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1年前に彼女から届いた憧れの指輪の写真を、俺は指輪選びの日まで大事にしていた

  • 2026.8.1
ハウコレ

憧れを叶えるつもりで温めていた1枚の写真を差し出したとき、彼女は自分の送ったメッセージを覚えていませんでした。憧れと欲しいものは、必ずしも同じではないと知りました。

彼女がショーケースの前で「これ、きれいだね」とつぶやいた声を、俺は聞こえないふりをして隣のケースを指しました。

1年前、彼女が送ってきた1枚

プロポーズの返事をもらった日から、俺は指輪選びの日を楽しみにしていました。1年前、彼女は友人の結婚式の帰りに、太めのパヴェダイヤの写真を「派手だけど、こういうの本当は憧れる」というメッセージ付きで送ってきました。

似合わないから選ばないだろうけど、憧れは持っている。そのメッセージを、俺は勝手に「本当はこれが欲しいんだろう」と読み替えていました。指輪選びの日は、その憧れを慎重に叶えたいと思っていました。

「これはどう?」と隣のケースを指した俺

店に入ってから、彼女は細身のプラチナリングに真っ先に目を留めました。俺はそれに気づいていながら、うなずくだけで返し、視線を隣の太めのケースへ向けていました。

試着した彼女の指に細身のリングはすっと馴染んで見えましたが、俺はまだ諦めきれず、太めのリングを店員さんに頼みました。「これはどう?」と差し出すと、彼女は困ったような顔で試着し、「ちょっと大きすぎるかも」と返しました。予想と違う反応でした。

それでも俺は、似た系統のリングをもう1つ頼みました。叶えてあげたい気持ちが先走って、彼女の声を聞き取れなくなっていました。

「もう少し他のも見よう」の裏側

彼女が細身の方を見たがっているのは、途中から気づいていました。それでも俺は「もう少し他のも見よう」と繰り返してしまいました。ここで細身に決めてしまったら、彼女の本音を叶えるチャンスをなくしてしまう。そう考えていたからです。

同じフロアを二周する間、彼女の口数は減っていきました。決めきれないまま店を出て、カフェへ向かう道で、俺はスマホのスクリーンショットを何度も開き直していました。切り出すタイミングを、まだ探していたのだと思います。

そして...

カウンター席で「私の好みじゃないやつばかり見てたね」と彼女が口にしたとき、俺はスマホを差し出し「これ、覚えてる?」と1年前の彼女が送ってくれた写真を見せました。「派手だけど、こういうの本当は憧れる」の一言を見つけた彼女は、送ったこと自体を忘れていたようでした。

「覚えてたんだ」と小さく返す彼女に、俺は「言ってくれれば、こっちに絞ったのに」と苦笑いしました。憧れと欲しいものは、いつも同じ場所にあるとは限らない。俺は1年かけて、勝手にそれを取り違えていた気がします。次に店に戻るときは、彼女が最初に指したものから見ようと決めました。

(20代男性・営業職)

本記事は、読者アンケートに寄せられた実体験をもとにした本人視点の記事を参考に、相手側の心情を想定して制作しています。実際の相手本人への取材ではなく、編集部による解釈を含みます。

(ハウコレ編集部)

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