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サイズ15cmに縮んだ“完璧男子”。女子高生との恋を演じ続けたイケメン俳優の「近づけない距離」

  • 2026.8.13
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2025年8月、映画『隣のステラ』完成披露舞台挨拶に登壇した八木勇征(C)SANKEI

女子高生が人気タレントに心を奪われ、女子高生の恋人だった年上の大学生が、ある日突然15cmになる。そんな少し変わった「届きにくい年上役」を続けて演じたのが、FANTASTICSのボーカルで俳優の八木勇征だ。

どちらも、道ならぬ恋を描いた作品ではない。それでも、同級生同士の恋より一歩遠い場所に相手がいる。年齢、知名度、立場、そして体の大きさまで、恋する二人の間には簡単に越えられない線が引かれていた。

八木がラブストーリーで担ってきたのは、甘い恋人役というより、近くにいるのに手が届かない存在だった。その役柄の連なりをたどると、本人もまた、大学時代に人生の進路が大きく変わった人物だと分かる。

ひとつのキッカケが歌への道を開いた

八木は幼い頃からサッカーを続け、推薦で高校、大学へ進学した。一方で、中学生の頃に友人から人前で歌うよう誘われたことをきっかけに、アーティストへの憧れも抱いていたという。ただ、サッカーに打ち込む生活の中で、その夢を追い切れずにいた。

転機は大学時代に訪れた。ケガでサッカーができない期間が続き、競技を離れた直後に「VOCAL BATTLE AUDITION 5」の開催を知った。本人は後のインタビューで、その巡り合わせを歌の夢へ進むきっかけと捉えたことを明かしている。

2017年、約3万人が参加した同オーディションに合格し、FANTASTICSへ加入。翌2018年に『OVER DRIVE』でメジャーデビューし、2021年放送のMBSドラマ『美しい彼』で俳優活動を本格化させた。思い描いていた道が閉じたとき、別の夢へ踏み出したことが現在の八木につながっている。

女子高生が見上げた「完璧男子」

2023年放送の日本テレビ系ドラマ『沼る。港区女子高生』で、八木が演じたのは人気タレントの園宮蓮。園宮は、2022年放送の『ばかやろうのキス』から続投したキャラクターで、外からは隙のない「完璧男子」に見える存在だ。

桜田ひより演じる高校生の倉石えなは、園宮を見た瞬間に特別な色を感じ、封印していた絵を再び描き始める。えなには同級生の恋人がおり、園宮との関係は単純な恋人同士ではない。描かれるのは、現実の生活と、遠くから見つめる「推し」の間で揺れる気持ちだ。

園宮は華やかな世界の住人でありながら、すべてを表に出さない。その見えない部分が、えなをさらに引きつける。八木は、近づけば素顔が見えそうなのに、最後の一歩では距離が残る人気者を演じ、恋と憧れの境目をつくった。

年上なのに15cm、立場まで逆転した恋人

翌2024年放送のテレビ朝日系ドラマ『南くんが恋人!?』では、距離の描き方が一変する。八木が演じた大学生の南浩之は、飯沼愛演じる女子高生・堀切ちよみの年上の恋人。地元で将来を期待されるバスケットボール選手だが、ある日突然、身長15cmの手のひらサイズになってしまう。

年上で、スポーツもできて、ちよみにとって憧れだった南くん。しかし小さくなった後は、ちよみに守られなければ日常生活も難しい。頼れる年上と守られる年下という構図が、体の大きさによってひっくり返る。

八木は撮影で、ちよみの映像を見て間合いを覚え、その動きに合うようグリーンバックで演じたという。同じ場所にいない二人を、会話の呼吸で恋人同士に見せる必要があった。

年の差を強調するだけでなく、年上の余裕が失われても残る思いやりを見せたことで、南くんは「15cm」という奇抜な設定だけでは終わらない恋人になった。

八木勇征が演じる「近くて遠い」

2025年公開の映画『隣のステラ』で、八木は福本莉子とダブル主演を務めた。演じた柊木昴は高校2年生で、幼なじみの天野千明も同学年。昴が若手モデル兼俳優として注目されるにつれ、二人の間には「芸能人と一般人」という別の距離が生まれていく。

園宮蓮は高校生が見つめる人気タレント、南浩之は女子高生より年上の恋人、柊木昴は幼なじみから遠い存在になっていく若手俳優。設定は違っても、八木が立つのはいつも、近さと遠さが同時に存在する場所だ。

八木が繰り返し演じてきたのは、単純な年の差ではなく、好きなのに近づけない距離そのものだ。その距離を少しずつ縮める表情や声があるからこそ、見慣れたラブストーリーにも、毎回違うときめきが生まれている。


※記事は執筆時点の情報です

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