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「こんなに減っているのか…」停電で3日間の車中泊を続けた40代Aさん一家が直面した誤算

  • 2026.8.22
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出典:photoAC(※画像はイメージです)

皆さま、こんにちは。現役の不動産会社社長として、日々さまざまな土地や建物のご相談に向き合っている岩井です。

真夏にエアコンが突然動かなくなったら、皆さんはどうしますか?

近年は猛暑日が続くことも珍しくありません。小さなお子さんや高齢のご家族がいる家庭では室内で過ごすことが難しくなり、車で一晩過ごそうと考える方もいるかもしれません。

しかし、その判断が思わぬ負担や危険につながることもあります。

今日は、停電により自宅のエアコンが動かず、数日間の車中泊を続けた結果「ガソリン不足」という新たな問題に直面したご家族のエピソードをご紹介します。

熱帯夜に突然の停電…

数年前、私が不動産会社で住宅購入後のご相談を受けていた際、40代のAさんご家族から印象に残る出来事を伺いました。

その日は最高気温が35℃を超える猛暑日。日が暮れても暑さはほとんど和らがず、夕食を終えたご家族はリビングでテレビを見ながら過ごしていました。

午後9時頃、突然、部屋の照明が消え、エアコンの運転音も止まりました。落雷の影響で、地域一帯が停電したのです。

「ブレーカーが落ちたのかな?」

ご主人は急いで分電盤(ブレーカーをまとめた設備)を確認しましたが異常はありません。スマートフォンで停電情報を調べると、近隣一帯で停電が発生していることが分かりました。

時計の針は午後10時を回っていますが、復旧の見通しは立っていません。

エアコンが止まった室内は夜になっても30℃を超え、窓を開けても生ぬるい風が入ってくるだけ。幼い子どもは汗びっしょりになって何度も寝返りを打ち、高齢のお母さまもうちわをあおぎながら、「ちょっと息苦しいね」とつぶやいたそうです。

「このまま家で朝まで過ごすのは危ないかもしれない」

そう判断したAさんご家族は、車のエアコンを頼りに、その夜は車中泊をすることにしました。

「数日だけ」のつもりが想像以上に長引いた

最初の夜は「車なら涼しいし、これで何とかなる」と安心したそうです。

しかし停電は翌日になっても続き、エアコンも使えないまま。結局、ご家族は夜になるたび車へ移動し、エンジンをかけてエアコンを使用しながら眠る生活が続きました。

ところが3日目の朝、ご主人が燃料計を見て驚きます。

「こんなに減っているのか…」

エアコンを使い続けたため、ガソリンの消費は想像以上に早かったそうです。

さらに近くのガソリンスタンドでは「給油は20リットルまでです」という給油制限が始まっていました。長い列に並び、ようやく給油できても、翌日には再び残量を気にしなければならない生活。

暑さを避けるために始めた車中泊が「ガソリンがなくなったらどうしよう」という別の不安へ変わっていったといいます。

さらに気付いた「車中泊」の大きな危険

なんとか停電は3日で復旧しました。

自宅での生活が落ち着いた頃、Aさんは車中泊について改めて調べたそうです。そこで初めて知ったのが、エンジンをかけたまま車内で過ごす危険性でした。

例えば、マフラー(排気ガスを車外へ排出する装置)の周囲に土砂や落ち葉、雪などがたまって排気口が塞がれると、一酸化炭素が車内へ流れ込み、中毒を起こすおそれがあります。また、長時間のアイドリング(停車したままエンジンをかけ続けること)は、燃料を無駄に消費するほか、高温になった排気管が枯れ草などに引火し、車両火災など重大な事故につながる危険性もあります。

「あのときは、とにかく家族を涼しい場所で寝かせたいという思いしかありませんでした。もし何か起きていたらと思うと、本当に怖くなりました」

エアコンが使えなくなったときの備えも考えておきたい

真夏にエアコンが止まると夜間でも室温が高い状態が続き、小さな子どもや高齢者がいる家庭では熱中症のリスクが高まります。

停電が起きた際は、冷却シートや携帯扇風機、飲料水などの暑さ対策用品を活用するとともに、自治体が開設する避難所や親族宅など、車以外で過ごせる場所も事前に確認しておくと安心です。

また、車中泊は状況によってやむを得ない選択になることもありますが、エンジンをかけたまま長時間過ごすことには、一酸化炭素中毒や車両火災など命に関わる危険が伴います。

Aさんご家族のように「とりあえず車で一晩過ごそう」と考える前に、停電が長引いた場合の過ごし方や避難先まで想定しておくことが、猛暑の中で家族の安全を守る大切な備えにつながるでしょう。



筆者:合同会社ゆう不動産 代表 岩井佑樹

不動産売買の専門家として仲介・査定・買取に携わりながら、不動産Webライターとして1,000記事以上を執筆。「売る力×伝える力」を軸に、情報発信と販売の両面から不動産の価値を高めている。派手さよりも誠実さを大切にし、地域に寄り添う姿勢で「早く・高く・安心」の取引を支える不動産の専門家。


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