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女子高生に揺さぶられた5年後、年上女性へ一直線なイケメン俳優。恋の立場が逆転し続ける姿とは

  • 2026.8.14
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2019年8月、映画『ドラゴンクエスト ユア・ストーリー』初日舞台挨拶に登壇した佐藤健(C)SANKEI

女子高生と恋に落ちる音楽クリエイター。年上の女性へ一直線に思いをぶつけるパン職人。そして、高校時代の憧れを5年後に受け止める医師。

俳優の佐藤健は、年齢差のある恋を何度も演じてきた。ただし、その立ち位置はいつも同じではない。大人として少女に出会うこともあれば、年下の側から追いかけることも、長い時間を経て相手の思いに向き合うこともある。

作品ごとに変わるのは年齢だけではなく、どちらが追い、どちらが待ち、どちらが一線を越えるのかという恋の主導権だ。

嘘から始まった女子高生との恋

2013年公開の映画『カノジョは嘘を愛しすぎてる』で佐藤が演じたのは、音楽業界で活躍するサウンドクリエイター・小笠原秋。人気バンドを陰から支えながら、ビジネスとして消費される音楽に嫌気が差している、才能も苦さも抱えた大人だ。

そんな秋が偶然出会うのが、女子高生の小枝理子(大原櫻子)。秋は自分の正体を隠し、付き合い始める。二人の年齢差はもちろん、すでに音楽の世界で成功している秋と、これから才能を見いだされる理子の立場にも大きな隔たりがあった。

佐藤は秋を、余裕のある大人として押し切るのではなく、むしろ自分の才能や仕事に傷つき、素直になれない人物として演じている。理子を守ろうとしながら、ついた嘘によって傷つけてもしまう。その矛盾があるからこそ、二人の恋は甘いだけでは終わらない。

ここで描かれたのは、年上の男性が少女を導く単純な恋ではなく、大人のほうが自分の弱さを隠し、まっすぐな少女に揺さぶられていく逆転だった。

今度は年上の女性を追いかける

5年後、2018年放送のTBS系ドラマ『義母と娘のブルース』では、立場が反転する。佐藤が演じた麦田章は、ベーカリー麦田の跡取り息子。目標が定まらず、軽い調子で職を転々としてきたが、店を立て直そうとする宮本亜希子(綾瀬はるか)と出会って変わっていく。

亜希子は仕事ができ、何事にも全力で向き合う年上の女性だ。麦田は最初から頼れる男性だったわけではない。むしろ亜希子に助けられ、尻をたたかれながら、パン作りにも店にも本気になっていく。その変化の先で、尊敬は恋心へ変わった。

この役の面白さは、佐藤が「格好いい恋人候補」に収まりきらないところにある。麦田は調子がよく、思い込みも激しく、恋の進め方までどこか不器用だ。佐藤はコミカルな表情や勢いのある話し方で笑いを生みながら、肝心な場面では視線をまっすぐに変え、麦田の本気を見せた。

『カノジョは嘘を愛しすぎてる』では大人側にいた佐藤が、ここでは年下から追いかける側に回り、報われる保証のない恋を全身でぶつけている。

5年の時間が憧れを大人同士の恋に変えた

2020年放送のTBS系ドラマ『恋はつづくよどこまでも』では、学生と大人の距離に「時間」が加わる。上白石萌音が演じる佐倉七瀬は、高校生時代の修学旅行中、目の前で倒れた人を助けた医師・天堂浬に一目惚れする。その出会いをきっかけに看護師を志し、5年後、同じ病院で天堂と再会した。

つまり、恋の出発点は高校生と医師だが、二人が同僚として向き合うのは七瀬が大人になってからだ。学生時代の憧れが、そのまま禁断の関係へ進むのではない。5年という時間が、遠くから見上げるだけだった相手と同じ職場に立つための助走になっている。

佐藤が演じる天堂は、七瀬に「魔王」と呼ばれるほど厳しい。けれど、患者には誠実で、七瀬の成長も冷静に見ている。序盤の突き放すような態度から、少しずつ言葉や表情がやわらいでいくため、二人の距離が縮む過程そのものが見どころになった。

年齢差を一気に飛び越えるのではなく、七瀬が仕事を覚え、天堂が一人の看護師として認める時間を重ねたことで、憧れは対等な恋へ変わっていく。

年齢差よりも、距離の縮まり方を演じる人

三つの作品を並べると、佐藤が同じ年の差ロマンスを繰り返していたわけではないことが分かる。女子高生の才能に揺さぶられる大人、年上の女性へ不器用に突進する年下の男性、5年前の一目惚れを大人同士の関係として受け止める医師。立場も、恋の始まり方も、結末までの速度も違う。

共通するのは、相手との間に簡単には埋まらない距離があることだ。年齢、経験、仕事、時間。佐藤は、その隔たりを最初からなかったことにせず、嘘や失敗、ためらいを通して少しずつ縮めてきた。

印象に残るのは境界を越えた瞬間だけではない。そこへたどり着くまでの不器用さを変えて演じられることこそ、佐藤健のラブストーリーが何度も見たくなる理由なのだ。


※記事は執筆時点の情報です

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