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「月8.2万」で築12年の中古マンションを購入→入居者から月11.2万の家賃を徴収するが…4年後、40代男性が直面した“異変”

  • 2026.8.1
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出典元:photoAC(※画像はイメージです)

「毎月3万円の副収入が得られて、年金や生命保険の代わりにもなる」

そんな甘い謳い文句に惹かれて投資用マンションを購入したものの、数年後に大きな持ち出しが発生して後悔するケースが後を絶ちません。表面上の収支シミュレーションだけを信じてローンを組むと、空室や管理費の値上げ、価格下落によって一気に「資産を食いつぶす装置」へと化してしまう恐れがあります。

今回は、40代会社員男性の実録エピソードをもとに、不動産投資に潜む「売却時の罠」とシミュレーションの落とし穴について詳しく解説します。

忍び寄る追加コストと「利益」の消滅

異変が起きたのは、購入から4年が経過した頃です。マンションの管理組合から「大規模修繕に向けた積立金不足」を理由に、月々の管理費・修繕積立金が一気に9,500円値上げされる通知が届きました。

当初は「家賃収入からローン返済と管理費等を差し引いて毎月約3万円の手残り」があったはずが、この値上げで手残りは約2万円に圧縮。さらに追い打ちをかけたのが、毎年の固定資産税と都市計画税(年額10万8,000円・月換算で9,000円)の負担です。

「月3万円の利益」だと思っていたものは、実質的に「月1万1,000円程度」にまで目減りしていました。

「それでも、持ち出しがないだけマシだ」と自分に言い聞かせていたAさんに、決定的な「1通のメール」が届きます。入居者からの退去届でした。

「空室」という恐怖…毎月10万円の持ち出し

次の入居者が決まるまでの3ヶ月間、家賃収入はゼロになりました。しかし、銀行へのローン返済(月8万2,000円)と管理費・積立金の支払いは1円も待ってくれません。毎月10万円以上の持ち出しが、彼の家計を直撃します。

さらに、新しい入居者を迎えるための原状回復費用(ハウスクリーニング代やエアコン交換費用など)として、計18万円の請求書が届きました。

「この物件を手放したいのですが、現在のローン残債はおいくらですか?」

焦ったAさんは銀行や不動産会社へ相談に訪れましたが、提示された事実は残酷なものでした。

「売るにも売れない」債務超過(売却損)の罠

現在の物件相場は、入居者交代に伴う家賃の下落(11万2,000円→10万5,000円)を反映し、査定額は2,100万円。

対して、ローンの残債は2,180万円残っていました。

不動産を売却して手放したくても、売却価格がローン残債を下回る状態(債務超過)になっているため、仲介手数料などの諸経費を含めると、手出しで200万円近い「現金」を用意しなければ抵当権を抹消して売ることすらできないのです。

「家族のために残そうとしたマンションが、今や家族の旅行や教育費を削る原因になっている……」

Aさんは毎月の赤字を埋めるため、本業の合間に副業を検討せざるを得ない状況に追い込まれてしまいました。

「節税になる」という言葉の裏側

購入時に提示される「節税効果」にも注意が必要です。これは建物の減価償却費やローンの支払利息などを「帳簿上の経費」として給与所得と損益通算し、一時的に所得税の還付を受ける仕組みです。

しかし、返済が進むにつれてローンの利息割合が減り、経費計上できる額が少なくなると、手元の現金は減っているのに帳簿上は黒字化して税負担が増える現象(デッドクロス)が発生します。「帳簿上の数字」と「手元の現金(キャッシュフロー)」は別物であり、節税額が日々の持ち出し額を上回り続けることは基本的にありません。

投資用不動産で失敗しないための3つの心得

「毎月の副収入」「節税効果」「生命保険代わり」といった言葉は非常に魅力的ですが、リスクを考慮しない甘い見通しのまま購入してしまうと、将来の家計を圧迫する大きな原因になります。投資用不動産を検討する際は、以下のポイントを必ず頭に入れておきましょう。

  1. 隠れた追加コストや空室リスクを初期シミュレーションに織り込む:将来的な修繕積立金の値上げ、固定資産税、退去時のリフォーム費、数ヶ月の空室による持ち出しなど、発生し得る支出をあらかじめ厳しく見積もっておく。
  2. 「節税」や「帳簿上の数字」を過信しない:減価償却や損益通算による節税効果は永続的ではなく、年数が経つにつれて効果が薄れる(または税負担が増える)構造を理解しておく。
  3. 「売却時の難易度(出口戦略)」と最悪のシナリオを想定する:家賃下落や資産価値の低下により、売却額が残債を下回ると「損切り(売却)すら手出し現金が必要で困難になる」リスクがあることを把握しておく。

不動産投資を検討する際は、販売会社が提示する都合の良いシミュレーションを鵜呑みにせず、常に「最悪のシナリオ」まで想定した上で慎重に判断することが大切です。


※本記事は一般的な不動産投資のリスクや仕組みについて解説したものであり、特定の商品や投資行動を推奨・勧誘するものではありません。実際の投資判断や契約にあたっては、収支計画を十分に精査し、専門家へご相談の上、ご自身の責任で行ってください。

ライター:CF_SOU

元メガバンク勤務。30年以上の金融業界経験を持ち、現在は証券アナリスト、簿記2級の知識を活かして、現場視点での金融コラムを執筆中。融資審査や債権回収の現場で培った「お金の裏側」を伝えます。

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