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子どものイヤイヤにどこまで付き合えばいい?保育園でのイヤイヤ期の受け止め方

  • 2026.7.29

こんにちは!保育士のはるです。「うちの子、家では床に寝転がって『いや!』って泣き叫ぶのに、保育園ではどうですか?」なんていう保護者の方の相談に「え!園ではみたことない!」と返すことが良くあくあります。実は、保育園で子どもが床に寝転がってイヤイヤする場面って、想像しているよりずっと少ないんです。もちろんイヤイヤすることはありますが、保育園では「保育園の顔」を見せているので、おうちで保護者の方に見せる姿とはまた別物。決して「園ではいい子で、家ではワガママ」というわけではなく、そこにはちゃんとした理由があります。今回は保育園で行っている子どもの「イヤ」への対応と気持ちの切り替え方、そして「保育園ではイヤイヤしないのに家ではする」ことが実は子どもの心の育ちの証であること。そのうえで、家庭でも今日から使える、あるあるシーン別の対応策を4つご紹介します。「保育士ってイヤイヤ期相手に大変」って思われることが多いんですが、実はそんなに大変ではなかったりするんです。

保育園で「イヤイヤ」があまり見られない理由

保育園でイヤイヤがあまり見られないというと、そりゃ「プロだから」と思われがちなんですが、保育園で無意識にやっていることが意外と効果があったり、あとは子どもが「保育園の顔」をしているという部分が大きいと思っています。

集団生活は「見通し」でできている

保育園という場所は、実は一日の流れがかなりパターン化されています。登園したら朝の支度、遊んだらお片付け、お片付けしたら手洗い、手洗いしたらおやつ……というように、次に何が起こるかがある程度決まっているんですね。子どもは見通しが持てると、気持ちの準備がしやすくなります。「もうすぐお片付けの時間だな」「あと少し遊んだら給食だな」と、自分の中で心の準備ができるので、大人が「お片付けしてね」と声をかけたときも、比較的すんなり受け入れられることが多いんです。保育の指導案にもよくこの「見通し」という言葉は出てきます。これに対して家庭では、一日の流れが日によって違いますよね。休日は特に予定もバラバラで、子どもからすると「次に何が起こるかわからない」状態になりやすい。見通しが持てないことは、実は子どもにとって大きなストレスにつながることも。だからこそ、家では思いがけないタイミングでイヤイヤが爆発しやすいのです。

「集団の目」が気持ちを切り替えさせてくれる

もうひとつ大きいのが、周りに友だちがいるという環境です。お友だちが楽しそうに次の活動に移っていく姿を見ると、「自分も行ってみようかな」という気持ちが自然と芽生えます。これは大人が何かを言うよりもずっと強い後押しになることがあります。私たち保育士は、この「集団の力」をうまく借りながら気持ちの切り替えをサポートしています。たとえば、Aちゃんがブロック遊びをやめられずにいたときも、「もうすぐみんなで紙芝居を見るよ、一緒に行こう」と誘い、実際にお友だちが集まっていく様子を見せることで、すっと気持ちが切り替わったことがありました。 また、Bちゃんの癇癪にC先生が対応していたけれど10分くらい経つからD先生が代わりに行ったらすんなり終わった。なんていうこともあります。これはD先生の声掛けが良かったとかではなくて、人が変わったから「あれ?なんでイライラしてたんだっけ?」と子どもの切り替えにつながるからです。無理に説得するのではなく、「楽しそうな次」を目で見て感じてもらう。これが園でイヤイヤが長引きにくい理由のひとつです。

保育士がしている「気持ちの代弁」

とはいえ、園でも子どもがイヤな気持ちになる場面はもちろんあります。そのときに私たちが大事にしているのが「気持ちの代弁」です。「まだ遊びたかったんだよね」「悔しかったね」と、子どもが言葉にできない気持ちを大人が先に言葉にしてあげる。これだけで、子どもは「わかってもらえた」と感じて、驚くほど落ち着くことがあります。イヤイヤの多くは、「自分の気持ちをわかってほしい」という欲求から来ているので、まずそこを満たしてあげることが、次の行動につながる一番の近道。とはいうものの、保育士は他人のお子さんだからできることもあるわけで。私自身自分の子には「いいかげんにしろー!」となることも多々あります。10回に1回くらい寛容的に接することができれば花丸だと思うくらいの気持ちでも良いのではないでしようか。

家でイヤイヤするのは、実は子どもの心が育っているサイン

「園ではいい子なのに、家では大暴れ……。私の接し方が悪いんでしょうか」こう不安に思う保護者の方に、「それは、お子さんがお母さん・お父さんのことを心から信頼している証拠ですよ」と伝えています。子どもにとって、自分の気持ちをそのままぶつけられる相手は、実はとても限られています。園という集団の中では、子どもなりに「ここでは頑張らなきゃ」「先生や友だちの前ではこうしよう」という無意識の緊張感を持っていることが多く、それが、大好きな保護者の顔を見た瞬間にふっと緩んで、我慢していた気持ちが一気にあふれ出す。これが「家でだけイヤイヤが激しい」の正体です。なので保育園である程度感情を出してくれるようになると「保育園でもイヤイヤしてくれた!」とちょっと嬉しくなるのが、保育士というものです(笑)。

自己主張は「自分」が育っている証

イヤイヤ期は、「第一次反抗期」とも呼ばれ、自我が芽生え始めた証として位置づけられています。これは私がイヤと言いたいくらい、学校でも研修でも言われていました(笑)。「イヤ」と言えるということは、「自分の意思がある」ということ。まだ言葉でうまく説明できない分、態度や涙で表現しているだけなんです。私自身、我が子が「イヤ!」を連発していた時期は正直しんどかったです。「あ、この子は今、自分の考えをちゃんと持てるようになってきているんだな」と思うようにしたいけど、こっちも人間。難しい時だってあります。

だからこそ、家庭での「受け止め方」が大切

園と家庭では役割が違います。園は「集団の中でどう振る舞うか」を学ぶ場、家庭は「ありのままの気持ちを受け止めてもらう」場。どちらも子どもにとって欠かせません。家でのイヤイヤに対して、「今日も出せているな、よかった」くらいの気持ちで受け止めてもらえると、子ども自身も安心して自分の気持ちと向き合えるようになります。

家庭でできる!あるあるシーン別・イヤイヤ対応策

保育園で行っているイヤイヤの対応策。家庭と保育園とでは環境が違うので全てがうまくいく……というわけではないですが、頭の片隅に覚えておいてもらって「今回は短く済んでラッキー♪」と思ってもらえたら何よりです。

朝の登園準備でイヤイヤ「服着ない!靴履かない!」

忙しい朝に限って、子どもは着替えや靴を拒否しがち。時間がないだけに、保護者もついイライラしがち。「早くして!」「もう置いていくよ!」と急かしたり脅したりするのは、子どもは焦りやプレッシャーを感じて、余計に頑なになってしまい逆効果。・「選ぶ余地」を与える 「この青い服と、こっちの黄色い服、どっちにする?」と2択にすると、子どもは「自分で決めた」という納得感を持ちやすくなります。園でも、朝の支度を嫌がるお子さんには、着る服やタオルの色を選んでもらうことがよくあります。・見通しを先に伝える 「あと5分でお着替えの時間だよ」と事前に予告しておくと、心の準備がしやすくなります。いきなり「着替えて」と言われるより、格段に受け入れやすくなるんです。・ゲーム感覚を取り入れる 「よーいドン!お着替え競争しよう」と遊びの要素を入れるだけで、拒否していた子がスイッチが入ったように動き出すこともあります。わが家の息子はこのゲーム感覚がとてもよく効く子で、小学生になって今でも着替え対決をしようと誘ってきます。朝は時間がないからこそ、あえて5分早く声をかけ始めるのがコツ。焦る気持ちをぐっとこらえて、選択肢を用意しておくだけで驚くほどスムーズになります。

お風呂・寝る前のイヤイヤ「まだ遊びたい!寝たくない!」

一日の終わり、疲れがピークに達する時間帯だからこそ起こりやすいのがこのパターン。子どもも大人も余裕がなく、長引きやすい時間帯です。「いい加減にしなさい」と強く叱る、無理やりお風呂に連れて行く……、子どもの気持ちが置き去りになったまま行動だけを強制すると、余計にこじれてしまいがちに。・気持ちを一度言葉にして受け止める 「まだ遊びたかったんだね」と一言添えるだけで、子どもは「わかってもらえた」と感じ、次の行動に移りやすくなります。園でも、活動の切り替え時にはまずこの一言を欠かしません。・「終わりの合図」を子ども自身に決めてもらう 「あと3回滑り台やったらおしまいね」「タイマーが鳴ったら終わりね」と、終わるタイミングを子ども自身に選ばせると、納得感が生まれます。・次の楽しみを見せる 「お風呂上がったら、絵本読もうね」など、次に待っている楽しいことを具体的に伝えると、気持ちが切り替わりやすくなります。寝る前は疲れもたまっているぶん、大人もつい感情的になりがちです。でも「終わり」を子どもに委ねるだけで、驚くほどすんなり動いてくれることがあります。

「自分でやりたい!」のに上手くいかずイヤイヤ

靴を自分で履きたい、ボタンを自分で留めたい、パズルを自分で完成させたい……。「自分でやりたい」気持ちが強い時期ほど、思い通りにいかないことへの苛立ちも大きくなります。手伝おうとすると「イヤ!」、でも自分ではできなくて余計に癇癪になる、というループに陥りやすい場面です。「じゃあママがやってあげる」と本人の意思を無視して手を出してしまう、または「そんなに怒るなら自分でやりなさい」と突き放してしまう。どちらも「やりたい」という気持ちそのものを否定することになってしまいます。・「やりたい」気持ちをまず認める 「自分でやりたかったんだね、頑張ってたね」と、結果ではなく挑戦した気持ちそのものを認めます。園でも、着替えやお片付けで苦戦しているお子さんには、まず「頑張ってるね」と声をかけるようにしています。・さりげなく手伝い、成功体験に変える 全部を手伝うのではなく、最後の一歩だけをそっと手伝う「一部サポート」がポイントです。たとえば靴を履くときに、かかとの部分だけ支えてあげると、「自分で履けた」という達成感を子ども自身が感じられます。「ここまでお手伝いしていい?」「ここだけやってもいい?」と確認をとっています。・難易度を少し下げてあげる ボタンが留められないなら、大きめのボタンから練習する、パズルのピースを一時的に減らすなど、少し頑張れば成功できるレベルに調整してあげると、イヤイヤに発展する前に達成感を味わえます。「自分でやりたい」気持ちが強いのは、それだけ自立心が育っている証拠です。手を出しすぎず、かといって突き放しすぎず、「ちょっとだけ背中を押す」くらいの距離感が、家庭でもちょうどいいバランスだと思います。

家庭でのイヤイヤは楽になる

ふじこ先生の『元保育士のグズらない声かけ145 イヤイヤ期のトリセツ』には、そんなシーン別のイヤイヤ期の声掛けの仕方がたくさん載っています。こちらもあわせて参考にしてみて下さいね。私自身、我が子のイヤイヤに毎回きれいに対応できているかというと、正直そんなことは全くありません。仕事で疲れて帰った日は、つい強い口調になってしまうこともあります。それでも、「保育園ではしっかり我慢している分、家で気持ちを出せているんだな」と思うように心がけていました。園と家庭は、役割が違っていい。むしろ違うからこそ、子どもは安心して両方の顔を使い分けながら育っていけるのだと思います。今日のイヤイヤも、明日のイヤイヤも、「またか」ではなく「今日もちゃんと出せてるな」と、少し違う目で見てあげてください。それだけで、保護者の方の気持ちにも、きっと余裕が生まれると思います。

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