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25年前、一世を風靡した“水着の男子高校生5人”。1本の青春映画が“みずみずしかった”ワケ

  • 2026.8.30
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2001年9月、映画『ウォーターボーイズ』の取材に応じる矢口史靖監督(左)と妻夫木聡(C)SANKEI

そろいの水着、鼻をはさむ洗濯ばさみ、照れを振り切った男子高校生たち。2001年の映画『ウォーターボーイズ』には、夏のプールのまぶしさがそのまま閉じ込められている。

25年近くたって見返すと、もう一つ驚くことがある。中心にいるのは、映画初主演の妻夫木聡と、まだ全国区の主演俳優になる前の玉木宏。よく見れば杉浦太陽がおり、後に映画監督となる松永大司もいる。完成されたスターを集めた映画ではなく、これからそれぞれの場所へ飛び出す若者たちが、同じプールにいたのである。

5人が本当に一つになるまで

物語の中心は、成り行きからシンクロへ挑む5人。鈴木を妻夫木聡、佐藤を玉木宏、太田を三浦哲郁、金沢を近藤公園、早乙女を金子貴俊が演じた。

モデルになったのは、埼玉県立川越高等学校水泳部が文化祭で披露していた男子シンクロだ。撮影に参加した男子高校生役28人は、約1か月の水泳・シンクロ合宿を経験している。

だから、クライマックスの演技には青春映画の勢いだけではない説得力がある。最初は泳ぎも気持ちもばらばらだった5人が、最後には水面で呼吸を合わせる。演じる側も実際に練習を重ねたという事実が、役と俳優の成長を重ねて見せる。うまくできない姿を笑っていたはずが、いつの間にか成功を願っている。『ウォーターボーイズ』の気持ちよさは、その巻き込み方にあった。

妻夫木聡の「初主演」に似合った理由

妻夫木は本作以前にも『池袋ウエストゲートパーク』『カバチタレ!』などで注目されていたが、映画の主演はこれが初めてだった。本作で第25回日本アカデミー賞の優秀主演男優賞と新人俳優賞を受賞している。

鈴木は最初から皆を導くリーダーではない。頼りなく、流されやすく、それでも仲間が集まると先頭に立つ。初主演の俳優が、完成された大人物ではなく、みんなと一緒に主人公になっていく。その危うさが役に合っていた。

妻夫木はその後、数多くの主演作を重ね、2025年にも映画『宝島』とドラマ『ザ・ロイヤルファミリー』で主演を務めた。今の落ち着いた姿を知るほど、プールサイドを走り回る鈴木の若さが愛おしく見える。

脇にいても可笑しかった玉木宏

玉木が演じた佐藤は、アフロヘアが目を引く軽薄な青年だった。後年の端正な主演俳優の姿から振り返ると、この役に気づいて「そうだったのか」と驚く人がいるのもわかる。

格好よさを前へ出すのではなく、仲間の一人として思いきり可笑しくなる。今の玉木からは意外に見えるが、その振り切り方が5人の凸凹を豊かにしていた。

玉木は2006年に『氷壁』で主演し、同年の『のだめカンタービレ』では上野樹里とともに主演を務めた。だが、『ウォーターボーイズ』からすぐに現在の場所へ飛んだわけではない。5年の間に役を重ね、主演を担う俳優になっていった。

2003年の連続ドラマ版『ウォーターボーイズ』には、映画版の佐藤として友情出演している。わずかな接点でもうれしかったのは、あの5人が画面の外でも続いているように感じられたからだろう。

あのプールから別々の未来へ

出演者欄には、タイヨー役の杉浦太陽、望月役の松永大司の名もある。杉浦は同じ2001年に『ウルトラマンコスモス』へ主演し、その後も俳優やタレントとして活動。松永は俳優出演を経て監督へ転じ、2015年に初の長編劇映画『トイレのピエタ』を公開した。

主演俳優になる人、テレビで親しまれる人、演じる側から撮る側へ移る人。現在から配役を見ると、映画のエンドロールが未来の名簿のように見えてくる。ただし、価値があるのは有名人を何人見つけられるかではない。まだ行き先の決まっていない若者たちが、本気で一つの演技を完成させた。その瞬間が残っているから、後の人生までまぶしく見えるのだ。

若さとは、未来を知らないことの輝きでもある。

2026年8月、目黒シネマで本作がリバイバル上映されると、SNSには「すっ飛んで見てきた」といった声や、本作を懐かしみ「もう25年も前なのね」という投稿があった。何度見ても笑い泣ける映画だが、年月を重ねるほど、見る楽しみは増えていく。あの夏の5人と、そこから別々の場所へ泳いでいった俳優たち。その両方に会えるから、『ウォーターボーイズ』はまた見たくなる。


※記事は執筆時点の情報です

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