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私の居場所はどこ? 憧れていた実母との暮らしは搾取の毎日…苦しみのなか、自らの人生を切り拓いていく少女の姿を描いた実話ベースの物語【書評】

  • 2026.8.2

【漫画】本編を読む

※本記事には児童虐待を想起させる描写が含まれます。ご了承の上、お読みください。

本当のお母さんと暮らせば、きっと幸せになれる。そう信じていた少女の願いは、やがて苦しい現実へ変わっていく。『私の人生を食べる母』(米田幸代:原案、いよかん:著/KADOKAWA)は、里親に育てられた少女が生みの母との暮らしを経て、自分の居場所を見つけるまでを描く実話をもとにしたコミックエッセイだ。

主人公のサチヨは、生まれてすぐ、祖父母ほど年の離れた夫婦に里子として引き取られる。夫婦はサチヨを大切に育ててくれたが、家族の中で自分だけ苗字が違うこともあり、彼女はずっと疎外感を抱えていた。本当のお母さんと一緒に暮らせば、自分も普通の家族になれるのではないか。そんな思いを抱えていたサチヨのもとに、ある日、実母から「一緒に住まないか」という連絡がくる。

小学4年生にして、サチヨは夢にまで見た「本当のお母さん」との暮らしを手に入れる。けれど、現実は想像とは大きく違っていた。母は仕事で家を空けることが多く、家事はサチヨに押しつけられ、気に入らないことがあればひどく叱られるという生活。それでもサチヨは母に喜んでもらいたい一心で行動する。

ようやく一緒に暮らせた母に嫌われたくない。必要とされたい。そんな思いが、幼いサチヨを追い詰めていく。見かねた隣人が「困ったことがあったら使うんだよ」とお金をわたしてくれるが、それを知った母はサチヨにもっとお金を借りてくるように強要し、さらに「サチヨが助けてくれなきゃ、お母さん死んじゃうんだ」とまで口にする。夢見ていた母との暮らしは、安心できる居場所などではなく、サチヨの心を削っていく場所だった。

しかし本作は、そのつらさを伝える物語ではない。サチヨが苦しみながらも成長し、自分の人生を自分の手で切り開いていく姿が描かれている。生みの親、育ての親、養護施設。本当の居場所はどこにあるのか。その問いに向き合う彼女の歩みは、簡単に答えを出せないからこそ読み手の心に深く残る。

母に愛されたいと願い続けた少女はどんな未来を手に入れるのか。ぜひ最後まで見届けてほしい。

文=つぼ子

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