰上返済をしたいんですが、手続きをお願いできますか?」

しかし、窓口担当者からの質問に、Bさんは思わず固まってしまいました。

「住宅ローン控除の適用期間は、まだ残っていますか?」

「繰上返済すると損をする」という衝撃

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出典元:photoAC(※画像はイメージです)

住宅ローン控除とは、年末時点のローン残高の1%が所得税から控除される制度です。

Bさんは2019年に入居しており、最長10年間の適用期間のうち、まだ3年分の控除が残っていました。所得税から控除しきれない場合は、住民税からも一定額(年最大136,500円)まで控除される仕組みがあります。(※Bさんは消費税8%が適用された契約のため、控除期間は10年です。2019年10月以降入居で消費税10%が適用された方は、最長13年間の控除期間となる場合があります。)

「現在のBさんの借入金利は1%未満ですので、繰上返済でローン残高が減ると、減った利息以上に控除額も少なくなってしまいます」と窓口担当者から説明を受けたBさん。

「え、早く返したら損するんですか?」とBさん。「控除が終わってから返した方がお得ということですか?」。
さらに窓口担当者から、もう一つの注意点が伝えられました。Bさんは変動金利でローンを組んでいましたが、近年の金利上昇の影響で返済額が増えてきていました。

「金利が上がっている今、固定金利への借り換えも含めて検討されてみてはいかがでしょうか」

「早く返せばお得」という思い込みが、実は大きな落とし穴だったのです。

完済を急ぎすぎず制度と金利を見極めて判断しよう

住宅ローンの繰上返済は、ローン控除の適用期間中に無理におこなうと、節税の恩恵が減って実質的な損失につながるケースがあります。控除率と借入金利を比較し、控除期間が終わるまで返済を抑える方が賢明な場合もあります。

また、変動金利を利用している場合は金利変動の動向に気を配り、固定金利への切り替えや運用資金としての確保も含めて総合的に検討することが大切です。

まとまった資金を手にした際は自己判断で一括返済を急ぐのではなく、制度の残り期間や金利環境を考慮し、事前に金融機関の窓口や専門家へ相談して最適な選択肢を見極めましょう。


執筆:おがわ163
金融機関勤務(勤続20年)。2級ファイナンシャル・プランニング技能士。窓口業務・資産運用相談の現場経験をもとに、生活に役立つお金の知識をわかりやすくお届けしています。

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